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【一般】接(整)骨院と整体院の違いについて:新聞記事「施術の現場より 1 」


 接骨(院)院と整体院。この2業種は一般の方からすれば明確な違いを知られていないというのが実情であろう。結論から言うと国家資格と無資格(民間)、医療(一部許可を受けた)リラクゼーション、施術費用の保険適応の有無の3点が大きなところである。混同されることが多いが全くの別職種であり、その違いについて後述していくが、その前に施術という行為について触れておく。まず大前提にあるのは、治療や診断などの医行為は医師のみが行うことができる行為ということ。ほかの医療系国家資格がおこなう施術は、さまざまな歴史的背景から患者の利便性を考慮し、医行為の一部を医師以外の者が行うことを、法律上認められて行っている。

 接(整)骨院で施術を行うためには、基本的に柔道整復師(柔整師)という国家資格が必要。柔整師の仕事は外傷に対し、症状や機能の改善を目的として施術する事であり、骨折・脱臼・ねんざ・打撲・挫傷(肉離れ)に対する施術において健康保険の適用が認められている。骨折・脱臼に関しては応急処置は可能だが、それ以降の施術は医師の同意が必須である。外傷の施術に関して「医師もしくは柔整師」以外の者が行った場合は、その法律にのっとり罰則が存在しており、そのことからも外傷に対する専門性を認めている。これは、後に紹介する「あはき」と通称される鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士および作業療法士、そして整体を含む無資格施術など全てに適応され、外傷は医師もしくは柔整師の業務範囲となる。(スポーツトレーナーも外傷施術はできない)

 整体師(院)とは、厚生労働省における無資格施術(者)となりリラクゼーション業に分類される。独自の知識と手技により行われる慰安行為で民間認定資格(免許)により施術が行われており、リラクゼーションに対する主たる法律が存在しないため、施術における自由度は高く手技やストレッチだけではなくさまざまな民間療法を行っており、日々の疲れを癒す目的での利用者も多い。

 近年は業種間の業務範囲がとにかく曖昧になってきているが、接(整)骨院はケガに対する施術、整体院は慰安目的と区別できているなら施術に関するトラブルも怒らないだろう。施術トラブル(事故)についてはの情報は、国民生活センターや消費者庁のホームページに掲載されているので、興味のある方は確認していただきたい。


後記:12月7日(月)に地元紙で掲載された第1回目の記事です。取材に基づいて記事にしたではなく、原稿自体を私が書いています。手直しは殆ど入っておらずほぼ原稿通りです。柔道整復師の目線から書いている為、他業種の方からすれば言いたいことは多々あると思いますが、この記事は新聞紙面の向こう側つまり一般の読者に向けて書いている為、極力医学用語のような難しい言葉を使用せずに書く努力をしております。週1のコーナーですので、12月28日現在、4本の記事が掲載されております。

12/13(日) 接骨院にかかるときの注意点

12/21(月) 鍼灸師と現況

12/28(月)あん摩マッサージ指圧師とは


令和3年1月以降の内容(予定)

・外傷の応急処置はRICEからPOLICEへ

・痛いときは冷やすのか温めるのか

・理学療法士とは

・オスグッド・シュラッター病(膝の痛み)

・接骨院でサインする青用紙の正体

・医療機関および施術所での不正請求について

・通院の強制はパワハラなのか


他にも原稿はありまして、23本あります。

接骨院で施術をしている際に、私が思っている事や患者さんから質問を貰ったものなどを中心に書いております。今後とも、よろしくお願い致します。


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