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宇宙のお試し~共に生きてく~

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ある日の夢に出てきた少年と私の物語(フィクションです)
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#オレンジの太陽

音のない門

音のない門

「せいやん! そろそろ行こうか」

『たくみくん、ちょっと待って…』

僕は描きかけの絵を急いでカバンにしまい込み

荷物のなくなった殺風景な部屋をゆっくりと見渡して

心の中で“さよなら”を言ってから扉を閉めた。

今日、僕は生まれて初めて“引っ越し”という大移動を経験する。

たくみ叔父さんの転勤先の海の見える田舎の町へ。

僕の父は、トンネルを作る仕事をしていて、

僕が生まれてすぐに、作業

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