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健康経営に取り組む3つの目標タイプ

健康経営の取り組みを支援させていただく中で、多くの企業様から「健康経営を自社の経営戦略・経営課題とうまくひもづけができない」との声をいただきます。

健康経営を推進するために、健康経営の取り組みに成功している有名企業や先行事例を参考にするケースが多いと思いますが、経営戦略や経営課題が異なれば「健康経営に取り組む目的や目標」も異なるため、各社の個別事例をそのまま自社に当てはめるのは難しい事情があります。

今回は少し視点を上げて、健康経営に取り組む企業が何を目標にしているのかを3つのタイプに分けてご紹介します。参考にするのはMS&ADインターリスク総研株式会社の「健康経営実態調査2020 -ヘルスリテラシー向上の取組み-」というレポートです。

調査概要

健康経営優良法人2019認定法人(1,148社/36.1%の認定法人が回答)に対して、健康経営の目的や目標設定、取組施策の内容や工夫に関するアンケートを実施したものです。

健康経営の目標タイプ分類 ~3つの目標タイプ~

調査の結果、健康経営の目標は「①生活習慣の改善」「②ワークエンゲージメント」「③従業員の幸福度」の 3 つに大別できることが分かりました。目標タイプによって注力する取組テーマや対象従業員が異なっています。

注目すべきはその割合で、①20.0%、②29.5%、③18.9%、④その他31.6%と、1つの目標タイプに集中するのではなく、経営課題などの違いによって様々な目標タイプに分散しています。企業における健康経営の位置づけ(取組目的)に唯一の正解はなく、各社とも自社に適した位置づけを模索していることが分かります。

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目標タイプの傾向

ではどのような企業がどの目標タイプになる傾向が強いのでしょうか。調査では従業員規模と業種によって目標タイプの傾向に違いがあるか否かを調べています。

調査結果では「幸福度型は『100 名以下の規模の法人』や『建設業』でやや多い」「ワークエンゲージメント型と生活習慣改善型は『大規模な法人』で多い。」と指摘されています。

しかし、当社の受け止めとしては、企業規模や業種による差はほとんどないと捉えています。「自社は中小企業だから○○型」「自社はサービス業だから○○型」と考えるのではなく、「自社の経営課題は○○で、企業カルチャーは○○を大切にしているから、○○型」という視点で調査結果を見ていただくと、自社がどのタイプに該当するのかイメージしやすくなると思います。

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おわりに

今回は健康経営に取り組む企業が何を目標にしているのかをご紹介しました。他社事例を無差別に取り入れると自社の目標と合わず取組効果が十分に得られないことがあります。他社の取組を参考にする際は、他社と自社の目標タイプが一致しているかの観点を持って、どの事例を取り入れる方が良いのかを考えていただければと思います。

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