愛。

絡みつくような愛がほどけなくて私は涙する。苦しくて泣いたとしても何も変わらない。どこからも抜け出せないと分かっているのにこの苦しさから抜け出す道を探し続ける。

私には必要なその手を離せなくて、泣きながらその手を繋ぐ。時には愛しく時には切なく時には狂おしく。私が欲してたまらなかった私を抱きしめてくれる優しいその手をどうやって放していいのかなんて分かるはずもなく、心が磨り減ろうと体に異変が起ころうと私はその手を自分から離すことができない。

誰かが綴る文字を追ってまるで自分のことのように涙を流す。愛する人の全てに敏感すぎる気持ちは私が抱えるそれと同じで心を刺激しすぎる。覆うようにまっすぐに迫り来る情念が鋭く形を変えて私の心を突き刺す。痛くて目を閉じたくなる気持ちを押し殺してその文字を追い続けるのはその先に私が探す答えがあるかもしれないと淡い期待を抱くから。

誰かを愛することがどれほど罪なことなのか私には分からない。誰かの腕のなかで眠りたいと思う素直な願いが罪だとは思わないのに、私の願いは叶わなくていつも私は孤独を抱きしめる。

声を大にして私を抱きしめてと叫んでみても誰かの心には届かなくて、ただ反射して私の身体中に飛び散るように戻ってくる。私がその言葉に熱を帯びさせれば帯びさせるほど勢いを増して私に返ってくる。

私は私の情の深さに絶望する。愛すれば愛するほど絶望する。溢れ出す愛を眺めるたびにどうにかして感情を無にしようと抑え込む。愛を増やしてはいけない。愛に殺される。

何を投げ出せば私の願いは叶うのかと誰に問えばいいか分からない。絶望と愛情がごちゃまぜの私を愛してほしいと唇を噛みしめる。憎々しいほどのその優しい手に溺れる私は愚かだけれど、その愚かな私をきっとあなたは愛している。もっと自分に溺れろとあなたは何度も何度も愛の言葉を囁く。


#エッセイ #愛 #愛のイメージ



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