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京都アニメーション放火殺人事件について

京都市のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオでの放火事件の続報が連日報道されています。35人が死亡し、33人が負傷した平成以降最悪の放火殺人事件です。

事件は7月18日に発生しました。犯人はすぐに逮捕されたものの重篤な状態で、その後、意識を取り戻したとの報道を見かけましたが、まだ予断を許さない状況のようです(26日時点)

同社への支援の輪がすぐに広がり、海外を含めた寄付金の総額が10億円を突破しました。とはいえ遺族や負傷者へのケア、会社の再建のためには10億円では足りないとも報じられています。損失はあまりにも大きいです。

才能ある若い人たちが多く亡くなりました。犯人がビルの入り口でガソリンをまき火をつけてから、ほんの1分ほどで火は一気に燃え上がったようです。螺旋階段がある同ビルの構造が火の回りを早くしたと言われています。従業員は逃げる間もなく命を落とされたのだと思います。

彼らの命はもちろんのこと、彼らがこれまで作り上げてきた作品、彼らの情熱が注がれた多くのアニメ作品が火とともに消失したことは本当につらいことだと感じていました。

しかし専門家の協力のもとデータを取り出す作業を行い、「欠損なく回収された」と報じられました。デジタル化されていた制作中の作品の原画や絵コンテ、過去の作品の原画など多数が救出されたデータに含まれていたようで、彼らの生きた証が残ったことがせめてもの救いではないかと感じます。

ツイッターでも「これで魂は受け継がれる」「大切な宝だ」などとデータの残存を喜ぶ声が投稿されていますが、それでも作り手はもう戻ってこないと嘆く声も見られました。

「京都アニメーション」は『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん!』『響け!ユーフォニアム』などの作品が大ヒットしています。

手塚治虫が率いて「鉄腕アトム」などを手がけていたアニメ会社「虫プロダクション」でセル画において「仕上げ」の作業経験があった八田陽子さんが独立して「京都アニメスタジオ」を立ち上げました。その後「京都アニメーション」として法人化しています。社長は八田さんの夫の八田英明さんです。

八田夫妻は、低賃金・長時間労働が問題視されていたアニメ業界でアニメで食べて行ける人材を社内で育てることを目標に正社員で雇用し、安定した収入を保証していたようです。少数精鋭で家族経営のようなスタイルだったと朝日新聞が伝えています。

アニメと誠実に向きあい、世界に誇れる作品作りをしてきた京アニでの放火事件は犯人が「小説を盗まれた」と思い込んだことが動機と言われています。どこかの何かのシーンや思想を自分のオリジナルだと考えての凶行がこれほどの殺人事件になったことはとても怖いと感じました。今後も同様の事件が起こらないことを祈ります。

29日、同社公式サイトには「世界中の皆さまへ」として以下の言葉が掲載されていました。

未曾有の出来事により、かけがえのない仲間たちが傷つき、命を奪われました。報道で世界中、信じられないほど多くの人たちが、私たちに想いを寄せて下さっていることを知りました。皆さんの想いは、今、暗闇に立ち向かっている私たちにとって、かけがえのない縁(よすが)です。今、この瞬間も病院で苦しみ、精一杯生きようとしている仲間たちがいます。家族の命を奪われ、哀しみのただ中にいる方々がいます。今暫く、時間をください。京都アニメーションは、これからも世界中の人たちに夢と希望と感動を育むアニメーションを届け、社員、スタッフの幸せを実現し、社会と地域に貢献していくため、手を差し伸べて下さる方々とともに、必死に戦っていきます。株式会社京都アニメーション 代表取締役社長 八田英明 

亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。


#エッセイ #放火殺人事件 #京都アニメーション #追悼

本日、亡くなった10人の方のお名前が公表されました。並ぶお名前を見て、それぞれの方のご家族やご友人の悲しみを思うと、とてもつらい気持ちがこみあげてきます。



お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨