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一流のバーテンダー



値段良し、お店の雰囲気良し、カウンターあり。
口コミ数も良し。
口コミ内容は個人の感想なのでどうでもよく、口コミ数が大事。
多すぎても少なすぎてもダメ。

ぐるなびを完璧に使いこなしている私は、ぐるなびで良いお店を見つける天才なのでは?と思います。

オープンして5分後に入ったBAR。

わ!お客さん来ちゃった!と、びっくりした様子のバーテンダーさん。

テーブル席に1人女性がいたけど、しばらくするとすぐに出て行ったので多分関係者。

客は私1人。


何人か先客がいて、身内感のある会話をされているよりは、
客が私1人の状態の方が安心します。

確実に私を接客してくれますから。

「どこでも。好きなところ座ってください」

「じゃあ、カウンターで」

メニューを見て、フードを2品と、ジャックローズを注文。

ジャックローズというカクテルは小説に出てきて、飲んでみたいなと思ってたのですが、よく行くBARのメニューにはなかったので、
ここに来たらこれを頼もうと決めてました。

本を読みながら、飲みながら、食べながら。

しばらくすると、

「ジャックローズ好きなんですか?」

「いえ、初めてです。」

そんな会話から自然と話しかけてくれたバーテンダーさん。

ジャックローズはスタンダードなので、メニューになくても聞けば作ってもらえますよ。

と、教えてもらいました。

そこからウイスキーの話題に。


「後ろに並んでるウイスキーはどうやって注文したらいいんですか?」


「指差しで良いですよ。その綺麗な瓶のやつとか言ってもらえれば」

と言われたので、

「じゃあ2段目の1番左のやつ」

と適当に言ったら、

「あー、、いや、これよりウイスキー飲み慣れてない人はこっちが良いです。
あとこれも。これも良いな。」

と次々選び出したので、値段が気になって、

「すみません、一杯いくらですか?」

「1000円とかです。あ、でもちょっとずつ飲み比べしませんか?味見た方が好みも分かります」

と。
5、6種類くらいのウイスキーを語りながら、それぞれ少しずつ注いでくれて、飲み比べさせてもらいました。

オープンしてから2時間。
客は相変わらず私1人という状況。

「バーテンダーって知識が100%あったとしても、業務で使うのは2%くらいなんです!だから98%の知識を披露したくてウズウズしてるもんなんですよ!」

と、熱く語るバーテンダーさん。

仕事に対して熱い人は好きです。

そこまで言うなら聞いてやろうじゃないか。と、メモを取りながら真剣に授業を受けておりました。

濃厚な時間。

フード2品と、ジャックローズ(1100円)と、
少量ずつでもウイスキーたくさん飲んでしまったので、お会計が不安でしたが、

3700円。

安っ。

BARの相場からしたらとても安い。

しかも1時間以上のウイスキー講座付き。


ここは間違いなく穴場のお店になりました。


若いと言われる年齢は過ぎていると思うのですが、

「若い人が1人でBAR巡りとかしてると嬉しくなるんですよ。
バーテンダー、今は専門学校とかで学ぶ人が多いんですけど、僕は独学なので。
お酒に興味ある人がいるのは嬉しいことです」

と、帰り際に声をかけていただき、

このバーテンダーさんは、知識もサービスも一流だなぁ思いました。

こんなに人が来ないなら、20時とか21時のオープンでも良いのに、
わざわざ17時という早い時間からオープンしてる不思議なお店。

たぶん、本当に好きな仕事なんだなぁと。


サービスをお金で買う時代なので、

このバーテンダーさんのサービスをお金に計算するといくらでしょう?

ギターのレッスンは1時間5500円だから、
ウイスキー講座も5500円かな。

話し相手になってくれるホストは1時間3000円くらいかしら。

となるとウイスキー講座5500円+話し相手料金3000円+飲食代3700円で、

12200円です。

そんな計算を楽しんでます。


お金を求める人がいるのは良いけど、
本当に仕事が好きで善意でやってる人にとっては、サービスはお金ではなかったりする。

だから、客の私にできることは、またこの店に行くことと、
あんまり教えたくないけど、人に紹介すること。

こういうお店は大切にしたいですね。






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