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自分に似合う服





「そのグッチの帽子、誰かからの貰い物ですか?」

わたしの知り合いのギタリストは、ときどきグッチの帽子を被っている。

「え」

「全然似合ってないですね」

今日ははっきりと言った。

「グッチの帽子がですか?」

「はい。全然似合ってないです」

「そうですか……」
どう言葉を返したらいいか分からないというように、落ち込むギタリスト。

「それ」

「え」

「そうやって落ち込むから言わないんですよ、みんな」

率直な感想。
別に、傷つけようとしてるわけじゃない。

「鏡見てますか? 全身。そのグッチの帽子は、あなたには似合わないです。強すぎるんですよ。性格が、すごく悪い人に見えます」

「性格が悪い……。でもこれ、貰い物なんです」

やはり貰い物か。貰い物だから、身につけないと悪いような気がする、そんな感じか。

「貰い物でも、自分の美しさを台無しにしてしまうものは、身につけないほうがいいです。ファッションって、自分の美しさをより際立たせるものです。そうじゃないものは身につけない。そこは、妥協しちゃいけないんです」

年齢、体型、その人のキャラ、肌の色。
30歳くらいまでには、自分に似合う服を確立させる。

引き締まった二の腕が自慢なら、夏はノースリーブを着た方がいい。

細いウエストが自慢なら、トップスはインして着る。

細くて長い足ならピンヒールを履いてより際立たせる。

首が短い人にハイネックは似合わない。

若い女の子がゴテゴテのハイブランドを持っていたら水商売してる人に見える。

男性なら、下半身が細ければ、上半身はボリュームのある服を着た方が男らしい。

主張の強いバレンシアガのTシャツにネックレスは不要。
くっきり見える喉仏と、わずかに見える鎖骨がアクセサリー。

顔面がイケメンなら、主張の強いハイブランド品は顔から遠い位置につけないとバランスが悪い。靴か鞄。

ステージの上で、ギブソンハミングバードという最も主張の強いギターを持ってるなら、もう何もいらない(服は着ろ)

服は、自分をより美しく見せるために着る。

「誰も言ってくれなかったらわからないと思ったので、今日ははっきり言いました。ただの率直な感想です」

18歳くらいまで、制服以外のスカートは1着も持ってなかった。ずっとジーンズだった。
男兄弟の中で育ったというのもあるけど、ジーンズが似合うと思っていて、ダボッとしたジーンズばかり履いていた。

たまたまエステの無料クーポンを貰い、初めて行ったエステサロンで言われた。

「腰の位置が高くてスタイル良いですね。ウエストも細いし、ジーンズよりスカートが似合いますね」

今思えばただのお世辞だったのかもしれないけど、「腰の位置が高い」なんて初めて言われた。

それからスカートばかり買うようになった。
わたしは、ジーンズよりスカートが似合うのだと。

何を言ってるかよりも、誰が言ってるか。

芸能、芸術、音楽、エンタメ、ファッション、色々見て、なにが自分に似合うのか、なにがあなたに似合っているのか、はっきり言えるくらい、
もっともっと、自分のレベルを上げるのだ。

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