大企業で役職定年となった直後に年収アップの好条件で転職できた秘訣とは？(3)

大企業に勤めている人はほぼ全員知っているが、そうでない人には殆ど知られていない事実が１つある。

それは、「大企業における出世競争に大逆転は殆どない」という事実である。
早ければ３０代半ば、遅くとも４０代半ばには、同期の中で誰が出世競争で勝ち残るかは概ね決まっており、自分自身も他の社員も薄々それに気付いている。そして、同期入社組の出世頭が急逝するとか、それまで順調に出世を続けていた人が病気で長期入院を余儀なくされるといった、極めて例外的な場合を除き、逆転が生じるケースは殆どない。

これが意味するのは、４０歳前後で残念ながら出世コースから外れてしまった人がその会社で定年まで粘ろうとするならば、その後２０年近くの間、不本意なサラリーマン人生を続けなければならなくなる、ということである。

４０歳前後の働き盛りで、「自分は恐らく役員にはなれないだろう」と認めることは、出世競争での敗北を認めるようでつらいものである。出世コースを順調に走っている同期や、場合によっては自分より先に昇格した後輩と、毎日顔を合わせなければならないかもしれない。

しかしながら、あなたがもし今、４０代であったならば、例えば２年連続で昇格が見送られたり後輩が上司になるなど、不満があったとしても、すぐに会社を辞めてはいけない。

大企業サラリーマンの鉄則は、①今の会社に勤めながら、労働市場における自分の価値を上げること、②すぐに転職する気がなくても、エージェントに登録して、労働市場における自分の市場価値を常に把握しておくこと、③確信が持てる転職先が見つかってから（起業する場合は起業プランが固まってから）会社に退職届を提出すること、④一度退職届を提出したら慰留されても変心しないこと、の４つである。

では、まずは一番重要な、「①今の会社に勤めながら、労働市場における自分の価値を上げること」について説明しよう。