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大企業で役職定年となった直後に年収アップの好条件で転職できた秘訣とは?(5)

次に、大企業サラリーマンの鉄則である「②すぐに転職する気がなくても、エージェントに登録して、労働市場における自分の市場価値を常に把握しておくこと」について説明する。

あなたは、ビズリーチやリクルートエージェントなどの、いわゆる転職エージェントに登録しているだろうか。「今すぐ転職するつもりはないから」、「履歴書や職務経歴書を書くのが面倒だから」といった理由で未だ登録していないのであれば、できるだけ早く登録しておくことをお勧めする。
労働市場における、あなたの現時点での市場価値を把握することができるからである。

自分が高校や大学の受験生だった頃を思い出して欲しい。模試などを受験し、自分の偏差値を把握したうえで志望校を決定し、合格に向けて努力したのではないだろうか。
労働市場における実力、転職力で偏差値に代わるものが、オファーを受けることができる転職先からの雇用条件(年収や役職等)である。
現時点での自分の商品価値が客観的に把握できていなければ、それを高めるよう努力することは難しいし、努力の結果自分の市場価値が上がったかどうかも分からない。
従って、今すぐに転職する気がなくても、転職エージェントに登録して、申し込んだ求人から面接希望を受けることができるのか、最終面接まで進むことができるのか、希望する条件のオファーを受けることができるのか、を確認しておくべきである。

その際、注意すべき点が3つある。
1点目は、自分の労働市場での価値は、他の条件が変わらなければ、時が経過し年齢が上がるにつれて下がっていくということである。転職先の定年が60歳だとして、あと5年しか働けない人と15年働ける人がいたら、採用にかかる手間やコストを考えれば、転職先が後者を選ぶであろうことは容易に想像がつく。

2点目は、転職エージェントに登録していることを現在勤めている会社に絶対知られてはならない、ということである。エージェントに登録していることが知られると、会社への忠誠心を疑われ、機密情報を遮断されたり、重要な仕事を担当させられなくなってしまうリスクがある。信頼できる同僚に話したつもりでも、それを小耳にはさむ人がいて気が付けば噂として広まっているかもしれないし、メールで伝えることは、誤送信や上司からモニターされているリスクもある。

3点目は、首尾よく転職候補先からオファーを受けることができたとして、単純に年収だけを比較してはならない、という点である。
現在勤めている大企業を退職することで減少する退職金、年金、福利厚生を計算に含めなければならないし、平均残業時間、残業手当、通勤に要する時間、テレワークの可否・頻度、昇進・昇給の可能性、定年の年齢等を総合的に比較すべきである。
一般的には、大企業を退職することで減少する退職金、年金は結構な金額になる場合が多いので、定年が同じであれば、年収で1~2割はアップしなければ、経済的には割に合わない転職、ということになるだろう。(続く)


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