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スノーピーク ソロセット「焚」(旧型)

相当昔の話になる。渓流釣りにはまっていた私が最初に買ったクッカーセット。

本当に便利だった。軽くて、米が炊けて味噌汁が作れる。焚き火で使える。調理ツール類との完璧なスタッキング。


米と味噌汁

このクッカーは米と味噌汁のために開発された(んだと思う)。

ふた

ふたが三角の金属ツマミで、倒せば上がツライチになる。
それがどういうことかというと、


エスビットストーブの上で

ポットの上に、きれいにカップが乗るのだ。
ポットで炊飯しているときの蓋押さえになるし、ここに水を張っておけばまあまあ良い温度に温まる。そこに袋のあさげを溶かせば味噌汁のできあがり。

燃料の無駄がない。エコ。時短。便利。

「焚」の新型は、このふたのツマミがシリコンの直立するやつになってて、カップがどう頑張っても乗らない形状になっているようだ。

たしかにこの三角のつまみは調理すると熱くなって到底持てたものではなく、落ちている小枝を使って持ち上げていたものだった。新型は進化した。とはいえ、上に乗せて味噌汁を同時調理はもうできなくなった。

肉厚なアルミの本体は米をおいしく炊き上げる。これで炊いた米は本当においしかった。焦げつくこともほとんどなく、釣ったばかりのアジやイワナの塩焼きとあわせて最高の夕食を提供してくれていた。

スタッキング

もう一つの気に入っていた点がこれ。
当時はカブと徒歩で移動していたので、荷物がコンパクトになることは嬉しかった。


当時のクッカーセット

ガスの110缶、ストーブ、火種がすっきりと収まる。


ストーブはスノピ「地」

このすっきり感が好きだった。頑丈なアルミ製クッカーセットの中に、煮炊きのすべてが収まっている。


カップとふた

ふたはカップにもしっかりフィットする。ちょっとコーヒーだけ飲みたい時も大丈夫。最小のアイテムでひととおり何でもできる。ふたの上に燃える炭を乗せたり、このまま焚き火につっこんだりして簡易ダッチオーブンにもなった(さすがに灰が入ったけど)。

軽い


226g

軽い。小さい。チタン全盛期の今でもクッカーセットとして十分対抗できる軽さ。

全備重量

ガスセットを入れるとさすがに増えるが、それでも軽い。

欠点

あえて欠点をあげると、
・肉厚のアルミなので、熱い汁ものを入れると飲むときに口が熱い
・深型ポットは底のものを取るのが大変
といったところ。

今では

使いすぎて今では煤だらけ。

焚き火の煤で真っ黒ですが、本来は銀色。

外見だけの変色ならともかく、



ふたと本体ポットを直接触れ合わせていたら、さしものスミフロン加工(住友が開発したテフロン加工らしい)もハゲてきた。


ついでに中も金属スプーンでひっかくものだからハゲてきた。このポット、底が深いからごはんを炊いた時、底まで取り出すためにスプーンで引っ掻くはめになるのだ。

20年選手である「焚」は最近使っていない。だけどこれは本当にすぐれた製品だったので、そのことをちょっと記録しておきたい。

この「焚」はいつのまにかモデルチェンジが行われていたらしく、同じ名前の新型がある上に、2022年10月現在ひっそりとスノーピークのラインナップから消えていた。なんかさみしい。

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