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貴女と貴方

女装さんについて改めて思う。

言いしれぬ想いを抱えた男性が、様々な手法を用いて素敵な女性へと移り変わってゆく姿は、蕾から開花してゆく花のように美しい。

薔薇のように少し危なげな美しさをまとう者もいれば、ガーベラのように色とりどりで可愛らしい装いの者もいる。

好みの髪型やメイク、可愛いらしい服装で自らの理想に近づき、外見も心も女の子へと変化してゆく。

男が選ぶことのない下着を身に着け、自らの内側から男を消し去ってしまう。

狐が化けて男をたぶらかすように、彼から彼女になった君は、俺達を虜にしてゆく。

まるで、淫靡な女狐のような微笑みで俺を誘い、滑らかでキレイな肌をした肩から背中を見せつけて、くびれた腰元に俺の手を回させると、可愛い顔を近づけてきて艶っぽい柔らかな唇を俺に与えてくれる。

とても幸せだ…
傷ついた心が癒えていく

なぜ、幸せなんだ?

よく考えろ
その娘は男なんだぞ

下を見ろ

俺より立派なモノが付いている

脳裏を過る敗北感を感じながらも
女と化した君に愛を感じてしまうのはなぜなんだろう…

俺は断じて同性愛者ではない
性の対象は異性一択として生きてきた
それは今後も変わらない

しかし、俺がどんなに男性には興味が無い「non気(ノンケ)」だと言い張ろうが、ゲイさんに言わせりゃ「ただのヘホ(変態ホモ)」なんだ。

変態でホモか…

ホモと言われるのは別にカマわない。
だって俺達は皆んなホモ・サピエンス(人間・知恵のある)なのだから可笑しい事なんてないだろう。

貴女も貴方もホモなのよ。

問題は変態の方だ…

そもそも変態って何かね?

階段下からスカートの中を覗くのは?
可愛い娘の使用済み下着の匂いを嗅ぐのは?
路上で性器を出してしまうのは?
野外で全裸になってしまうのは?
お尻に異物を突っ込むのは?
全頭マスク首輪手足拘束は?
縄縛り吊し上げ鞭打調教は?
鼻フックアヘ顔Wピースは?
小便浴び及び飲尿は?
肛門直食糞は?

女装するのは?

全部、正常な行為です。

他にも誰かが「それ、変態〜!」って言ってしまうような行為も、相手が嫌がる事を除いては、どれもこれも健全な行為なのだ。

それなりの変態行為とされるものを見てきた俺が言うんだ、間違いはない。

短い物差しで常識を計るから、異質なものが受け入れられない世間知らずの人知らずになる。

マリアは元売春婦だぞ、キリストはそのパトロンだぞ。
釈迦は乱交パーティー中毒者で、空海はゲイの密教僧だぞ。

人に言えない事をしている奴こそ、人に優しくなれるんだよ。

ゆえに、変態と言われても…
「はい、私もアナタもね」としか言いようがない。


地球全人類変態ホモだろ

そうだろ?


おっと、完全に話しがそれましたね。

俺は女装さんの話しがしたいんです。

男性としての君
女性としての君

男性としての理想の女性を、自らの身体を使って創り出した君は、きっと誰よりも女性化した自分の事を愛している事でしょう。

女性化した君から見て、自分の事を創り出してくれた彼は、他の誰よりも愛しく頼りになる素晴らしい存在でしょう。

君たちは全てを分かり合える唯一の存在

地球上の誰よりも自分にとって必要不可欠な大切な人

好きなことも
気持ち良いことも
幸せなことも
共に共感し合える
これ以上ない特別な存在

でも、彼が彼女に触れることはない

彼女が彼に抱きしめられることもない

決して結ばれることのない
せつな過ぎる二人の関係

もし、貴女の隣に貴方がいれたのなら
もし、貴方の隣に貴女がいれたのなら

おしゃべりしても
食事しても
映画見ても
ゲームしても
旅行行っても
手を繋いでも
キスしても
肌を触れ合っても
抱きしめ合っても…

心も身体も溶け合うほどに、これ以外はない相性だと感じることでしょう。

でも、それが出来ない事を知った二人の会話が聴こえてきます。

君はどこにいるの?
「ずっとそばにいるよ…」

どこ?見えないよ?
「君の中にいるから…」

中から出てきてくれないの?
「私が出たら君がいなくなるんだ…」

会いたいよ…
「目を閉じてみて…君のそばにいるよ」

暗くてわからない…
「すぐそばにいるのに…」

二人が同時にこの世界に存在することはないという、あまりにも悲劇的な運命。

悲しいよ…
「ごめん…」

ねぇ…
「ん?」

なら、見つけようよ
「何を?」

私達が好きになれる人を
「そんな人いるのかな?」

顔見て楽しく話したり、手を繋いだり…
「君の代わりに?大丈夫かな…」

わからないけど探してみよう
「うん、二人でちゃんとよく考えて…」

お互いの代わりになれるような
「ちゃんと私達を分かってくれる人を…」

貴方を分かってくれて…
「貴女を愛してくれる…」

貴方を思いやってくれて…
「貴女を傷つけない…」

そんな人を…
「二人で探しに行こう…」


そんな人みつかるのかな
きっと難しいよね
でも、信じていれば何処かにいるのかもね
そんな人…


そんな人に僕はなりたい。。

ホモ沢賢治




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