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「マイ・ブルーベリーナイツ」

なんの物語から始めようかな、と考えた時ふと頭に浮かんだのはやはり大好きなマイブルーベリーナイツでした。

初めて観たのは高校生の時だったような。

それまで字幕できちんと洋画をみたこともなくて、当時かなり衝撃を受けたのを覚えています。

今思えば、初めて観た洋画が「恋する惑星」で有名なウォン・カーウァイ監督の作品だったなんて、なんと贅沢な高校生なんでしょうか。


むろん、人生経験も少なく、恋愛のこともよくわからない当時の私にとったら、ただの流れゆく綺麗な映像、でしかなかったのかもしれませんが、でも確かに「ああ、映画ってこうやって楽しむんだ」と未熟ながら思えた初めての経験でした。


ストーリーはもちろん、音楽やデザイン、セット、俳優さん達の表情、ファッション、全ての要素が調和して、何かしらのメッセージを伝えてくれる。映画とは総合芸術なのだと。

そして、映画は誰と観るか、どこで観るか、どんな自分で観るか、その世界観に浸れる環境造りもより大切なんだと。

以下、映画.comより抜粋です。
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「2046」「恋する惑星」のウォン・カーウァイ監督が初めて英語劇に挑んだラブストーリー。失恋したばかりのエリザベスは、カフェオーナーのジェレミーが焼くブルーベリーパイによって少しずつ癒されていく。それでも元恋人への想いを捨てきれない彼女はひとり旅に出ることを決意し……。グラミー賞受賞歌手ノラ・ジョーンズが主演デビューを飾ったほか、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズら豪華キャストが勢ぞろい。

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なんでこんなに美味しそうなのに、ブルーベリーパイは売れ残ってしまうのか。

みんながいい、と思うものはなんでいつも同じなのか。

その答えはきっとどこを探しても見つからないものなんでしょう。
人生とはきっとそういう不条理で構成されているから。

でも、世界のどこかには売れ残ったブルーベリーパイに、バニラアイスクリームをのせてくれるひとがいる。

旅に出て、いろんな人生を目の当たりにして、それを伝えたいと思う人。

アイスが溶け出したブルーベリーパイはどんなケーキよりも美味しそうに見えて、また食べたいと思う。


そんな人に出会えたのは、きっと売れ残ったブルーベリーパイのおかげ。

溶けたアイスと混じって、甘えブルーベリーが綺麗な色になるように。

誰かとの出会いがそっと自分を肯定してくれる。

失恋の教科書のような名作です。






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