劇場
又吉直樹さん原作の『劇場』
映画版を改めて見ました。
友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家を務める永田
そんな永田と同じスニーカーを履いていた沙希
100人いても、1000人いても、必ずくっついてしまうような。
お腹が空いた人がご飯を食べるように
眠たい人がベッドに入り目を閉じるように
なるべくして一緒になってしまった2人の物語。
永田のモデルは又吉さん本人ではないそう。
ですが、ご自身エッセイ「東京百景」では、沙希のような女性とのエピソードが描かれていました。
沙希の行動全てが純粋無垢な優しさだと表現されていたけれど、本当にそうなのかな、と。
人はどうしても、人に頼られることで踏ん張ってしまう弱いところがあります。
永田が演劇の世界から出られない様子に救われていたのは案外沙希の方だったのかもしれません。
2人の弱いところが噛み合って、中毒のように離れられなくなって、恋が愛に昇華されなくて、気付けばもう遅くて、あの狭い下北沢のアパートから出られなくて、共倒れ。
小説と映画ではラストシーンが違いました。
どちらも素敵だったけど、映画のラストシーンとても好きだったなあ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?