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「喫茶店の本」3選 FIKAのブックトーク#1
はじめまして。FIKA(ふぃーか)です。
読書が趣味なので、よく人から「おすすめ本はありますか?」と聞かれます。「本が多すぎてどれを読めばいいのかわからない」とも。
そこで、1つのテーマにつき数冊というスタイルで本を紹介してみようと思いました。
おしゃべりする感覚でおすすめ本を紹介していくので、おつき合い下さると嬉しいです。
今回のテーマは「喫茶店の本」。
喫茶店と言えば、美味しい料理やお菓子、そしてゆったりした時間に出会える場所ですよね。そんな喫茶店やカフェが出てくる本を3冊紹介します。
「それでも旅に出るカフェ」 近藤史恵
コフピーム、リャージェンカ、クレイナ、鳥のミルク…これ、何だと思いますか?全部、外国のお菓子の名前なんです。こんな珍しいお菓子を出してくれるのが、小説「それでも旅に出るカフェ」の舞台のカフェ・ルーズです。
ここに来るお客はみんないろんな悩みを抱えています。コロナ禍の日々、友人や家族との不和、仕事の悩み、モラハラやマンスプレイニングをされているなど…オーナーシェフの円(まどか)は料理を提供しつつ、鋭い洞察力でお客の悩みを解決したり、前を向けるようなアドバイスをしたりします。
もちろん円がすべての悩みを解決できるわけではないけれど、美味しい料理が味わえるカフェが人々を心を救う憩いの場になっていることは間違いありません。
「ときどき旅に出るカフェ」の続編ですが、前作を読んでなくても大丈夫です。世界の珍しいお菓子や料理を楽しみながら、日常のしんどさをひと時忘れてみませんか。
「喫茶おじさん」 原田ひ香
こちらの小説には、いわゆる「純喫茶」がたくさん出てきます。コーヒーに卵サンド、スパゲッティナポリタン、そしてプリンアラモードといった古式ゆかしい喫茶店のメニューをたっぷり楽しむことができます。
こうした純喫茶めぐりを趣味にして楽しんでいるのが主人公の松尾純一郎、57歳。早期退職して現在は無職、妻子とは別居中です。
このおじさん、妻も娘も元同僚も元妻も年下の友人も呆れるくらい脳天気です。自分がいかに恵まれた環境にいるのか全然気づかないまま、無神経な発言をしたり無謀な挑戦をしたりして、周りの人間をイライラハラハラさせます。その結果、財産をなくしたり、離婚したり、娘にも愛想をつかされたり。解決すべき問題は山積みなのに、のんびり喫茶店めぐりなんかしてる場合じゃないですよ、と読者も言いたくなるくらいです。
それでも悪気があるわけじゃないおじさんは全くめげず、いつか理想の喫茶店を開くことを夢見ています。その素直なポジティブさに周囲も読者もいつの間にか毒気を抜かれて、「まあいいか」と一緒にプリンアラモードでも食べたくなるような不思議な小説です。
「東京を旅する 異世界喫茶店めぐり」
東京の喫茶店を紹介するガイドブックです。正直タイトルを見た時は「異世界?大げさだなあ」と思いました。でも読んでみたらちっとも大げさじゃなかった…!
ここで紹介されている喫茶店はどれも、普段の日常とはかけ離れた「ここではないどこか」な空間でした。メルヘンだったり、ファンタジーだったり、レトロだったり、外国みたいだったり、スチームパンクだったり…自然でナチュラルなものから重厚な歴史が感じられるもの、ノスタルジックなものまで雰囲気も様々で、どれも行ってみたくなります。
「本当にここは東京?」と思わせるくらい「異世界」を堪能できる喫茶店ガイド、タイトルに偽りはありませんでした。
以上、「喫茶店」をテーマに3冊の本を紹介しました。喫茶店の本は多いからまだまだ紹介したい本がいっぱいあるので、いつか第2弾もやりたいです。
こんな感じで時々本を紹介していけたらと思っています。よろしくお願いします。
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