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人には夢がある。希望がある。でも格差もある。

今回はジョブズと2人でフィリピンを旅した時のことを再度綴りたい。

私たちはセブシティから南へ移動してBadianという地域にきた。私たちの目的はここでキャニオニングという川下りをしながら、川に飛び込んだり泳いだりするというものである。

今回の旅のメインディッシュである。

そこで私たちはkawasan canyonyingというところでツアーをお願いし、インドから来た女性2人と私たちで思うがままに遊び尽くした。その時にガイドとして半日一緒にいてくれたのが、NicoとRaimarだった。

彼らとは色んな話をした。
当時私は大学4年生(23)、ジョブズは社会人3年目(25)。仕事について、家族について、これからについて、色々と話した。

これは彼らに限らずだが、フィリピンで移動した先々で、「君たちは結婚して何年目なのか?」と聞かれ、その度に結婚はしていないよと伝えることが多かった。どうやらフィリピンでは20代前半には、もうほとんどの人が結婚するらしい。時には、結婚してないよと言っているのに、「Wife!!!!! Come here!!!!」とか言われる事もあり…

話を戻すが、今回の私たちのガイドである、NicoとRaimarは私たちとそう変わらない年齢だった。

どうやらNicoもRaimarも既婚で、Raimarにいたってはもう既に4児の父なのだそうだ。私もジョブズもとても驚いたが、向こうも私たちが結婚していない事にめちゃくちゃ驚いていた。

話をしていくと、どうやらNicoはジョブズの仕事に興味があり、実は自分も車関係の仕事に就きたかったと話していた。しかし、周りにまわって今この仕事をしているという。多分、Nicoは裕福な家庭ではなかったんだと思う。

よく覚えているのはご飯の話をした時のこと。
こっちに来て、フィリピンの料理を食べたか?そして舌に合うか?と聞いてきた。

小娘は小さい時からチキンが大好きで、肉といえばチキンなのだが、フィリピンに来てからも、チキンアドボやバーベキューチキンなどをほぼ毎日食べ、まさにチキン祭りだった。だからフィリピンのチキンは本当に美味しい!という話をすると、

「チキンはお金持ちが食べる食べ物だ!YOUたちは金持ちだなぁ!」と言った。

続けて「最近は金持ちのフィリピン人も増え、体型を見ればそいつが金持ちかどうかがわかるんだよ。金持ちは肉やファストフードばかり食べてるから、肥満体型の人ばかりだ。一方、僕たちみたいな底辺層は、海藻ばかり食べてるんだよ。だから体型は痩せ型が多いかな〜。」

確かにnicoもRaimarも痩せ型だった。そしてなぜ海藻なのか尋ねると、

「海藻はそこら中にいっぱいあって困らない上に、腹持ちが良いんだ。だから僕たちみたいな人たちは、小さい時からずっと海藻食べてるんだよ。」

さりげない会話だったが、私の胸にはとても突き刺さっていた。なんとなくだが、Nicoたちが遠い存在に思えたのだ。同じような生活環境を体験していない。ただそれだけなのに、なんだかとても距離を感じてしまった。

と、話をアクティビティに換えると、そんな2人は私たちにとても優しくしてくれた。サービス精神旺盛で、たくさん写真を撮ってくれた。

見出し写真にある滝は、私たちがキャニオニングをして下った先のゴールである。ここに半日かけ辿り着き、少し滝を眺めながらリラックスした後、私たちは、彼らのオフィスに戻り、レンタルしたヘルメットや靴などを返した。

私たちのツアーはお昼ご飯付きだったのだが、ランチをオフィスで取らせてくれた。メニューは、白米とチキンだった。

オフィス内で昼食を取る間、NicoやRaimarを含むガイドたちは、オフィスの外でこちらがご飯を食べ終えるのを待っていた。彼らに昼ごはんはなかった。

あの話を聞いた後だったこともあり、急に申し訳なくなった。彼らに意地悪をしているようで。でもこれが格差なんだと、実感した。
自分は海外にも行ける。普通に好きなご飯も食べられる。努力次第で自分のしたいことは何でも叶えてきた。でも人によっては努力の有無に関わらず、自分の状況を打破できない人もいるのかもしれない。


写真はゴール地点のkawasan fallである🏞
そして私たちが利用したキャニオニングツアーはこちら💁🏻‍♀️

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