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スニーカーを買ってリメイクした話

「デザイン気に入らんかったらマッキーとかで塗ってもらえれば」
「エッ良いんですか!?!?そんなことある!?!?」



事の始まり

時を遡り7月上旬。私は後悔していた。
諸事情の楽しい予定の為にお隣の京都まで出掛けた日のこと。その日の天気予報は生憎の雨で、でもばっちり最高の自分で出掛けたかったのでレース素材で出来た、ヒールのあるブーツで出掛けた。朝から電車に揺られて京都まで出て、1日中歩き回り遊びまくり、夜にはラーメンを食べる楽しい1日となった。足の痛み以外は。

夕方頃から足が痛み始め、「まぁヒール履いてるしな〜」なんて呑気なことを考えていたら帰る頃には激痛で、靴を脱いでしばらく休憩しないと歩けない程に。「大人しくスニーカーにすれば良かった…」と若干の後悔が残る思い出になってしまった。
一応、スニーカーを持ってはいる。アルバイト用に必要で買ったもので、購入したのは7年か8年程前。バイトを辞めたことをきっかけに殆ど履かなくなり、最後に履いたのは3ヶ月前のお出かけの時

手持ちの服が(ざっくり分類すると)可愛い系や綺麗系なのに対して、そのスニーカーはかなりスポーティなデザイン。薄々、手持ちの服や自分の好み・コンセプトと外れてきていることは感じていた。
そろそろ替え時か…と本腰を入れてスニーカーを探すことに。


足の計測と己が求めるスニーカー像

自問自答ガールズであるまつげさんの記事を読んで、大丸梅田に足の計測機械があることを知った私は、前述した「足激痛事件」の日からすぐに計測へ。

結果。

実を言うとジェフリーちゃんを買うまで自分の足のサイズを24.5cmだと思っていたが、ジェフリーちゃんを買う時にあちこちで試着させてもらい、24cmでも入ることは分かっていた。
なので、計測したデータを見た店員さんから「普段履いていらっしゃるのは22.5か23ですか?」と聞かれた時、頭の中は「?」で埋め尽くされた。足長、思ったより小さい。足幅でっかい。

「足長だけなら23cmでも良いくらいですが、足幅がしっかりあるので24cmじゃないと横がきつく感じられるんだと思います」と店員さんから言われて、何となく感じていた自分の足の悩みが可視化された感覚があった。

その後、1~2足ほど試着させてもらい、帰り道の電車の中で「足幅 4E スニーカー おすすめ」とGoogle先生に聞いていくことで分かったことがある。

そもそもスニーカーがあまり好きではない。

いや分かっていたことではあるんだけど。
歩きやすさの面ではスニーカーに勝るものは無いと思っている。が、ど〜〜〜しても私はカジュアルなアイテムに対して苦手意識があった。
「自分が身につけるものではない」という感覚。自問自答ファッション的に言うと「心に合っていない」ものだった。

本来ならここで100足試着して納得いくものを探した方がいいんだろうが、気持ち的にもスケジュール的にもすぐ欲しかったので、ある条件を決めて靴屋を色々見て回ることにした。

条件は、
・黒を基調としていること(今よく着ているコーディネートがモノクロなので、それを邪魔しない色。ただ気になった色や柄があれば試着してもヨシ!)
・2時間飛び跳ねても平気なこと(ライブに行くことが多いので、そこで大はしゃぎしても次の日疲れない靴が良い。飛び跳ねた時に足裏に衝撃がそこまで来ないクッション性が欲しい)
・雨の日に履いても大丈夫なこと(防水スプレーで保護出来るならそれでも可)
この3点で探すことに。


見た目と機能のバランス

今まで服や靴を購入する時に重視していたのは、どちらかと言えば「デザイン」の方だった。どれだけ機能が優れていようが、見た目やデザインが気に入らなければ買わない。見た目:機能の比率で言うと6:4、下手したら7:3くらいの感覚。

だが今回はそうもいかない。「デザイン可愛い〜!」と思って試着しても足幅がキツく感じたり、サイズもデザインも申し分なし!と思っても素材的に雨の日や防水スプレーがNGであったり、難航した。

ある時、いつもの如くデザインに惹かれて試着した靴が、サイズは申し分ないけどもクッション性に不安を感じた。
靴を出してくれた店員さんに「2時間ライブで飛び跳ねても大丈夫な靴ってありますか」と尋ねてみると、「でしたらランニングシューズが良いですね」と勧めてくれる。

某マートのサイトより

「特におすすめなのがSauconyです」とSauconyのAXON 3を出してもらった。見せてもらっといて何だが「う〜〜〜ん…あんまり好みではないかも…」が正直な感想だった。
けれど履いた瞬間、「えっ!?」と声に出たくらいには驚いた。底のクッション性が今まで試着してきたスニーカーの比にならないくらいしっかりしている。例えるなら、雲の上を歩いているような感覚だった。

「僕もライブに行ったりするんですが、足が痛くなる靴で行くとライブの思い出が「足痛かった」「疲れた」になるじゃないですか。それってすごく勿体無いと思ってて」「こちらであれば、厚底でトレンド感もあって、且つ底のクッションがしっかりしているので疲れにくいと思います」

つい先日そういう体験をしたところだったので、店員さんの言葉が刺さる刺さる。歩いたり、その場で何度か跳ねてみるが、圧倒的に「楽」だった。
「こういう格好に合いますかね」
「合うと思います。まぁデザイン気に入らんかったら(グレーのところを)マッキーとかで塗ってもらえれば

そんなことある!?!?と思ったと同時に、そっかマッキーか…と納得している自分がいた。
試着していく中で、私はスニーカーに対してデザイン的な要素はもちろん、「黒子的な役割」を求めているんじゃないかな、と気づいた。バチっと決まったお洋服やバッグを引き立たせるような、いるんだけどいないというか。そこに確かにあるし履いているけれど、紛れてくれるような、そんな感じ。

それでいくと、Sauconyはばっちりだった。今のお洋服やバッグを邪魔しなくて、2時間飛び跳ねられそうなスニーカー。雨に関しては「防水スプレーしてもらえれば」とのことだったので問題なし。ということで購入に踏み切った。


この子を本当に「黒子」にして良いのか

スニーカーに黒子的な役割(いるんだけどいないもの、履いてはいるけどお洋服やバッグの邪魔をせずに紛れてくれる)を求めているかも!?と気づいた私はまた悩んでいた。「この子を本当に黒子にしてしまって良いのか」と。

今のままのデザインでも十分に素敵ではあるのだが、自分の好みかと聞かれると100%とは言えない。店員さんのアドバイス通り、黒のマッキーでグレーのところを塗れば私の好みには近くなると思う。けど、もっとこの子のことを好きになれる方法があるんじゃないだろうか。

実はSauconyを試着する前に、黒が基調で金のパーツがついた、「これ最高に可愛い〜〜〜!!!」となったスニーカーを試着していた。結果は先ほども書いた通り、底のクッション性が不安で購入には至らなかった。でも黒に金がアクセントになって、本当に素敵だった。

ということは、金のペンで塗ればもっと好きになれるんじゃないか…?と思い立ち、防水スプレー等々と一緒にAmazonでポチッと注文。Amazonには珍しく、1週間ほどかかって手元に届いた。
早速グレーの部分を塗ってみる。

before
after
before
after
before
after

グレーもクールで格好良かったが、やっぱり私は黒に金のアクセントが入っている方が好きだ。


それから数日

何度かのお出かけを経て、金の部分が剥げたらその度に塗り直してを繰り返すうちに愛着が湧いてきた。存外、手間のかかる子が好きなのかもしれない。
雲の上を歩くようだと感じた履き心地も最高で、よく歩くお出かけの時はお世話になっている。何より次の日に疲れが残らないのが凄く良い。

今までデザインや見た目を優先していたが、自分が求める内容によっては機能を優先した方が良いのかも…と気づけた出来事だった。
自分の「可愛い!」を優先することも大事だが、楽しい予定を楽しく過ごすために・楽しい予定の後も元気に生きていくために、たまには「機能」に振り切ったアイテムを視野に入れても良いのかな、と感じた。と同時に、自問自答ファッション教室を受けたきっかけでもある「気楽に着られるお洋服」のヒントが少し見えた気もした。

実はこの後、バッグのリメイクもするのだがその話はまた別の機会に。 


 2023.9.6追記
バッグのリメイクの話


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