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高校物理の学び直しVol.007 水圧と浮力

皆さま、こんばんは。今日は物理です。
テキストは「鈴木誠治の物理が初歩からしっかり身につく」の力学・熱力学編です。
今日のテーマは水圧と浮力です。問題は129ページの演習問題です。
問題文は以下の通りです。

中に水が入った容器がバネばかりの上に乗せてある。全体の質量はM(kg)、水の密度は深さによらずρ(kg/m^3)である。今、図1のように体積V(m^3)、質量m(kg)の小球を軽い糸の下端につけ、容器の壁に触れないように水中に吊るす。重力加速度をg (m/s^2)として次の問いに答えよ。



(1)小球にはたらく糸の張力を求めよ。

小球にはたらく力の釣り合いを図示すると以下の図のようになる。

小球にはたらく重力がmg、糸の張力をT、小球にはたらく浮力をFとしている。式で表すと、
mg = F + T       (1)

次に小球にはたらく浮力Fを求める。
浮力は、小球が押し除けた水にはたらく重力に等しい(これが鉄則)。
小球の体積はVであるから、押し除けられた水の体積もVとなる。
この問題では、水の密度をρとしているので、水の質量はρVとなる。
よって、このρVの水にはたらく重力はρVgとなるので、浮力FもρVgとなる。

(1)式は、T = mg - ρVg = (m - ρV) g   と変形できる。
よって、求める糸の張力は (m - ρV) g (N)  となる。

(2)バネばかりが示す値を求めよ(単位は(N))。

この問題は難しく感じました。
容器と水、全体の質量はMなので、はたらく重力はMg。
そして、小球は糸に引かれているので、バネばかりの重さには関係しない。

と、ここまでは良いのですが、もう一つ考えないといけないのが、小球のにはたらいた浮力の反作用が水にはたらく、ことです。

以上を図示すると以下のようになります。


よって、秤にかかる重さは、Mg + F になります。
Fは(1)で求めているので、それを使うと、
              Mg + ρVg = (M + ρV) g

よって回答は、 (M + ρV) g  (N) となります。

(3)図2のように、小球を容器の底に沈ませた(糸はたるんでいる)。このとき、バネばかりの示す値を求めよ。

ここでは、小球、容器、水を一つの物体として考えることができます。
そうすると、小球にはたらく浮力とその反作用は打ち消し合い、考える必要がなくなります。また、小球と容器の底が及ぼし合っている力も打ち消し合い、考える必要がなくなります。
そうすると、考える力は図のようになります。

小球、容器、水にはたらく重力は(M + m) g
バネばかりから及ぼされる垂直抗力をNとすると、
                                                 N = (M+m) g

この垂直抗力Nの反作用がバネが示す値になるので、回答は N = (M+m) g  となります。


以上です。
次回は、12章 慣性力を勉強します。

お付き合い、ありがとうございました。

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