聴取体験について

小説読みのようなと言うのは西洋文学における“ロマン”であると思います。長大な小説、物語であるロマンはあらゆる変遷をかけることに等しいのです。
そういうわけで私が、交響曲にフォルムによる様式美を感じると言ったことが理解されるかと想います。

「浄められた夜」
これはシェーンベルクの初期の傑作です。
この曲の最後のあたり、私が「救い」、あるいは「救済」と感じた主題が始まります。
このような救済はまさにマーラーの作品の受容で得た用語でもあり、聴き方でありました。
さらにはそれは交響曲のドラマトゥルギーの片鱗でさえあります。
そういう意味でマーラーの延長ととらえていたと言えます。無論、シェーンベルクにもそのような救済と言う“伝統”は意識していたと思うのです。

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