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初回カウンセリングをいかに最大限価値のあるものにするか?~東畑先生のセミナー第2回感想アウトプット編~

東畑先生の、みんなのカウンセリング入門第2回に参加した。
今回も終始、先生のお一言一お言がとても興味深く、より深く理解したいと脳内が忙しいような感覚で、夢中になって聞いた。。。

「なるほど•••!」と思ったことから、実践(実際のクライエントセッション)の中ですぐに活かせることが、既にいくつか出てきている。

今回も、振り返りを兼ねてアウトプットをしてみたいと思う。
(結果、かなり自分用のメモ的な内容になっています。)

今回のテーマは「初回(インテーク)面接」について。
カウンセラー側としてはもちろん、クライエント目線で聞いても非常に興味深い内容だった。

初回面接は、謎解き。

謎解き。つまり、クライエントが何に苦しんでいるのか聞き、「わかる」こと。

クライエントに何が起きていて、何が必要なのか。
そして、どこ(クライエントの内側/外側)に問題があり、どこに介入していくとよさそうなのかがわかること。

その上で、そのクライエントにとってカウンセリングが意味があるのか、役に立つのか、判断をする。

意識して実践

セミナーで感じた「なるほど•••!」をもとに、普段の初回面接での一連のやりとりについて、意識的にしていたことも、あまり意識せずしていたこといずれも、あらためて意識して実践に反映しているところ。そのうちいくつかを言語化してみようと思う。

初回面接までに、すでにカウンセリングもアセスメントもはじまっている。
まずスムーズに日程が決まっただけで安心する。
そして、クライエントもカウンセラーも、カウンセリングまでにお互いに色々と想像する。

クライエント側は、「どんなカウンセラーなのだろうか」「どんな効果が得られるだろうか」と期待を寄せるし、カウンセラー側も、クライエントについて得られている限られた情報をもとに、想像力を膨らませてさまざまな可能性に思いを巡らせる。この時点ですでにカウンセリングもアセスメントも始まっているということ。

初回セッションの前段階のやり取りを丁寧にスムーズに行い、安心感を得てもらえるかの大切さを、あらためて再認識した。

構成とゴールを伝える
①情報収集と解析 ②理解したことの解説 ③今後の方針を話し合う
という順序で進んでいくカウンセリング。

「今日はどうされましたか?」といったゆるい対話というより、「今から何をするのか」をしっかりとお互いに意識して臨むことになる。

これも実践の中で生かそうとトライしているところだけど、やはり初回面接の時間の中で今後の方針案までをまとめて伝えるのは、今の私には難易度が高い。もちろん伝える言葉には慎重さも問われるし、スキル以上のことをすることは危険な行為。

ただ、目指したい構造が具体的になったことで、「どう進めていけたら良さそうか」という指針を確信を伴って持てる感覚はある。

セッション中の大半のやりとりが、傾聴をメインに理解を共有しながら進んでいく。その中で、適宜気になることを確認したり、仮説を提示したり、場合によっては今後の方針として取り組みの提案や考え方のアドバイスをしたり、応援・励ましの言葉を伝えたり。
これまではそれらをクライエントの語る流れの中で場当たり的に行っていたところがあるけれど、同じように流れの中で出していくにしても、頭の中には全体の構成があり、それに基づいてやっている感覚があるというか。

主訴を紐解き、再構築する
上記の3ステップの中で主に①にあたる作業。
例えば「うつをなんとかしたい」という主訴が語られたとき。
このままでは問題として扱えないから、これをカウンセリングで扱える内容に再構築する。

つまり、「どういう問題がどう絡み合っていて、それをカウンセリングならこの部分をこう変更していくことができそうだ」と紐解き、見通しをもって提案していく作業。

質問を取り入れながら相手を理解していく。

「カウンセリングとは聞くだけである」と言われたりすることもあるが、やはりそうではない。もちろん、それだけでもケアになるし、中にはそれだけでクライエントの気持ちが済む場合や、ただただ寄り添って話を聞くことこそが必要なケースもある。

けれど、やはりただ寄り添って聞くだけでは何も解決せず、聞いて、アセスメントすることを経てこそ、問題の解決へと繋がっていくケースも多分にある。
(*余談だけど、東畑先生の様々な著書に触れ、「聴く」ではなく敢えて「聞く」を使っている。)

主訴を紐解き、再構築しようという意識を持つと、より深く理解するための聞き方となる。それが、問題解決に繋がっていく。

「わかったこと/わからなかったこと」「どこに問題がありそうで、どこを扱うと良さそうと感じたか」を伝える
上記の3ステップの中で②にあたる部分。
これを意識的に行うことで、セッション中にクライエントが(もちろんカウンセラー側としても)、方向性やゴールを意識しながら臨みやすかったり、セッションを通して得たもの・得られなかったものがより明確になった状態でクロージングを迎えられる感覚がある。

セッションで得られた収穫が明確になることで、1回の面接を終えたときにいかに有意義感を感じられるかに影響するし、今後継続するかどうかを考える上でもポイントになる。

そのクライエントにとってカウンセリングの継続が効果的とは言えない場合
「このクライエントには、少なくとも今は、私のカウンセリングが効果的ではないな」と感じることは、もちろんある。

そういうとき、これまでは「そのクライエントに対してどのようにアプローチすればもっと効果的な関わりができるだろうか」ということをどうしてもくよくよ(?)考えることがあった。

考えて、何か意味のある答えが見出せる場合もあるけど、考えた結果、潔く見送ることもできるようになりそうだ。

カウンセリングの中身より、会っていないときに治す。
カウンセリングの中での関わりはもちろん重要だけど、次のカウンセリングまでの間の時間(頻度)が非常に大事。

その間の時間で、治癒していく。

そのことをあらためて重視すると、意識的に、会っていない時間の繋がりを大切に関わることができる。

それは安心に繋がり、治療になる。そして、その時間についてセッションの中でも触れることもできる。


以上、かなり抽象的な表現となってしまった部分もあるけれど、今感じていることを残しておきたくて、ひとまずアウトプットしてみた。

「こうはいかない」というケースももちろん多々あるし、ベストな進め方はケースバイケースだけれど、そのことも含めて、東畑先生の口から、先生の言葉で語られる臨床についての生のお話はありがたい。

初回面接は、決してやり直しの効かない真剣勝負。
肝に銘じてやっていく。

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