CHRISTMAS TIME FOREVER
<詞>
アルバム「世に万葉の花が咲くなり」のキーワードの一つに「暗黒の提示」というものがある。
これは前年に勃発した湾岸戦争であったり、バブル崩壊であったり、時代は明らかに暗い方向に向かいつつあった事を示唆している。
しかし、その反面ヘアヌード写真集が大売れしたり、トレンディードラマとのタイアップでメガヒット曲が連発されたり(←サザンも当事者である)
ディスコブームでジュリアナ東京がもてはやされたりと、暗いのか明るいのかわからないほど“混沌”とした時代の幕開けであった。
(他にもソビエト連邦の崩壊やPKOでの自衛隊海外派遣などがあって、私個人的にも、時代が変化し始めてる実感があったし、ヤバイ方向に向かってるなあとボンヤリと感じていた記憶がある。)
そういった時代状況を踏まえて、リアリティのあるものとしての作品=「暗黒の提示」と考えてよかろう。
“病気とお付き合い”しなければならない、先行きの見えない不安な時代の到来。反面、年を追うごとにヒートアップしていく平和ボケした“ニッポン”でのクリスマス熱。絶望にも似た感情の上での救済の歌、つまり「祈り」であったに違いない。いわゆる「ハッピークリスマス!めでたいめでたい!(笑)」の歌、つまり「通り一遍のラブソング」ではない。
翌年リリースされた「クリスマスラブ」の時の発言と対比してみるのも興味深い。
<1999.12.18記>
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