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我思う、ゆえに我あり?

 仕事帰り、最寄り駅から二駅先まで歩いていたら、白地に茶色が混ざった猫に出会う。首輪のようなものをしていて、毛並みもキレイ。
 話しかけるとニャーと答えてくれたけれど、見かけない人間だからか、一定の距離を保とうとする。座っている風情は哲学者のようで、「我思う、ゆえに我あり」と言わんばかり。中年のオスかなあ、と勝手に推測。

 家猫かと思ったけれど、それならこんなところにいない気がするし、首につけているのもよく見るとリボンのようで、首輪とは違うみたい。思索にふけっているように見えるのも私の思い過ごしで、エサやりしてくれる人が現れるのを待っているだけなのかもしれない。

 人間の勝手な思い込みを投影されても困るぞよ、といっているような、いないような。

 これから雨の日が増えるけれど、また猫との出会いがあるといいな。

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