Web小説発掘記 その213 自称中堅冒険者のアフターライフ 作者 ギル・A・ヤマト様

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前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは記事を書いた時点での最新話である『過去の因縁と個人的問題点』までを読んでの感想、レビューとなります。

あらすじ

私セレナは転生者だ。
例に漏れずチートを授かって、魔王やエルフにダークエルフ、ドワーフや龍人がいる世界に生まれ変わったのだ。
性別も変わっちゃったけど。
まあこの世界に生まれてから長い間に色々やらかして、今は少し田舎くさい町で穏やか(自分の中で)な生活を過ごしている。

その時だった。また面白そうなのが来たのは。
私はこの世界に生まれて来てから沢山の経験を積んできた。だから分かる。今回もそれなりに大きな出来事が起きるんだろうと。

そうやってワクワクしながらいつもの様に、私は声をかけた。

ストーリーと見所

まあストーリーと言うか見所と言うか……正直なところまだ五話までしか書かれていないので割と暫定的なあれにて御座候。

物語としてはあらすじにある通り、転生者でチート能力持ちの主人公がアレコレするようなお話。一応、五話の時点では転生者要素は全く生きていないけど、その辺りは始まったばかりなので如何ともと言ったところだろうか。

全体的な雰囲気としては良くも悪くも流行りもの感はある。チート能力もそうだし、飄々系の女性主人公ってのもWeb系と言うかなろう系?ではよく見る感じのキャラクター。

とは言っても所謂なろう系かと言われればそんなことはなく、序盤の時点でかなりの個性が感じられるような作風となっている。

流れとしては最強主人公に挑んでくる未熟な勇者と、仲良くしたりしなかったりするような空気感を読み取ることはできる。

その辺りが今後どうなるのかはわからないが、そこは普通にいい意味でここから先の展開が読めないのは楽しみなところ。

正直この流れだったら敵対しても仲間になっても美味しいと、割と続きを楽しみにできるのではないだろうか。

ストーリーの流れや設定に関してもかなり作り込まれており、序盤から飛ばしている様子が見える。

色々と用語が出てきたり、伏線と言うか、主人公の未だ語られざる過去のようなものが垣間見えたりとその辺りも謎が多く、ミステリアスなキャラ付けに一役買っていると言えるだろう。

キャラクター

セレナ

主人公。

チート持ちの飄々系女主人公。
性格面をパッと見れば割とよくある感じではあるが、こちらはちょっと遊び心が入っているようにも見える。

作者さんの作品に対する取り組みと言うか、世界観による個性がしっかり出ているように見えたのは個人的にはとても良き。

超強い。
色々と過去があったり、まだ明かされていない部分も多いなど今後が楽しみなキャラクター。

フィーネ

勇者。
主人公を倒すために来たようだが、実力的にはまだまだ及ばない模様。

まだ何も語られていないのでここで言うことは何もないが、僕っ子であることは明記しておかねばならないだろう。

彼女とセレナの関りが物語の根幹になる……のかな?

総評

評価点

一先ず物語としてはいい意味で先が読めない展開となっている。

このまま二人のほのぼのスローライフに……はまぁならなさそうだが、なんにせよ始まったばかりとは言え今後の展開に期待できそうな要素は多い。

特に世界観はかなり作り込まれているようで、やはり序盤で出てくる用語を色々とみているだけでワクワクしてくるのは大きなポイントだろう。

問題点

文章と言うか、物語の流れは全体的にくどい。

会話も全体的に回りくどく、文章の関係なのか時折どちらが喋っているのかが一瞬わからなくなったりする。

特に吸血鬼との対決では色々な思わせぶりな要素が出てき過ぎて、それ自体は楽しみではあるのだがやはりちょっとくどさと言うか詰め込み過ぎ感があったのは否めない。

勿論物語自体は始まったばかりなので、それらの要素が今後上手い具合に調理されていくのであろうことは充分に期待できる。

最終評価 53点(Web小説としては充分な良作)

取り敢えずは良くも悪くも始まったばかりの物語と言った感じ。

ちょっとくどさは感じるが、その辺りはよく言えば味ともとれるので、気に入る人は気に入る要素になるだろう。

全体的に伏線やら謎やらが散りばめられているので、それらが少しずつ明かされたりするのが楽しみな部分ではある。

主人公がチート的な強さを持っているが、今後彼女がどのような物語を進んでいくのか読めない部分もあって、そこも個人的には評価点。

今後に期待しつつ、見守っていきたい小説と言えるだろう。

所要時間は記事を書いた時点での最新話である『過去の因縁と個人的問題点』までで凡そ20分ほど。


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