Web小説発掘記 その280 夜空に舞う星々のノクターン 作者 もちっぱち様
本編URL
https://kakuyomu.jp/works/16818023212502754860
前書き
この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは『第30話 居酒屋で話に夢中になる』までを読んでの感想、レビューとなります。
※甘口記事です。
あらすじ
星座と響き合う調べ、
野球場に鳴り響く鼓動。
高校生活が織りなす、
フルート奏者と
野球部キャプテンの出会い。
音楽の旋律と野球の熱情が
交差する中で、
彼らの心に芽生える友情とは?
感動と切なさが交錯する、
新たな青春の物語が始まる。
ストーリーと見所
吹奏楽部に所属し、フルートの練習を続ける一人の少年と野球部の少年が織りなすBL小説。
かなり独特な文体で、少しばかり淡々としているようにも見えるが言葉選びや台詞回しからちょっとした優しさが見えるのが特徴。
そういった作品の雰囲気のおかげで、全体的にふんわりとした空気感が作中に漂っている。その辺りは、心の在り方を丁寧に書いていくこちらの作品と上手く噛み合っているといえるだろう。
BL作品とはいっても内容は男性同士の絡みだけにはとどまらず、他の女性キャラクターを交えたうえでの人間模様が展開されていくのもこの作品の面白さでもある。
内向的で大人しい、あまり友達がいない主人公に話しかけてくる同級生の女の子や、吹奏楽部の先輩など女性キャラクターにもストーリー的に関りがある人物が多い。
ジャンルとしてはBL作品ではあるのだが、どちらかといえば青春恋愛のテイストが強い。
所謂R18的な流れには(取り敢えず30話までは)なく、同性を好きになってしまった主人公の心の葛藤や芽生えていく恋心などがいじらしく描かれているのも魅力。
そして途中から話は高校を卒業し、メインとなる二人が社会人となって再会する社会人編へと突入していく。
今後の展開から目が離せない、気になるBL小説。
キャラクター
工藤星矢
物語の主人公。
作中では主に彼の視点でストーリーが語られていく。
吹奏楽部所属の、かなり内向的な少年。
友達があまりおらず、ひょんなことから知り合った先輩であるもう一人の少年と、吹奏楽部の部長である女生徒を通じて仲良くなっていく。
内向的で卑屈な部分もあるからこそ、彼が恋を自覚して勇気を振り絞る姿は映えるものがある。
竹下翔太
主人公の一つ年上の先輩。
野球部所属で、主人公とは対照的に結構な陽キャ。
作中のちょっとした出来事から、主人公との距離を一気に近づけていく。
総評
評価点
優しい雰囲気が魅力的な小説。
文体や台詞回しも独特で、それがまたいい味を出している。
ストーリーもいい意味で急展開が多く、読んでいて驚かされることが多かったよの個人的にはかなり楽しめたポイント。
問題点
特になし。
最終評価 XX点(甘口なので点数はなし)
優しく独特の雰囲気が魅力のBL系恋愛小説。
少年の葛藤や青春模様を、柔らかな空気で包み込んで届けてくれるなかなかに独自性のある作品。
かと思えば急展開に驚かされたりと、ストーリーにも緩急が付いているので読んでいて飽きる部分が少ないのも良き。
物語としてはここから社会人になり、再会した二人の関係がどうなるのか非常に気になるところではある。
所要時間は『第30話 居酒屋で話に夢中になる』までで凡そ30分ほど。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?