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自分が知らない「自分」に気づくことで人生が大きく変わっていく


よく「空気が読める、読めない」
という言い方をされますが、
「空気」というときには、
「場の文脈」を指していることが
大半です。

たとえば、
”その場がどういう目的”で、
”どういう人たちが集まって”、
”どんな状況か”ということです。

同じグループの仲間でも、
「会議室で議論しているとき」と
「飲み会の席」とでは
場の文脈が違います。
いろいろな人がいますから、
そこには、その人その人のもつ
「人の文脈」もあります。

それぞれが「個人の文脈」の
なかで生きています、
その背後には、
その「家庭の文脈」があるわけです。
さらには「時代の文脈」という
ものもあります。
そんな時代だからこそ、
こうなっているというものがある、

人のいるところにはさまざまな
文脈が縦横無尽に走っていますから、
そういうなかで人とつながり、
コミュニケーションをするには、
それらの背景に対しての配慮が要ります。
それが「空気を読む」ということです。

「空気が読める」、すなわち、
場の文脈をつかめるとは、
2つの力が働いている状態であると
私は考えています。
一つは「状況を感知する力」、
もう一つは「理解しようとする力」

文脈などお構いなしに
自分の思ったことをストレートに
言ってしまうのが、
子どもというものです。
自己中心性から脱却していくことが
子どもの成長プロセスの
一つの指標でもあるとも
心理学者「ピアジュ」は言っています。

その場の状況を
感知することができない、
相手の感情に対する配慮もできない、
ただ自分の主観的な視点だけで
動いてしまうというのは、
「子どもっぽい」という言い方に
喩えられるかもしれません。

一方で、
場の文脈がつかめる子どもも
少なくはありません。
何が起きているのか事態を
飲み込めていなくても、
その場の雰囲気を「感知」できる子は、
場に馴染んだ行動ができます。

場の文脈に
沿えるかどうかというのは、
子どもも大人も含め、
「状況を感知する力」、
あるいは、
「理解しようとする力」、
またはその両方があるかどうか、

時代の流れと共に、
仕事や組織、人間関係、価値観、
新しいサービスや技術は刷新し続ける、
その変化に適応して進化していける力
「変進力」「個人力」は、
”自分を理解し他者とうまく付き合っていく”
ために必要なものでもあり、
「個性化」は人付き合いにおいても
重要度の高い力とされています。

ユング心理学では「個性化」は、
生涯を通して成される心の成長であり、
その道のりを「個性化の過程」
(individuation process)
といっています。
スイスの精神医学者ユングは「心」を
「意識」と「無意識」にわけて、
「意識」の中心を「自我(ego)」とし、
「意識」「無意識」を含む、
「心全体」の中心を
「自己(self)」としたのです。

自我(ego)→「意識」の中心
自己(self)→「意識」「無意識」
      を含む「心」全体の中心、
「自己(self)」は、
自分の心を「まとめる」中心的な役割、
「まとめる」だけでなく、
現状にとどまらず、
より高い次元へと向かう人格(人間性)を
「高める」働きもします。

「もっと成長しよう、もっと成長しよう」
と生涯を通して働きつづけ、
「その人が生涯をかけて
本来なるべき高次の自分自身」といえます。

自己(self)の示す無意識の領域は、
私たちの目には見えませんが、
絶対にあって休むことなく、
途切れることなく動き続けています。
つまり、自分では気づいていない
無意識の領域が今の自分の身体、
言葉、感情、思考、行動に影響を
与え続けているということです。

自分の意志実現を可能にするには、
どうしてもこのことに気づくことが
必要です。

人生、40年、50年と生きてくると、
「これ以上、成長を望めない」などと、
自分に対するあきらめや
それまでの自分では対処できない
事態が、多く発生してきます。
人生のステージが上がると、
活躍できる「スキル」が求められ、
それまでの自分を変えていく
必要性に迫られます。

自分の使いやすい性格上の
「利き手」だけを使っていれば
現実に対処できていたのに、
「利き手」の反対の手も
使わないといけなくなる状況です。
このときこそ、古い価値観から
新しいアイデンティティに
「自己変革の時」です。

「自我(ego)」レベルの認識は、
「おとなしい内向的な自分」でした。
「たくましい外向的な自分」として
生きてきませんでしたから、
意識の光が当たっていたのは
「おとなしい内向的な自分」、
 光があれば影ができます。

ユング心理学では、
生きてこなかったあなたの要素を
「影」(シャドー)と呼び、
「影」(シャドー)は、
あなたにとって、
「たくましい外向的な自分」です。

影(シャドー)となっている要素を
意識し育て発揮しようとする経験は、
違和感・抵抗感がありとても疲れます。
辛さ苦しさが伴い、逃げたくなります。
しかし、この危機(ピンチ)は、
あなたにとってチャンスの時でもあり、
運命が差し出す課題(試練)です。

あなたは今、自分が生きてこなかった
「影」(シャドー)に光を当てて、
あなたの意識の中に取り入れること
(統合)を求められているのです。
「心の統合(精神性)」こそが、
心の成長(意識の発達)だからです。

その道のりはとても険しいのですが、
もし、あなたが外向性を覚醒し、
「心の統合」に成功すれば、
バージョンアップしたあなたとなって、
アイデンティティの危機を
乗り越えていくことになるでしょう。

あなたの「心の統合」は、
「外」から何かを取り入れた
わけではないということです。
「影」(シャドー)もまた、
心の「内」に存在していた
あなたの「個性」のひとつであり、
眠っていた「個性」が
目を醒ました(覚醒)とも言えます。
これがユングのいう「個性化」です。

「自己(self)」は、
「理想の姿」であると同時に、
心で働く機能です。
より高みへと人を導き、
「個性化」のプロセスを
「まとめあげる役割」を果たします。
自我レベルでの「自分らしさ」
(内向的な自分でいい)から
外向的な面を含めた、
より高い次元の自分=「自己」
(self)を実現したといえます。 

人は、生涯を通して
「自己」(self)が働き
成長していく存在です。
心の奥には自分の知らない
大きな可能性である
「個性」が眠っています。

その眠れる「個性」を
目醒めさせていくほど、
「自分らしさ」が輝きます。
そうして、人は生涯を通して、
自分がなるべき究極の
「自己」(self)へと一歩、
一歩近づき、あなたが成すべき
「自己実現」を成し遂げていくのです。

心の成長(発達)の道は、
高い山の頂上を目指すようなもの、
時に険しい経験となりますが、
「個性化」が達成されたときの
手ごたえと満足感は、
計り知れないものがあります。

もう一人のあなた「自己」(self)は、
あなたの成長を辛抱強く
側でずっと見守り続け、
あなたの目醒めを待っています。
あなたを必ず成功へと導くはずです。

あなたをいつでも応援しています。
ありがとうございます。


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