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連載小説 唯一の犠牲者        第0話プロローグ

急激な人口爆発と食糧不足により第3次世界大戦が勃発した現代。勃発から3年がたつとほとんどの国がアメリカ・ロシア・中国の植民地となり、三つ巴の均衡状態となっていた。この戦争は今までの戦争とは違い、戦死者が存在しない。アメリカら3か国は圧倒的なまでの軍事力によって植民地を増やしていっており、武力行使に出ているのは日本に対してだけである。よって、この戦争は「不殺の戦争」・「流血なしの戦争」と呼ばれている。

三つ巴の均衡状態の中でその3か国が1度も勝てず植民地にできない国があった。日本である。3か国は日本の技術力と日本周辺の海の権利を求めて幾度となく攻め込んできた。だが、いくら空襲を仕掛けようが潜水艦で奇襲をかけようが、本土に入る前に撃墜・殲滅され、撤退を余儀なくされた。しかし、アメリカほどの軍事力もなく、中国ほど軍隊・戦闘機保有数の多くない。ロシア程の戦闘機開発技術力も高くない日本がなぜ、一度も3か国に負けなかったのか。

撤退していった各国の軍隊員たちは皆、口をそろえてこう言っていた。

「日本には1人の最強の『番人』がいる。」

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