花を生けること

私の母は華道の師範だった。
小さい頃から家には、
お弟子さんと言われる生徒さんが、
沢山やってきてお花のお稽古をしていた。

そんな母に連れられて、
毎年行われる師範クラスしか参加出来ない、
展覧会や母自身が主催する個展に行っていた。

いつしか、
生け込みを手伝うようになり、
ほんのちょっとだけ、
母から生け花の基本を教わったりした。

今でもたまに生け花をする。
子育てが忙しいから、
専らスーパーの花売り場で売られている、
切り花を買ってきて生けている。

先日はひまわりを生けた。
黄色が鮮やかで気分も晴れる。

花は家の邪気を吸い取って枯れていく、
となんかの動画で観た。

そうなると、
母は常に邪気を花たちが、
吸い取ってくれていたのかもしれない。
なんて幸せな人だ。

母はもう花を生けることが出来ない。
老人ホームにはたまに、
お花を贈ったりする。

最近忙しいなあ…
と言って母の面倒を、
姉に任せっきりにしている。

今度、お花を持っていくかな。

夏はひまわりだね