終わりよければすべてよし
…ピピーッ…(炊飯器が鳴る)
〇〇:ふぁ〜。
…パカ…フワァー…(炊飯器を開ける)
〇〇:ん"っ"…(喉を鳴らす)
…シュッ…ホワッ…モフッ…
(お米をお茶碗に乗せる)
…パカッ…(冷蔵庫を開き覗く)
〇〇:ん〜?
(口をとんがらせて考える)
…パッ…(卵と醤油を取る)
…コンコンッ…パカッ…
(熱々のご飯に生卵を乗せる)
〇〇:……ふっ(少し口角が上がる)
…ポタポタポタ…(醤油を何滴か垂らす)
〇〇:できあがり…((ボソッ
(手を合わせて)
〇〇:『「いただきます!」』
…僕は遠藤〇〇……
25歳マネージャーの僕のお話。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…事務所にて。
〇〇:おはようございます。
(部署に入ると)
??:〇〇さんおはよ〜。
(〇〇の席に座る??)
〇〇:あ。おはようございます。
??:硬いですね…🤭
彼女は…井上和さん
僕の担当するインフルエンサー
ふわふわした雰囲気なのに少し毒舌で
男装女子ということも人気の一つ今
最も人気のインフルエンサーの一人だ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…そんなある日……
…事務所スタジオにて…
井上:僕眠くなってきたから
今日は配信終わるよ〜またね〜
……イン〇タライブ終了。
〇〇:お疲れ様です
井上:こんな遅くまで
僕に付き合ってくれてありがとう!
〇〇:いいえ…仕事なので
井上:なんかそう言われると…
悲しいなぁ〜
〇〇:あ、いや…す、すみません…
その…夜中までお疲れ様です…
本当に尊敬してます!
井上:ふふっ…可愛い…//
〇〇:からかわないでください…
井上:私達二人だけですね!
〇〇:"スタジオ"だけです。
井上:むぅ…
〇〇:ぼ、僕は少し御手洗に行きます…
井上:待って…
…ガシッ……ドンッ
(〇〇の手を掴み壁ドンする)
〇〇:…え?
井上:どうしたんですか?
〇〇:か、壁ドン…?
してるじゃないですか…//
井上:ふふっ…//
〇〇さんの好みのタイプになりました?
〇〇:何言ってるんですか?!
井上:〇〇と出会って三年…
僕が事務所に入ってからずっと
〇〇さんと一緒だった……
…〇〇が大学を卒業しすぐ事務所の
マネージャーとして就職して
初めて担当した人が井上和さんだった
当初は井上和も男装などしていなかった
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……約二年前……。
井上:〇〇さん
〇〇:どうしました?
井上:〇〇さんの好みの女性って
どんな人ですか?
〇〇:ん〜…ボーイッシュとか?
井上:〇〇さんボーイッシュの人と
付き合ったことあるんですか?
〇〇:付き合ったことないですけど……(笑)
井上:じゃあなんでボーイッシュ?
〇〇:ギクッ……
井上:もしかして昨日見た
AVの女優がボーイッシュだった
とかじゃないですよね…?
〇〇:そ、そそ…そんなわけじゃ…
井上:わかりやすっ。
〇〇:すみません…
井上:いいですよ…
それで?どんな女優さんでした?
〇〇:僕っ子のボーイッシュさんでした。
井上:ふふっ。じゃあそのコスプレ?
男装?さ次のイン〇タライブで
してみよっか?
…三日後…
…ザワザワ…
(事務所内がザワつく)
〇〇:ん?何だこの騒ぎ…
…人混みを掻き分け誰かが向かってくる
??:やっと会えて嬉しい
僕が疲れを癒してあげる
〇〇:…………好き…((ボソッ
井上:え?い、いまなんて…?
〇〇:いえ……なにも。
(顔を隠すように下を向きスタジオへ)
井上:あ、え…っ。
『和ちゃんどうしたの?』
『〇〇くん何か言ってた?』
井上:あぁ…多分勘違いです…
……スタジオにて…
〇〇:はぁ…僕はマネージャーだ…。
井上:あ、〇〇さん…
(スタジオに一人で入ってくる)
〇〇:どうかしました?
井上:ふふっ…私のどこら辺が
好きなんですか?
〇〇:な、なんのことですか?
井上:嘘つかないでください!
みんなには聞こえてなくても
僕には聞こえてるよ?
〇〇:す、すみません…
井上:謝らなくていいから。
どこら辺が好きなんですか?
〇〇:いや…言ったら気持ち悪いって
思うだろうし井上さん後悔するので…
井上:思いませんから教えてください!
〇〇:はぁ…後悔しても知りませんよ
井上:はやくっ!
〇〇:…和さんの首筋や服のボタンの
開け具合そして白髪、言葉遣い…
(ゆっくりと和に近寄る)
井上:っ…
…ピタッ……(和の背中に壁がつく)
〇〇:すっごく綺麗で…好きです…。
(和を真っ直ぐに見つめる)
井上:あぁ…っ…//
ち、近いです…//
〇〇:す、すみません…//
(直ぐに離れる)
井上:わ、私…事務所戻りますね…
(スタジオを去る)
〇〇:っ…はぁ…
(その場に座り込む)
〇〇:絶対僕…担当外されるなぁ…
いや…解雇かな…?━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……現在
〇〇:一緒でしたけど…
こ、こんな関係じゃ…
井上:こんな関係ってなんですか?
インフルエンサーとそのマネージャー
それだけでしょ?
〇〇:な、なら…
この状況はどう説明するんですか…
井上:別に?どうとでも言えばいい…
〇〇さんが悪いんだから…
〇〇:ぼ、僕ですか?
井上:〇〇さん…私以外にまた
新しい子の担当に付くんですよね?
〇〇:あぁ…
井上:そんなの絶対に嫌だ…
〇〇さんは私の物ですよ…?
〇〇:そ、そんなの言われても…
井上:僕他の事務所からも
声かけられてるんだよね〜。
〇〇:で、でしょうね…
井上:〇〇が僕だけのマネージャーじゃ
なくなるなら…僕この事務所やめるから
〇〇:そ、その…嫉妬してるんですか?
井上:そうに決まってるでしょ?
本当は先週のイベントの時他事務所の
アイドルの子と話してるの見た時に
辞めちゃおうかと思ってた…。
〇〇:あ、あれはぁ…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……先週…あるイベントの楽屋にて
…そこは大部屋の楽屋でアイドルや
アーティストがいた…
〇〇:……。
??:あ、〇〇さん!
…彼女は一ノ瀬 美空さん
有名アイドルグループに所属する
アイドルだ…道に迷ってる一ノ瀬さんを
助けたと言うとおこがましいが助けた
それ以降会うとよく声をかけてもらえる
〇〇:お久しぶりです一ノ瀬さん
一ノ瀬:むぅ…美空でいいのに!
〇〇:そうもいかないです。
一応僕もマネージャーなので
一ノ瀬:一応ね?。(笑)
〇〇:繰り返さないでください…(笑)
一ノ瀬:ふふっ…やっぱ〇〇さんって
可愛いですよね!
〇〇:ふぇ?!
一ノ瀬:〇〇さんが私のマネージャーなら良かったのになぁ〜♡
〇〇:や、やめてくださいよ…//
一ノ瀬:愛しの和ちゃんに聞かれたら
怒られちゃうもんねっ?♡
〇〇:か、からかわないでください…//
僕はマネージャーなので!
一ノ瀬:ふふっ。
じゃあまたね?
〇〇:はいまた!👋
井上:〇〇さん誰と話してたんですか?
〇〇:あぁ…いや…
井上:最近よく一ノ瀬さんと話すよね
〇〇:す、すみません…
井上:ちょっと着いてきて…
〇〇:は、はい…
…そのまま二人は楽屋を出て
使われていない…楽屋へ…。
井上:ねぇ…〇〇さんはさ
誰のマネージャーなの?
〇〇:も、もちろん…井上さんです
井上:ならさぁ…僕とだけ話せば良いよね
違うかなぁ?間違ってますかぁ?
マネージャーさん。
〇〇:少し間違ってr((
いててっ…井上さん…っ…
…ググッ…
(〇〇の脇腹を本気でつねる)
井上:口答えすんなよ。
こっちは事務所やめたっていいんだよ?
〇〇:す、すみま…っ…
痛っ…
井上:そうやって僕以外に照れて。
最低のマネージャーです…〇〇さんは
僕だけと話して
僕だけに照れて
僕だけに恥ずかしくなって
僕だけを見てればいいんですよ!
…パッ…(つねる手を離す)
〇〇:はぁはぁ…痛っ…
井上:じゃあ僕先に楽屋戻ってるんで、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…現在
井上:どう言い訳しても無理でしょ。
〇〇:一旦…適正な距離で
話しましょ?
(そう言って壁ドンの拘束から抜ける)
井上:逃がすつもりは無いですよ
…ガシッ…ドンッ…ガバッ……
〇〇:え、あっ……//
(〇〇に跨る)
井上:〇〇さんが僕のことを
インフルエンサーとして好きなこと
そんなことぐらいわかってますよ…
けど僕は…私は!〇〇さんが好きです。
〇〇さんが見てくれてるって思うだけで
私は頑張れるんです…!だから…グスッ
〇〇:僕も好きです…大好きです…
(和の頬に優しく触れる)
井上:マネージャーの癖に…グスッ
〇〇:いいえ…僕は一人の男性として…
井上和さんを初めて貴方が男装した頃
いや…その前…もはや…会った頃から
僕は一目惚れをしていたのかもしれない
井上:…え……?
〇〇:僕は今まで…マネージャーって
肩書きや立場で自分を抑えてきました
けど、井上さんにそんな思いを
ぶつけられたら…抑えれませんよ
井上:ってことは…
〇〇:僕も好きだよ…和…//
井上:〇〇ぅ…うわぁぁん😭😭
(〇〇に抱きつく和)
〇〇:ふふっ…//
泣かないでくださいよ…//
井上:だってぇ…グスッ
私も一目惚れだったからぁ…😭
〇〇:この三年間ずっと両思いだったとは
井上:早くこうしてれば良かった…//
〇〇:そうですね(笑)
けど、結果オーライです!
井上:むかつくぅー!まだ、〇〇が
一ノ瀬ちゃんにしっぽ振ってたの
覚えてるからね!
〇〇:あれはしょうがないというか…//
井上:ち、ちょっと今一ノ瀬ちゃんの事
思い出してたでしょ?!
〇〇:あぁ…いやぁ〜…
井上:嫌だ…〇〇のこと取られたくない…
現実でも夢でも妄想でも嫌なのぉ!
〇〇:取られませんって(笑)
井上:証明してよ!
〇〇:し、証明…?
井上:んっ。(唇をとんがらせる)
〇〇:い、いやぁ…誰かに見られたら
井上:見られてないですから!
早くしてくださいっ!!
〇〇:わ、わかりました……。
和…好きだよ…//
井上:ふぇ?!
……チュ…
(〇〇は和の頬に手を添えキスをする)
井上:んん…っ…//
(驚き目を大きく開ける)
〇〇:…ぷはぁ
井上:ば、ばかぁ…//
キスする瞬間に好きとか言うなぁ…//
〇〇:あれ?普通言いません?
井上:ドラマの見すぎです…っ…//
〇〇:すみません…//
井上:けど…良かった…//
〇〇:僕も最初のキスとして
一番いいキスだったと思います…//
井上:え?〇〇って彼女いたこと
なかったんですか?!
〇〇:まぁ…はい…
井上:じゃあ私が最初で最後の
女性ですね!
〇〇:最後かはまだわからないんじゃ?
井上:あ"ぁ"?
〇〇:…すみません。
井上:余韻を台無しにしやがって…
このままここで〇〇のこと卒業させてy((
……ガチャ…バンッ
(スタジオの扉が開く)
社員1:な、何やってるんですか!!
〇〇:え?
井上:……//
社員2:イン〇タライブしっぱなし!
しかもアウトカメラになってます!
〇〇:ってことは…
『今気づいたのかよ!(笑)』
『演出だろ?』
『私、和くんのガチ恋だったのに』
『誰か画録したよな?』
『演出です。』
『流石に嘘でしょ。』
〇〇:ま、まじかぁ…
井上:ふふっ……//
社員1:…ポチッ
(インスタライブを終了する)
……この後二人はこっぴどく叱られ
記者会見にて謝罪と演出だったと言う
説明をするための場を設けたがそこで
和が〇〇にキスをした話はまた今度…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…パッ…(卵と醤油を取る)
…コンコンッ…パカッ…
(熱々のご飯に生卵を乗せる)
〇〇:……ふっ(少し口角が上がる)
…ポタポタポタ…(醤油を何滴か垂らす)
〇〇:できあがり…((ボソッ
(手を合わせて)
〇〇:『「いただきます!」』
……ピロンッ…
〇〇:ん?
井上』どうせ〇〇
今日も朝ごはん卵かけご飯で済ます
つもりですよね?
〇〇』そうですけど。
井上』私が朝ごはん作るのですぐ
私の部屋来てください!
〇〇』わかりました…
〇〇:ふぅ…
…数秒後…
井上:おはようございます!
ってなんで卵かけご飯持ってきてんの?
〇〇:だって勿体ないし。
井上:変なの(笑)
まぁそういう所も好きだけど…//
〇〇:……//
…数分後……
井上:さ、食べよっ!
〇〇:美味しそうだね
井上:まぁ簡単なものだけど。
〇〇:と言うか…わざわざ部屋を隣同士にせずに二人一部屋でも良かったのに
井上:どっかの誰かさんが
"一人の時間も好きです"とか言うから。
〇〇:ま、まぁ…
井上:まぁそれに?
喧嘩したときには役立つし。
〇〇:あれは和が一方的に浮気って
疑ってるだけだったじゃn((
井上:あ"ぁ"?まだ続けたいの?
〇〇:いいえ……
井上:結局僕にわからされて
抱きついて謝ってくるんだから
グダグダ言うなよな?
〇〇:す、すみません…
井上:このマゾビッチ!!
〇〇:わ、わかりましたから!
早く朝ごはん食べましょ?
冷めちゃいますから…(笑)
井上:大人ぶって…
朝ごはん食べ終わったらマジ覚えとけ。
〇〇:あはは……
……僕は遠藤〇〇……
25歳マネージャーの僕のお話。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……終わり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?