だれのために。
僕は幼なじみを死なせてしまった
たった一人の世界で一番の幼なじみ…
ずっと一緒だった…これまでも
これからも…そう思ってた……
自分の中にある"愛"の感情を全て
注ぎ込んだ相手を…僕は…死なせた……
彼女は森田ひかる…
小中高と一緒だった……
高校二年生の夏休み…
彼女の家に行くと彼女はキッチンで
自分のお腹に包丁を突き立てていた…
僕はすぐに止めた…
〇〇:な、何してんだよ!
森田:わからない…わからないよ…っ…。
(涙を流す)
〇〇:大丈夫…大丈夫だから…
(ひかるを抱きしめる)
森田:うわぁぁん…😭😭
(〇〇の胸で号泣する)
……僕は必死にひかるを慰め…
その後一緒に病院に行った……
ひかるは双極性障害…いわゆる…
躁鬱という精神病だった…
…この頃に僕はひかると一生一緒に
居ようと覚悟した……
…もう一つこの頃だろうか……
ひかるは学校に徐々に来なくなった
訂正する…来れなくなって行ったのだ…
そのため僕は、高校終わりに毎日
ひかるの家に行って傍にいた…
〇〇:でさ?それで、保乃がさ?
森田:ふふっ。
〇〇:……ひかるっ。
(ひかるを抱きしめる)
森田:き、急に…ど、どうしたの?
(驚くひかる)
〇〇:俺…ひかるが好きだ…
大好きだ……//
森田:ほ、本当になに?
どうしちゃったの?笑
〇〇:お、俺本気だから!
俺がひかるを幸せn((…チュ……
(言葉を遮られるようにキスされる)
森田:わかったから…//
私も昔っから好きだったよ…//
(優しく微笑む)
…晴れて僕達は恋人になった…
そして僕は高校を卒業して…
上京して大学に通った……
…何故僕が進学したのか…それは…
双極性障害の治療法や症状緩和法…
などを学ぶ為である……
…だが僕が進学したせいでひかるとも
会う回数が減っていった…だが毎日
必ずひかるとは電話していた……
……亡くなる前日も…
森田:ねぇ…〇〇?休日会いたいな〜
〇〇:今週かぁ…ちょっと厳しいかも
森田:そ、そうだよね…
〇〇:あ!けど、来週は必ず時間取るよ!
俺もひかるに会いたいし
話したいこと山ほどあるんだよね!
森田:ふふっ。そっか!
来週が楽しみ!
〇〇:うん!
森田:ねぇ…〇〇。
"愛してるよ"
〇〇:うん、俺も愛してる
大好きだよひかる
森田:ふふっ。私も〇〇大好き!
…なんて会話をいつもより長くして
その日は電話を切った……
翌日の夕方頃…丁度大学を終え
帰宅する為に駅に向かう途中……
プルルルッ…
…電話がなった…
ひかるからの電話だった…
ポチッ…
〇〇:ひかるどうしたの?
??:〇〇くん!
〇〇:その声は…ひかるのお母さん!
ひかる母:〇〇くん…実は……
…ひかるのお母さんが何を言ってるのか
僕には理解出来なかった……
……理解したくなかった
…耳に入ったのは……
精神安定剤、過剰摂取
この2つの単語だけそれ以外は
ノイズが入ってた気がする…
…数日後に、僕はお葬式に
主席するため実家に戻ってきた、
そして、葬儀場の入口に立った時
僕の記憶は途絶えた…
…あとから聞いた話だと…
ひかるに話しかけてたらしい…
『薬飲みすぎたの?大丈夫?』
『早く起きなよみんな待ってるよ?』
『久しぶりに太鼓の達人やろうよ!』
とかなんとか……
誰も止めに入れなかったのは
僕は明るく楽しそうに話しかけながら
涙を流し続けてたらしい…
…そして自宅に帰るため
駅に向かう…その途中……
??:〇〇だけが悲しい訳じゃない…
私だって悲しいんだから…
…彼女は藤吉夏鈴…
中学高校の同級生だ……
〇〇:ごめん…
藤吉:謝んないで…
それと、一人で抱え込まないで…
〇〇:ごめん…
藤吉:はぁ…これ。
(紙切れを渡す)
〇〇:なにこれ…
藤吉:私の携帯番号…
なんかあったら電話して
〇〇:ありがとう……
藤吉:うん…
…そして駅に着く…
〇〇:じゃあ…また。
藤吉:どんなに忙しくても
お盆と命日は帰ってこいよ。
〇〇:うん……
……そう言って三年後……
僕はなんの縁がわからなかったが…
ひかるが好きだったゲームの会社に
就職をしていた……
懐かしく思う…彼女はよく
このゲームをしていた…
……
森田:〇〇ってハ〇ボーみたい。
〇〇:それちょっと…バカにしてる?(笑)
森田:冗談だよ(笑)
ねぇねぇ、私は?
〇〇:ん〜。ひかるはね〜…
ズ〇ッグかな?(笑)
森田:えへへ…//ありがとう…//
〇〇:どういたしまして☺️
……
仕事をしていると…
ひかるが傍にいるような気がして…
仕事をずっとしていた…
そんなある日有給を消化してとのこと
だが…家で一人になったら必ず僕は……
現実を突きつけられるだろう……
そう思いその日も家に帰り眠る…
……ピンポーン…ピンポンピンポンッ
(激しくインターホンを鳴らされる)
〇〇:は、はい!
(扉を開けると)
……ペシンッ…
(ビンタされる〇〇)
〇〇:痛いっ……
??:"痛い"じゃないでしょ…
こんな所で何してんの?
〇〇:か、夏鈴…
藤吉:私のことは思え出せて
ひかるの命日のことは思い出せないの?
〇〇:う"ぅ"……
(急いでトイレに行き嘔吐する)
……僕はお葬式を行って以来
地元に帰っていなかった…
帰れなかった…帰ったら僕は必ず…
ひかるの残り香を探してしまうからだ…
…それに……もう一度帰ったら
確実に受け入れることになるから……
ひかるの死を……この世にひかるが
もういないって事実を……
藤吉:終わった?
なら、早く今から行くよ。
〇〇:え?けど、仕事が
藤吉:そんなの関係あるの?
〇〇:関係あるでしょ……
藤吉:関係あったとしても…
三年間ひかるを放ったらかしにした
〇〇に拒否権はないよ……。
……僕は有給を取り…
地元へ帰った……
…どこかにひかるがいる気がして
ならない…ひかるは生きてる……
…そんな気がしてならなかった……
そして…ひかるの実家に向かった……
ひかる母:〇〇くんお久しぶり!
また大きくなったね!
〇〇:いやいや、そんなですよ!
あれ?今ひかるいますか?
ひかる母:………あ、うん…いるよ。
…同情の目で俺を見てるのがわかる……
…案内されたのは…ひかるの仏壇だった
〇〇:っ……
……歯をかみ締めながら
手を合わせた……
ひかる母:ひかる。
〇〇くんが会いに来たよ〜
〇〇:……
…何も言えなかった…
そうして僕は仏壇を離れ
ひかるの母親と近況報告していると…
藤吉:〇〇…行くよ。
〇〇:ん?どこに行くつもり?
藤吉:は?ひかるのお墓でしょ。
お墓参り…行くよ。
〇〇:うん…
……藤吉の車に乗り数十分…
山を少し登ったところの墓地だ…
…お線香に火をつけ藤吉の案内の元
ひかるのお墓に向かう……
…なぜだか…涙が溢れ出てくる…
煙のせいだと思った…
だがその予想はすぐに崩れた…
〇〇:ひかる…っ…グスッ
藤吉:っ……
…夏鈴が古い花と新しい花を変える…
僕はお線香を供える…
藤吉:私先やるね…
…そう言って水をかけてあげ
お墓に向かって手を合わせる……
藤吉:私、車に取りに行く物あるから…
…そう言ってお墓と僕だけになる…
〇〇:っ……
…お墓に水をかけ…手を合わせる…
『遅いよ…〇〇』
〇〇:ごめん……
『待ったんだよ?』
〇〇:ごめん…本当は…
ずっと来たかったんだよ…
『うん、わかってるよ』
〇〇:ねぇ…ひかるはもうさ…
生きてないの?
『そうだね。』
〇〇:ひかる…俺さ
ひかるの好きなポケ〇ンの会社に
入ったんだよ?
『知ってる!凄いよ〇〇!』
〇〇:ありがとう
ひかる…愛してるよ。
『私も愛してる!』
『けど、もう〇〇はさ』
『幸せになっていいんだよ?』
〇〇:な、なんだよそれ
『私はさ、〇〇の中で』
『ずっと生きてる…』
『〇〇が私を忘れない限り』
〇〇:っ…お、俺は…
ひかるじゃないと…ひかるじゃないと…
『それは、私だってそうだよ…!』
『けど、〇〇には幸せでいて欲しい』
『幸せになって長生きして』
『寿命いっぱい生きてさ?』
『こっちの世界に来て?』
『幸せだったお話しいっぱい聞かせて』
〇〇:で、でも…
『少しづつでもいいから』
『受け入れて前に進んでよ』
『じゃないと心配なんだよね。』
〇〇:ひかる…
『なに?』
〇〇:また待たせちゃうけどさ…
それでもいい?
『ははっ!わかった待ってるよ』
『その代わりちゃんと生きて』
『幸せに暮らすんだよ!』
〇〇:うん!
ひかる…助けられなくてごめん…
『ん?何言ってるの?』
『私こそいっぱい助けてくれて』
『ありがとう!』
〇〇:う、嘘…だって…
精神安定剤を過剰摂取したって…
『あれは〇〇と会えるってなって』
『凄く嬉しくなった…けど同時に』
『またすぐに会えなくなるって』
『そう思ったら耐えられなくて…』
〇〇:やっぱり…俺のせいだ…
『誰のせいでもないよ?』
『私は誰のせいとも思ってないし』
『私こそ…ごめん…私のせいで』
『人生狂わせちゃった』
〇〇:狂ってないよ…?
僕の幸せだよ?ひかるに出会えた
それだけで幸せなんだよ…
けど、ひかるに言われた通り
他の人とも幸せになってさ
いっぱい生きてそっちに行くから!
それまでさ、安心して見ててよ!
『わかった!見守ってる!』
〇〇:ふふっ。うん見守ってて!
藤吉:ひかると話せた?
〇〇:うん、いっぱい話せたよ
藤吉:ひかる…〇〇は私が
しっかりさせるから!
安心して見守っててね!
〇〇:なんだよそれ。
藤吉:うるさいなぁ…
…僕達はひかるにもう一度
手を合わせ別れを告げる…
藤吉:どうする?このまま駅戻る?
〇〇:ううん、今日は泊まってくよ
ひかるの居たこの場所で…
藤吉:じゃあ私も、今日は実家に
帰ろっかな。
〇〇:夏鈴って自宅どこなの?
藤吉:〇〇と同じマンションだけど?
〇〇:え?マジ?!
藤吉:嘘。
〇〇:な、なんだ嘘か…
藤吉:〇〇の向かいのマンション
〇〇:は…?それも嘘?
藤吉:ううん、本当。
〇〇:必然?
藤吉:偶然。近かったから〇〇の家
探すのに手間かかったんだよ。
〇〇:な、なんか凄い通り越して怖い。
藤吉:はいはい。(笑)
……ビューツ…
(二人を通り抜けるように風が吹く)
〇〇:また来るからねひかる。
藤吉:私もまた〇〇連れてくるから。
『ふふっ…待ってるね!』
『二人とも…幸せにね!』
…だれかのために生きる人生か。
…じぶんのために生きる人生か。
どうか…幸せを大切に。
悔いを残す人生を送らないように。
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……終わり。
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