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キリストにある信仰者の普遍的祭司性

キリストを大祭司として受け入れることで、旧約聖書が定めた「レビ的祭司制度」は消滅する。

"こうして、神のことばはますます広まっていき、エルサレムで弟子の数が非常に増えていった。また、祭司たちが大勢、次々と信仰に入った。"
使徒の働き 6章7節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

何故なら、地上の神殿に仕えているならば、神の国の民として、キリストという祭壇から「食べる権利」がないからである。

"私たちには一つの祭壇があります。幕屋で仕えている者たちには、この祭壇から食べる権利がありません。"
ヘブル人への手紙 13章10節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

神学的には「信徒の普遍的祭司性」という言葉が存在する。キリストを信じた私たちには例外なく「普遍的祭司性」が与えられている。その根拠を聖書から見出すことはできるだろうか。

"しかし、あなたがたは選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神のものとされた民です。それは、あなたがたを闇の中から、ご自分の驚くべき光の中に召してくださった方の栄誉を、あなたがたが告げ知らせるためです。"
ペテロの手紙 第一 2章9節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

使徒ペテロによれば、キリストを信じる私たちは「王である祭司」だと断言されている。

キリストの聖なる職務は大祭司、王、預言者であるが、「王である祭司」とはどういう意味だろうか。

⑴キリストを王の中の王として信じて、「私の主、私の神」(ヨハネの福音書20章18節')と告白する者は、神の国において既に、キリストと一緒に神の右の座に着いていると認識する。

"神はまた、キリスト・イエスにあって、私たちをともによみがえらせ、ともに天上に座らせてくださいました。"
エペソ人への手紙 2章6節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

キリストと共に天上に座るという既成事実によって、世界を裁く権限が与えられている。

"あなたがたは知らないのですか。私たちは御使いたちをさばくようになります。それなら、日常の事柄は言うまでもないではありませんか。"
コリント人への手紙 第一 6章3節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

⑵キリストの死の犠牲を信仰の故に自分自身を一致させ、神に対して礼拝の中で、すべてを捧げること。

"あなたがた自身も生ける石として霊の家に築き上げられ、神に喜ばれる霊のいけにえをイエス・キリストを通して献げる、聖なる祭司となります。"
ペテロの手紙 第一 2章5節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

使徒ペテロは「聖なる祭司」について「神に喜ばれる霊のいけにえをイエス・キリストを通して献げる」と言及している。「神に喜ばれる霊のいけにえ」とは、「キリストと一致して自分自身とその生き方を残らず捧げる」という意味である。

使徒パウロも同じことを言っている。

"ただ、あなたがたにもう一度思い起こしてもらうために、私は所々かなり大胆に書きました。私は、神が与えてくださった恵みのゆえに、
異邦人のためにキリスト・イエスに仕える者となったからです。私は神の福音をもって、祭司の務めを果たしています。それは異邦人が、聖霊によって聖なるものとされた、神に喜ばれるささげ物となるためです。"
ローマ人への手紙 15章15~16節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

使徒パウロは「私は神の福音をもって、祭司の務めを果たしています」(16節)と言い切ることができた。旧約聖書の「レビ的祭司制度」と、キリストを信じる者の「普遍的祭司性」はどう違うのだろうか。前者が律法であり、後者は福音であることを基本的な前提にするならば、これは容易に理解することができる。前者は諸々の儀式に関わる職務であり、後者はキリストから直接、教会に与えられた賜物なのである。

新約聖書において「祭司」という言葉が使われる時は殆ど必ず、上記の聖句のように、福音宣教と結合させられている。

故に、キリストを信じる者は全員、自分自身を捧げる献身者であり、一部の奉仕者たちだけが教会を担っているわけではない。

キリストを大祭司として頼りながら、福音を宣教するために伝道して、祈り続ける「聖なる祭司」として「祭司の務め」を私たちは真摯に果たすのである。

"これらのことはすべて、神から出ています。神は、キリストによって私たちをご自分と和解させ、また、和解の務めを私たちに与えてくださいました。
すなわち、神はキリストにあって、この世をご自分と和解させ、背きの責任を人々に負わせず、和解のことばを私たちに委ねられました。"
コリント人への手紙 第二 5章18~19節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

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