日経平均株価危険水域

はっきり言って、今の日経平均は危険水域に達しているように思う。理由は、株価が上がるような内部要因がないにもかかわらず、株価が上昇しているからだ。

実質賃金は30年間ずっと横ばいであり、貿易収支は回復傾向とはいえまだまだ本格的な回復とは言いがたい。企業物価指数はマイナスを続けている。内部留保は500兆円を超えた。

これらの事例があるにもかかわらず、株価が上昇している要因は何か。それはひとえにアメリカの景気とFRBの経済政策にある。一つ目は、バークシャー・ハザウェイが日本の商社の株を買い進めたことにある。二つ目はFRBだ。FRBは政策金利を少しずつ上げている。これは、過熱する経済を引き締めるのが目的だ。事実、アメリカのインフレ率は2022年は7.99%、2023年は4.52%である。これは、1980年初頭の日本とほぼ同じ数値である。因みに、日本は2022年は2.50%、2023年は2.73%だ。もしアメリカが本格的な景気後退局面に入れば、たちまち日経平均株価もそれに連動して下落していくだろう。つまり、今の日経平均株価はバブル景気の頃と同じ局面にさしかかっているような気がするのだ。

【参考資料】

(1)第2-1-5図 一人当たり名目賃金・実質賃金の推移

(2)日本の経常収支の推移(1980~2023年)

(3)企 業 物 価 指 数(2023年6月速報)

(4)【コラム】FRBも軟着陸信じず、景気後退いずれ来る恐れ-ダドリー

(5)日本のインフレ率の推移

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