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魅惑の紀伊田辺・白浜夏旅(南下篇)

旅行当日。9月某日。
天気は快晴!!夏旅日和だ。

大阪は、京橋駅で友人ひうらーと合流。
ここから関空快速に乗り、和歌山駅を目指す。

前日、朝の3時までガッツリ目にネット対戦ゲームをしていた羊好大尉の目は、ウサギよりも赤い。
まるで、夏に燃え盛る太陽のようだ。

「なにが太陽やねん。旅行前日の朝がたまで、ネットゲームやってるって、狂ったサルも同然やな。もはや依存症やで、イゾンショウ。遅刻せんだけマシな方か」

と、座席の横で、友人ひうらー伍長が呆れはてていたようだが、おしよせる睡魔のせいで、天王寺駅あたりからあまり記憶にない。

気がついたら、和歌山駅に到着していた。
・・・?フガ?わ、和歌山?

あー、よく寝た。スッキリした!

和歌山駅から、きのくに線に乗り換えをして、紀伊半島を海沿いに南下するのだ。

乗り継ぎの時間がまだあるので、いったん和歌山駅改札を出た。

キヨスクで、缶ビールとあれこれアテを買い込む。
なにしろ、本日の目的地『紀伊田辺』駅まで25駅、2時間以上乗り続けることになる。
各種アテと、駅弁買ってと。
お、鯖寿司美味しそう!コレもくださーい。

9月の残暑とはいえ、南紀の太陽光線は、ことに厳しそう。
ローカルなきのくに線車内の年代ものの古いクーラーなど、甚だ頼りにならぬ。

しっかり冷えたビールと、カロリー高めのメシ準備よし!

それぞれ買い物をした後、和歌山駅に戻り、きのくに線に乗り込む。

お昼前。
和歌山駅をきのくに線は、カタンコトン、と出発。

えー、では、ここからが普通電車旅行のスタートです。
車内で缶ビールを開け、乾杯!
ハラショー!ハラショー!

「ビール染み入る晩夏の午後・・・ぷはー!」
ご機嫌に缶ビールを飲むひうらー伍長。
旅先のビールは、なんでこんなに美味しいんでしょね!

ほら、鯖寿司も美味しいよ!ひうらーくんも食べなよ!遠慮すんなよ!

「・・・たいへん言いにくいんで黙ってたんだが、私も和歌山駅で、鯖寿司買っちゃった。」

鯖寿司2ダースずらり勢ぞろいの図。

・・・24個の鯖寿司は壮観やなあ。
なまモンやけど、どうすんねん、これ。

「鯖寿司パーティーのはじまりや!(ヤケクソ)」

ヒーー!?

てなことを言ってる間にも、列車は、快晴の紀州海岸線沿いを、快調に南下してゆく。鯖寿司と共に。

がたんごとん。(パクパク)

がたんごとん。(パクパク)

車内アナウンス。
『次は~御坊、御坊~~』

「御坊か。去年、羊好大尉が、ケータイとMD・WALKMAN(その頃の話なのです)を水没させた、悲劇の地やね」
と、ニヤニヤ笑うひうらー伍長。

和歌山ひとり旅にハマってた羊好大尉は、去年の夏、御坊・日ノ岬に日帰り旅行を敢行。
事前に計画なんて立ててなかったので、岬の滞在時間わずか20分余で、折り返しのバスに乗り、帰宅の途につくハメになった。

それじゃあ、あんまりだということで、煙樹ヶ浜で途中下車。

浜辺に転がってた丸太に座り、気分を出して海を眺めてたら、突如とんでもない大波に襲われ、逃げようとして転倒。

下半身はびしゃびしゃ、ケータイとMDは水没し、ピクリとも動かなくなった。

被害推定金額4万。

御坊・・・哀しい思い出の地だ。
あの時、道端に寝そべってた猫の死骸を今でも思い出す。
もう、2度と行く事はないだろう。

さようなら、御坊。

羊好大尉とひうらー伍長は、くだらない雑談をしながら、ビールを飲み、鯖寿司をつまみ。

仕事場の愚痴を延々として。

おっさん2人を乗せて、きのくに線は、ゆっくりと紀伊半島を南下し、海岸線をゆく。

(つづく)

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