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痔 手術記 第2話

第2話
6日目(8/13)〜8日目(8/15)
 肛門に力が入らないと人間って何もできんよ。今アタシは肛門に杭を打ち込まれているような痛さだから、何をするにも七転八倒。
寝ている姿勢から起き上がる時、腰を上げるでしょ。その時自然に肛門を絞めているのよ。だから寝ぼけて起きようと思い、身体を動かした瞬間激痛が走って目が覚めるの!朝から狂気の沙汰。
で朝一のトイレに行くとするでしょ?
肛門に力を入れないとオシッコが出ない。それから当たり前のようだがう◯こも。快食快便のアタシはそれだけでストレス。尻の痛さも去ることながら出すものは出したいのっ!

という事で検診時に医者に相談したら、
「じゃ、浣腸!」って軽く言われ、焦るアタシ。
 あの悪夢の貧血地獄は勘弁だわ〜と思いながら、項垂れながら浣腸部屋へ促される。ベッドと便器がある部屋。こえー。拷問部屋に見えてきた。
 クリニックでも若い方でお姉さんタイプの美人さんが浣腸器持ってやってきた。背高いしS嬢かしら。
アタシも喜んでいる余裕なんてないから、全てを任せるしかないのね。
「あのー、この前、貧血になってしまって…」
「ああ、大丈夫ですよ、私上手にやりますから」なんて会話のあと、手際よく管を入れられ、ゆっくりシュコー。
途中で止めて、「はい、出してくださーい!頑張れ!そうそう、あと一息!いきんで、いきんで!」
アタシは必死ですわ。
また少し注入し「はい、もうすこし、あーもう少し出てきてますよ、いいよいいよ、その調子!」
なんだか赤ちゃん産んでるみたいになってきた。こっちはう◯こなんだけどね。
奮闘の末(本当にフン闘だ)、スッキリできた。
 看護師さんはこんなおっさんの排便を一生懸命手伝ってくれて、ホント白衣の天使という意味がよくわかった。因みにキリスト教で天使は神の使いだから、神はやっぱり医者なんだろうな、なんてパンツを履きながら感慨に耽った。

 午後はお風呂に入るくらいで、あとはベッドで療養の日々。本読んだりスマホ見たりの自堕落な生活。
明るいお笑いとか見たいんだけど、笑うと痛いからYouTubeで「街録チャンネル」とか「ゴンザレスの日本3大ドヤ街を行く」なんて暗ーい映像ばかり観てる。
 気晴らしに何か食べようかなんて思わないのも、食べたら出さなければならないでしょ。あの排便の恐怖。もし、痔の人のお見舞い行くなら食べ物はやめた方がいいよ。ただの恐怖だから。

 あの浣腸後、翌日からは下剤や酸化マグネシウムを調合してもらい、自力で排便できるようになったけど、そういう薬を飲んでるからIBS(過敏性腸症候群)みたいに突然便意に襲われる事の心配もあり、早く薬無しでスカッとしたいと思う。

 痔の手術は手術そのものより、その後がきついね。
アタシの場合は内痔だから中々血が止まらないし、排便の際は傷口を擦っていくんだからそりゃ想像つくわな。ヒリヒリ痛い。
 いつになったら退院って言われんのかな?
会社のお盆休みも今日までだからなぁ。明日からベッドでパソコンかぁ。テレビ会議とか言われたらトイレの中からしてやろうかな。

※病気が病気なだけに、ちーとばかり汚くてすいません。でも、今後、皆さまに関係するかもしれないと思いながら書いちょります。

第2話 終了

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