ガーって!
今もエレキギターはたまに弾く。レコーディングが殆どだけど。
そして、アコギに転向したこともあり、一時はエフェクターを殆ど売り払ってしまったのだが、何故か今は昔より多くエフェクターを揃えている事に気づいた。
昔より金はあるからかなぁ。
因みに文中のRATオリジナルは修理して未だに現役だ。
2024年3月
私は大学時代、つまりエレキギター時代ですが、エフェクターの鬼でありました。
ラックを持ち、エフェクターボードを自作し、多いときは10個以上のエフェクターをつなぎ、常に2系統のループを作っておりました。ディレイを2つ合わせてリバーヴで膨らませるなんて得意でしたよ。80年代ということも影響していたかもしれまへんが、今ではとても考えられませんな。スタジオに行くときも台車で機材を運んでいたからね。
だから大学を卒業し、アコースティックギターに持ち替えた時、ギターの生音に面食らったものです。音像がはっきり出ることに慣れていないことと、エレキギターと違ってアコースティックは、しっかりとしたフィンガリングとピッキングがマッチしないとまともな音が出ないんっすよ。
そんな訳で、最初のうちはテンションの低いオベイションのエレアコでコーラスやディレイをかけ、ごまかしながら何とかプレイしていたものです。
そんでもってエレキギターは弾かなくなりましたので、得意のフリーマーケットでエフェクターをバンバン売ってしまいました。ある時、気がつくとあんなにあった歪み系のエフェクター(ディストーションとかオーバードライブ)がRAT 1個になっておりました。エコー系はROLAND・SDE1000というラックタイプがデンとあるだけ。あとはきれいさっぱり無くなっていました。
アコースティックの魅力にようやく気がつき始め、程なくすると、アコースティックギターもエレアコではなく、マーチンに切り替えました。だからエフェクターなんてライブハウスでプリアンプを付ける程度。本当の生音志向になってしまったのであります。大人になった気分・・・ハート。
さて、たまにエレキギターを・・・なんて話があるのですが、無いものをねだってもしょうがないので、アンプに直結!ギターそのもののサウンドを活かしながらプレイするスタイルに変わっていましたです、ハイ。でも、その時はもちろん自分のアンプでないと特性が活かせないので、リハ、本番問わず、いつもアンプ持参でプレイしておりました。重いんだコレが!アンプ担いでリハは疲れるよん。
7月に大学時代のOB会主催のライブをやることになり、久々にエレキギターを弾きます。現在、参加者が50名を超え、多分100人弱の人がライブハウスを埋め尽くすと思われます。みんなイヤイヤ言ってても実はウズウズしていたりして!
前回、私が人前でエレキギターを弾いたのは、2003年9月に自分たちと同世代を集め、40歳を記念して開催したイベント(壊されてしまう大学校舎の最後の思い出として、母校の講堂でやった。あの時も70名くらい集まった)まで遡ります。その時も自分のアンプを持ち込み、ノンエフェクトでアンプを歪ませて音を作りました。
しかし、今回のイベントは、諸事情でアンプ持込が出来ないのです。ライブハウスのアンプを使わなければならない・・・歪み系が無いとベンチャーズみたいなソロになっちゃうので、しょうがなく唯一持っているRATを取り出し、鳴らしてみました・・・鳴らない。ペダルスィッチがガバガバになっている!ガーン。大ショック!オレの名器が!
私のRATは初期型(インジケーター無)で、非常にウォーミーな歪みを出すお気に入りだったからです。だからフリマでも売らなかったのに・・・。
現在、手元にあるエフェクターはアコースティック(エレアコ)中心で考え、最近取り揃えたものばかりなので、コンプやイコライザー、コーラスはありますが、さすがに歪み系はありまへん(アコを歪ませたら遠藤賢司だよ)。
リハは来週に迫っている。カチカチカチカチ・・・(心の時計音)。
早速、近所の楽器屋に自分のエレキギター持参で行ってきました。
エレキ持参でエフェクター買うなんて久々!店の若い兄ちゃんが珍しそうに私のSGを見て言いました。
「ヒスコレですか?」←(ヒスコレってヒストリックコレクションの略で、要はリバイバルモデルみたいなもん)
「ちがうわい!オリジナルじゃ!ボケェ!1965年でオイラと同い年のジジィみたいなギターじゃ!」と心の中で叫んで、「あ、オリジナルっす。」(何、へりくだってんだオレ)
エフェクターって、今、いっぱいあんのね・・・。色とりどり。でも私はあのマルチエフェクトボードっていうのが苦手なので、箱モノのシンプルなやつを探しました。マルチエフェクトってなんかみんな同じ音に聴こえちゃうのよね。
私は、兄ちゃんにこれとこれとこれとこれとこれとこれと指差して全部音を出しました。
BOSS、MAXSON、MXRといった定番から聞いた事も無いメーカーまで・・・。でも、何かが足りないのよ。私が首を横に振るたびに兄ちゃんの顔が引きつってきます。
何台もエフェクターが並び、展示スペースより私の前にある方が多くなった頃、私はふとあの黒い箱を指差しました。そうですRATです。但し、現在のRATはリニューアルしており初代と音が若干違うようです。でも、そんなこと関係なくジャックをIN!
ガーッって、ガーッって、ガーッって、ガーッって、弾き始めました。RAT2というモデルは、オリジナルと比較すると全てにおいてマイルドでありますが、うるさいことはうるさい。
ガンガン弾いてたら他の店員(結構可愛い娘)に音下げろとか言われても無視してました。相手してくれてた兄ちゃんは慌てていました。この店ではきっと彼女のほうが地位は上なのでしょう、フフッ。
私は「これ、ください」
兄ちゃんはパッと明るい笑顔になりました。
やっぱり使い慣れた機材なんだよね。音も納得いくし・・・。
アンプ直の歪みには劣るけど、手っ取り早く歪ませたかったら、RAT2は下品なくらい歪んでくれるから好きであります。
今、こんなにRATのこと言う人ってあんまりいないと思うけど、一応定番エフェクターなんだよ。
7月の本番ではライブハウスのアンプをぶっ壊すくらいガーッてやります。
2007年6月4日
花形