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鱒の未来地図プログラムへ

24/7/21Whole universe 主催
鱒の未来地図プログラムへ参加。
以下感想(本来のプログラムの主旨とズレた事言ってたらすみません)
渓流釣りの経験があまりない私にとって今回のプロジェクトはほとんど未知の領域・分野で、慣れないコミュニティに強い不安しかなかったです。
プログラム内での映画やレクチャーは私に激流のごとく漁協における基礎知識から専門的なものまでインプットさせ、同時に現在まで根強く残っている釣り人の問題から、哲学的な深い問いまで考えさせるよう施されました。
各地域の渓流に棲む多様な在来種を発見し、彼らを守っていくためにはどうしたら良いんだろう。
在来種を守る。という謳い文句は小学生の頃から聞いていて、分かるようでわかっていない漠然とした問題意識だったのが、今回のプログラムのプロセスを経ることによってその問題の専門家たちによる明確な対処法(応急措置にもみえる)がクリアにみえ、同時にみえてくるコスト、人員など様々な課題のシビアさが浮き彫りとなり、私にとっては在来種を保護し続けることがどれほど難しいことなのかという深い理解に繋がった。
多大なコストを支払ってまで純粋な在来種を私たちが守り続けるメリットは一体どこにあるのだろうかという疑問も湧いてくる。どこかで妥協の線引きが必要なんじゃないかと素人ながらに思ってしまう。(実際のところ、分かっていながら妥協しないのがこのプログラムの凄いところなのかもしれない。)
人工的な放流から在来種を守ることで、同時に各地域の多様性が結果的に守られる。
一つ多様化のメリットとして。魚たちが自らのいる環境下において、適した変化や暮らし方を生物が持つようになり、独自の環境が構築されていく。その結果多様な特徴を持った自然環境が生まれる。逆にDNAの違う魚が多スポットに放流されるとDNAの均一化が起こり、放流魚は一般に野生で生き抜く力が弱いため、天然魚(在来種)と放流魚から生まれたここでの野生魚は(=混雑種)その環境にあまり適していない魚となり。生きづらそうに、不健康そうに生息する。ということが起きるそう。
だが捻くれた私の考えでは、目まぐるしく環境が変化している現代(特に地球温暖化など)に在来種が適応しきれず環境にあってない魚も存在するんじゃないかとも思ってしまう。そういう在来種を生き延びらせる方法手段として、その環境に適したDNAを持つ魚の放流をすることで、環境により適した交雑種が生まれるとしたら、放流に対する考えも変わってくるような気がする。ただこれも運動として行おうとすればコストを考えると全く現実的ではないし、それでいくとやはり、在来種を発見し守っていく運動が、その土地に合った(仮にもう適応しきれず淘汰されようとも)魚が暮らすことに説得力があるのだと認識する。

直接的に人間が介入し強く管理しようとする人間の強い欲望によって放流され、人間中心の行為に大きく影響されるイワナたちの運命を見届けるよりかは、これまで”放流“という人間主体に考えられ行為されている現在の問題を科学的根拠を引用しながら批判しつつ、他に間接的、直接的に人間がイワナたち主体に考え、行えるアクションはなんだろうと彼らが生きていける場を考えていくことが大切なんだろうか。。仮に温暖化やなにか地球災害で死のうとも、そのいっさいを見届けようとする意思こそが、イワナの生き様を見届ける。ということなのかなと思ったり。
ただ実際放流の批判を行ったところで、私の知らない、環境保全を行うたくさんの活動家の方たちが各々の利害関係や思想で動いているため、簡単に批判したらうまく解決するわけじゃなく、複雑に絡まった糸のような人間関係があることも留意しなければならない。私の見方も多面に対する1方向の捉え方でしかなく、そして他の考えを知らない分浅い考え方と言っていい。
おそらくこのプログラムは1世代後とかの話ではなく、数世代、数十世代先の未来の人々に対してのバトンであり、私がその全貌を見ることは不可能なような気もする。
そうであるならば、これはイワナの生き様を見届ける行為を通してあらゆる多種多様な種との関係性を見直し、
そしてこれから先もずっと自分自身の信念の生き様を見返し続けることに繋がっていくように思う。

明らかにこのお題、問いに関する応答は、この分野について考えて、日が経ってまだ1日も経っていない私には変な冷や汗とともにドギマギとさせるプログラムの内容だった。
当然↑の内容の文なんて書いてはいるが実際は今回のプログラムの理解と整理のために行っているだけであって、現場での経験が足りない私は机上の空論に変わりない。
ただ、今回湯沢の渓流に初めて行って、あの言葉に言い表せない景色を見た私はもっと現場を見て感じて、考えきれないことを考えて行きたい。そう思ったプログラムでした。

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