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どんなことも「自分のせい」にしてしまう方へ

みなさまこんにちは。

本日もお忙しい中
僕の記事をご覧いただき
誠にありがとうございます。

いちかわによる
自己満コラムのお時間です。

今回も
以前クライアントの方から
いただいた質問にお答えする形で
コラムを進めてまいりますので
少々前回と
内容が似たところがありますが
どうかお時間の許す限り
お付き合いいただけますと幸いです。

それでは早速まいりましょう。




「こんなにも毎日が辛くて苦しいのは全部私が悪いんでしょうか?」


上京したての新入社員です。

仕事が辛すぎて
入社してまだ2ヶ月ですが
すでにもう辞めたいです。

みんな仕事を
山のように抱えているため
ただでさえ
ピリピリした雰囲気なのに
上司が毎日
大声で怒声をあげているような
最悪の環境で仕事をしています。

それだけじゃありません。

そんな仕事のストレスを
発散するかのように
先輩たちによる
陰湿な嫌がらせが
職場で横行しています。

最初は私も
気にしないようにしたり
見てみぬふりをしたりして
やりすごしていたのですが
さすがに最近になって
毎日会社に行くのが
しんどくなってきて

「会社が私のことを自主退職に
追い込もうとしてるんだ」

とか

「この間やらかしたミスのせいで
みんな私のことを
嫌いになってしまったんだ」

なんてネガティブなことも
考えるようになりました。

もう正直毎日辛くて苦しくて
家で泣いてばかりいます。

さすがに
メンタルやばいなと思って
本屋さんに行って
とある心理系の本を買ったら

「あなたは
なにも悪くありません。
問題なのは
あなたの考え方のほうです」

と書かれていて
救いの手であるはずの
心理系の本からも
軽く傷つけられてしまい
とてもやりきれない気持ちに
なってしまいました。

こんなにも
毎日が辛くて苦しいのは
やっぱり全部
私が悪いのでしょうか。

もしそうだとしたら
人生ってなんなんでしょうか。


読者の心境すら考慮されてない不用意な文言なんてガン無視していい


確かに
こちらのクライアント様の
ご質問にもあるように
認知療法や
心理カウンセリング系の本を
読んでおりますと

「悪いのはあなたではありません、
あなたの考え方が問題なのです」

といったような文章を
本当によく目にします。

もちろん本を
上梓されるくらいですから
著者はどこかの大学の
心理学の教授や臨床心理士など
僕なんぞとは
比べ物にならないくらい
遥かに頭の良い先生たちです。

が。

失礼を承知で申し上げますと
上記の文章を読んだ時は僕も

「残念だなぁ…」

という気持ちで
いっぱいになりました。

なぜなら

「あなた」は悪くない。
問題なのは「あなたの考え方」

って言ってるけど
これって結局のところ
「あなたが悪い」
って言ってるのと同じだよね?


第一印象で
そう感じてしまったからです。

そしてもし
辛く苦しい現状を変えようとして
手を伸ばした本に
このようなことが書いてあったら
読者のかたは一体
どんな気持ちになるでしょうか。

きっと
クライアント様のように

「やっぱり全部私が悪いんだ」

と思ってしまうのでは
ないでしょうか。

だから僕はそんな方たちに
声を大にして

「本に書かれてることを
鵜呑みにしないでくださいね」

「自分一人が
悪者になる必要なんて
一切ないですよ」


言いたいと思います。

たとえ今辛くて苦しい思いを
していたとしても
それらの感情は
全て一人の人間の
内なる感情からのみ
自然発生するわけではなく
周囲の人達の背景や言動
その時の環境
状況などが
偶発的に重なり合った結果
生まれるものだからです。

(当たり前のことのように
聞こえるかもしれませんが
強いストレスがかかる状況に
長くいると
人間という生き物は
自分の身を守るためにあえて
「全部自分が悪いんだ」
といったような
ネガティブ思考をすることで
現実からその身を
遠ざけようとするのです)。

繰り返しにはなりますが
このことを踏まえて
改めてもう一度
想像してみてほしいのです。

新しく入社した職場では
上司によるパワハラや
先輩達からのモラハラが
日常茶飯事と化していて
そんな劣悪極まりない環境で
真面目に働いていたら
精神が疲弊してしまった。

そんな中手に取った
心理学やメンタルヘルスに
詳しい先生が書いた本に

「あなたの考え方が問題なんだ」

と書いてあったら。

読者の心境や事情も考慮されない
不用意な発言に
正直僕自身も悲しい気持ちに
なってしまうでしょう。

なのでここからは
(同じ心理系分野に
携わる者としての
罪滅ぼしではないですが)
投稿をしてくださった
クライアント様を全肯定する

「ネガティブでも全然良いんだよ」

「あなたは悪くないんだよ」

といったような
個人的な所見が強めなコラムを
いくつかお話したいと思います。


ネガティブ思考にもメリットがある


こんなことを言うと

「自分の
ネガティブな考え方の癖に
踊らされている
自分が悪いんだから
その著者が言ってることは
間違っていないじゃないか。
揚げ足を取るな」

「自分自身の
ネガティブ思考によって
辛く苦しい現状を
自分で招いてるんだから
それは完全に自業自得。
その本の著者は正しい」

「ていうか
いちかわの捉え方がそもそも
ひねくれてる気がする」

なんて声が
聞こえてきそうです。
(特に最後のなんて
ぐうの音も出ません)。

ですがこれらの意見は

「考え方がネガティブに
偏ってしまうクセ」=「悪」

という方程式が成り立つ前提で
語られています。

確かに
ネガティブな考え方ばかりしていると
気持ちが落ち込んだり
憂鬱になってしまったりと
精神面に悪影響を及ぼします。

しかし
「考え方がネガティブに偏るクセ」
(↑以降「考え方のクセ」と表記します)
には
悪い面もあれば良い面もあるのです。

※「考え方のクセ」については
こちらの記事に⇊
一覧が載っておりますので
よろしければ参考にしてみて下さい。

自分を自分たらしめている根本的な要因とは

たとえば
物事のネガティブな面ばかりを見る

「心のフィルター」

という考え方のクセを持つ人も
見方によっては

「危機察知能力が高い」

「謙虚」

「騙されにくい」

などのメリットがありますし、

なにか身の回りで
良くないことが起きた時に

「全部自分のせいだ」

と自らを責めてしまう

「自己関連付け」

という考え方のクセを持つ人も
見方によっては

「責任感がある」

「反省ができる」

「当事者意識や
成長意欲に繋がりやすい」

などのメリットがあります。

こう見ると

「考え方のクセだろうと
ネガティブ思考だろうと
それらは必ずしも
悪影響ばかりを
及ぼすものではない」

と言えるのではないかと
僕は思うのです。

世の中では

「ネガティブ思考は
自分を苦しめるだけ」

「ポジティブになれば
人生が輝きだす!」

みたいにやたらと
ポジティブばかりが
もてはやされますが
こういった

「ネガティブ思考はダメで
ポジティブ思考は良い」

みたいな
一方向的な考え方こそが
視野を狭めてしまい
最悪それが生きづらさを抱える
原因ともなってしまうので
どちらかと言えば
ネガティブポジティブかかわらず

「物事には必ず
二通り以上の見方がある」

と思っていた方が
気持ちが楽に
なれるのではないかな
と思います。


考え方は「環境」や「状況」次第で左右される


ではここから少し

「物事には必ず
二通り以上の見方がある」

の考え方を
具体的にイメージできるような
お話をしたいと思います。

たとえば
クライアント様からの
投稿にもあったように
上司が常に
怒声をあげていたり
先輩によって
嫌がらせをうけるのが
日常となってしまうと

「どうしていつも
あんなひどいことを
言うんだろう」

「なんでいつもこんな目に
合わなきゃいけないんだろう」


上司や先輩に対しての
怒りや恐れ
悲しみなどの感情が
ぐるぐると渦を巻き
そこで働く
スタッフたちの精神は
間違いなく疲弊していきます。

ですがもし
普段和やかな雰囲気で
優しい上司が今日に限って
怒声をあげていたら
どうでしょう。

いつも丁寧に
サポートしてくれる先輩たちが
今日に限って舌打ちを連発して
言葉遣いも乱暴になったら
どう思うでしょう。

きっと

「なにか
嫌なことでもあったのかな?」

と思うはずです。

もう一つ例をあげてみます。

昨日仕事で盛大にミスをして
先輩からこっぴどく叱られた
という背景があるなかで
翌日の朝出勤したときに
先輩にあいさつをしたら
無視をされてしまった。

この時
あいさつをした人は

「昨日仕事でミスをしたせいで
先輩から嫌われたのかもしれない」

「このまま嫌われ続けたら
仕事がまわらないどころか
職場に自分の居場所が
なくなってしまうかもしれない」

と思うかもしれません。

一方で
昨日仕事でお手柄をあげて
先輩からベッタベタに
褒めてもらったにも関わらず
翌日の朝出勤したときに
先輩にあいさつをしたら
無視をされてしまった。

この時
あいさつをした人は

「あいさつが
聞こえなかったのかな?」

と思い
そこまで気に留めないのでは
ないでしょうか。

以上のように

「上司が怒鳴り散らし
先輩たちが嫌がらせをする」

「あいさつを無視される」

といった出来事自体は同じなのに
前後の背景が違うだけで
その時の環境や状況が一変し
考え方のクセが
どのように発露するのかも
変わってくるのです。

この例は先ほども申し上げた

「感情は全て一人の人間の
内なる感情からのみ
自然発生するわけではなく
周囲の人達の背景や言動
その時の環境
状況などが偶発的に
重なり合った結果
生まれるもの」

を物語っています。

さらに
周囲の人達の背景や言動
その時の環境や状況
の捉え方も柔軟にできれば
気持ちや感情が揺れたり
ざわついたりするような
心身の乱れも
少なくなっていくでしょう。

たとえば
いつも怒鳴っている上司も
クライアント様のことを
咎めているのではなく
ひょっとしたら上層部から
相当なプレッシャーを
日々与えられていて
心に余裕が全くない状態
なのかもしれませんし

いつも嫌がらせをしてくる
諸先輩方にしても
上司以外の人からもうこれ以上
怒鳴られたくない
自尊心を貶められたくない
という心理が働いた結果
後輩への嫌がらせという
攻撃的な態度に
結びついているのかもしれません。

もちろんただの推測ですが
このように考えてみると
上司も先輩たちも

「大変なんだな」

「かわいそうだな」


捉えることができるわけです。

とはいえ
部下に怒鳴り散らすことも
後輩に嫌がらせをすることも
社会に出ている大人として
恥ずべき行為であるということは
言うまでもありません。

ただ僕が今回
クライアント様に言いたいのは

「周囲の人達の背景や
その時の環境、状況によっても
考え方は左右されるものだから
今抱えている苦しみを
全て自分のせいにする必要は
断じてない」

ということです。

まとめ


もちろん
身に降りかかる不幸の全てを
他人や環境のせいにするのは
いかがなものかと思いますが
それでも
今回のクライアント様含め

「今辛くて苦しくて
毎日に生きづらさを
感じてしまうのは
全て自分のせいなんだ」


自分を責めてしまう人には

「今抱えてる気持ちは
様々な要因や可能性が重なって
生まれているものだから
全てを自分のせいにする必要は
ないんですよ」

とお伝えしたいです。

さらに言うと
考え方のクセは
単なるクセに過ぎないので

「自分の考え方のクセが悪い」

などと問題視する必要も
全くありません。

ただ
その時の環境や状況を
客観的に把握して
自分の考え方のクセに
気づくことができれば
そのクセの強さを緩めたり
考え方の軌道修正ができるので
まずは

「自分は
ストレスのかかる状況下で
普段どのような考え方を
しているのだろう」

といった感じで
自己観察してみるのも
おすすめです。

おしまい。


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