見出し画像

【男の娘】『素直になれる場所』




登場人物
凛。。。凛介 九。。。九朗

凛「まだ勉強する?」
九「いや、もう休もうぜ」
:「うん。」
:「ちょうど二年後受験だからな。」
:「うん。」
「お前昔から頭いいからいいやん」
「うーん。」
「まだ決めてない?」
「国立とかかなー。」
「いいやん。」
「うん。」
「勉強どうすればいいかな。」
「うーん。僕もあんまできんけど。」
「うん。」
「数学とかはずっと得意じゃん?」
「うーん。」
「英語とか?」
「うん。むずい。」
「また一文ずつ読むやつやろうよ。」
「うん、ありがとう。」
「それだけやる?短いやつ。」
「あ、たのむ。」
「このwhichは、要はこの後に続いてる文がその説明、みたいな感じ。だからここまでスラッシュで区切っとくとわかりやすいかも。」
「うん。」
「こっちのthatも似てる。」
「スラッシュこれでいい?」
「そうそう。ナイス。」
「このwhatもこんな感じ?」
「そうそう。前に名詞があるかないかみたいな違いだよ。」
「ありがとう。」
「このso thatがいつもわからん。」
「あー、so that ってほかに何個かあるもんね。」
「うん。」
「これは、なになにするため、って覚えればいいかも。何々は後ろのこのところ。」
「あ、ここスラッシュか?」
「そうそう。ナイス。」
「このkneeってなんだっけ」
「ひざだよ。膝ぶつけた的な意味かな」
「あー。どうやったら訳せる?」
「短めのやつとか、シンプルなやつとかやるのとかかな」
「あー、この本とか?」
「うん。」
「ありがとう。」
「うん、またやろ。」
「うん。」
「ちょっと寝ていい?」
「うん。」
「足伸ばして。」
「うん。」
「普通にちょっと目つぶって寝ていい?」
「うん。俺も横なる。なるべく寝返らないからそのまま頭乗せといていいよ。」
「うん。」
「なんかいる?」
「なんも。」
「うん。」
「脚つかんでいい?」
「うん。寒くない?俺は別にだけど。」
「僕もあんま。」
「あんま?」
「うーん。」
「毛布投げるわ」
「ごめん。ありがとう。」
「うん。」
「今何時かな」
「3時。学校明日昼までよな?」
「うん。」
「六時とかに帰る?」
「うん。」
「わかった。親いないからあんま気にしなくていいよ」
「僕何時までいていい?」
「別何時まででもいいけど。」
「うん。」
「あんま遅くじゃなければ」
「うん。」
「俺も毛布分けていい?」
「うん。一緒に使おうよ。」
「うん。」
「僕が上行くよ。」
「うん。真ん中によろうぜ。」
「うん。。受験めんどいね。」
「マジでそうだよな。」
「寒くなってきた。ちょっと寄っていい?」
「うん。」
「また勉強しようよ。」
「うん。」
「あでも。」
「うん。」
「まだ三年じゃないから、みんなと遊びたかったら全然。」
「うーん。」
「うん。ごめん、やっぱ寒いかも。」
「うん。もっと毛布いる?」
「脚みたいに腕つかんでいい?」
「うん。」
「はぁー。」
「んー」
「ちょっと寝ていい?」
「うん。さすがにとりあえず六時にはアラームつけとくぞ。」
「うん。ごめん。」
「いや。」
「明日一緒に学校行く?」
「うーん。」
「いや、僕は別にどっちでも全然いいよ」
「うん。起きれるかわかんねーから勝手に行ってていいよ。」
「うん。ごめん、寝がえり打っていいよ」
「うん、もう寒くない?」
「うん。」
「もうちょっと横になったらもうちょっと勉強してたぶん帰るね。」
「うん。」
「お前やっぱ部活入らないの?」
「うん。」
「ふーん。」
「九朗ずっと空手部?」
「うーん。」
「小学校からずっと空手でしょ?」
「うん、そうだよ。でも続けるかってなると。」
「あ、ごめん、そういうことか。」
「うん。」
「そうなんだ。」
「うん。勉強とかな。」
「うん。」
「お前ずっと部活とか入ってないよな」
「うん。」
「まあ勉強教えてくれる時間になるから俺にはありがたいけどな。」
「うん。」
「勉強再開する?」
「うん。あと一ページ終わったら帰るよ。」
「わかった。今日もありがとな。」
「うん、全然。」
「明日体育あるよな。」
「うん。持久走かな。」
「うん。ちょっと準備してくるわ。」
「うん。」
「あ、明日やっぱ一緒に学校いけねえわ。」
「うん、もう当分行けてないし、全然いいよ。」
「うん。」
「そろそろ行くね。ありがとう。バイバイ。」
「あ、おっけー。またな。」
「うん!また勉強しよ。」

凛「はぁ。」
九「トイレ行こうぜ」
凛「うん」
:「お前相変わらず体小せえな。」
:「うーん。この前銭湯でまた女子と間違えられたしね。」
:「いまだに?」
「うん。」
「むしろ顔は女子っぽくなってるしな。」
「うん、みんなにめっちゃいじられるしね」
「かわいいとかな。まあネタみたいになってるしそれもいいんじゃね。」
「うーん。」
「はずい?」
「そりゃ。うーん。」
「あんまいや?」
「いや、全然。むしろマジでネタみたいでいいかな。」
「ぶっちゃけその感じだと女子受けもいい?相変わらず。」
「え?」
「いやさ、これ言っていいかわからんけど、中学の時くらいからはネタみたくだけじゃなくて、なんかこー、、、いい感じの方向で触れられるようになったじゃん。そういう顔むしろ好きそうな女子もいそうじゃん。」
「まあまあまあ。」
「いやいや、ガチの方でなんだけど、、、」
「えー、いや全然だよ。」
「いや、でも女子とよく遊んでね、学校でも」
「んー、いや、」
「うん。」
「いやだから全然だって。」
「あ、いや、すまん。」
「いや、別に怒ってるつもりじゃなかった」
「いや、容姿の事踏み込みすぎるのくそだったわ。」
「いやいや、そういうつもりじゃなかった。ほんとに。ごめんごめん。でもほんとに女子が遊んでくれるの多いよ。断りづらいってのもあるけど、うーん。。」
「え?」
「んー、男なのに女子とばっか遊ぶの、こー、周りの目とかもさー、あと、あとから男子と話したりする時も、いやー、なんかこれも上から目線できもいか。。」
「あー。。」
「早く着替えよ、とりあえず。」
「うん。」

凛「空手続けるの?」
九「うーん。。」
凛「勉強はまだ大丈夫だと思うし、続けてもいいんじゃない?勉強するなら      
 全然僕はいいけど。」
:「うん。」
:「あいや、でもやっぱ、全然続けていいと思う。あ、よく遊んでる他クラスの人よね」
「うん。あ、あー、いや、、今日はわるい、勉強するから遊べねーわ。ごめん、じゃあな。」
「え?」
「ごめん、空けとくから今日も一緒に勉強してくんね?」
「え、うん、いいよ。」
「うん、急だけどごめん。」
「いや、全然。」
「あ、あーいや、凛介と一緒に勉強したいんだよね。わり、ずっと教えてもらっててさ。わりーな。」
「え」
「いやー、勉強はかどるんだよな。」
「え」
「うん。」
「え、それってさ、僕が勉強おしえるのがうまいのがってこと?」
「うーん、ずっと一緒にいるし、一番落ち着くかな。」
「え     」
「ん?」
「いや」
「今日どこで勉強する?」
「あ、今日も九朗の家でいい?ごめん」
「いや、全然いいよ。親来週までいないから。マジお前と勉強すんの好きだからゆっくり勉強しようぜ。」
「え、そうなの?」
「うん。」
「え、いや、僕と勉強するのそんなにいいの?」
「え、あー、うん。」
「あー、いや、ごめん、そろそろ帰ろ。てかトイレ行ってくる。」
「うん。」

凛「今日帰って準備終わったらすぐ行っていい?」
九「うん。」
凛「ほんとにみんなと勉強しなくてよかったの?後から気まずくなんない?」
:「いや大丈夫だろ。みんなそんなん気にせんだろ全然」
:「そうかなー。」
:「あー、」
 「ん?」
 「いや、今日やっぱ悪かったな、女ーみたいなこと。」
 「え、あー、いやだから全然大丈夫だよ!マジで気にしてないから。」
 「えーと、まーただこー、もうちょっと気にしないのも、どうかなって、いろいろ。」
 「なにが?」
 「なんかさ、男子とのこと気ぃつかったり、女子とうまくやり過ごそうとしたり、いや全然いいと思うんだけどさ、あんま引きずりすぎたりするといいことないかもっていうか。俺と勉強するのも、空手の事とか、気にかけてくれんのとか、本当ありがたいし、なんつーかうれしかったよ。」
「うん。」
「まーでも、こー、容姿の事とかもそうなんだけどさ、気を使う必要がないこととか、逆に気を使った方が楽なこともあるだろうけど、、、自分に正直になった方が楽かもなって思ったんだよ。」
「うん。」
「まー、あんま真剣に受け止めなくていいんだけど、なんつーかそういうな」
「うん、ありがとう。。。」
「うん。」
「僕そんな気使ってる感にじみでてた?まじかー、」
「あー、いや、また余計な引きずりさせちゃった?すまん、さっきも言ったけど、そんな真剣に受け止めないでくれ」
「あー、ごめん。こういうとこなんかなー。」
「あっいや、いまのもまあ。。」
「はあ。」
「ごめんな」
「いやいや、もういいよ、ごめん、ありがとう。むずかしいなー。」
「いやでもさ、お前と進路のこと話してていまのこと思ったってのもあるんだよ。」
「どゆこと?」
「いやさ、空手も勉強も、ほかの男子かお前か一緒にいる人も好きな方を選べって言ってくれたやん、お前」
「あ、うん。」
「これまでさんざん勉強とか教えてくれて、気も使ってくれてたお前が言ってくれたから、それで色々決める気になって。」
「え、いや、そんなに僕の言うこと真剣に受け止めんのもあれじゃない?」
「うーん、真剣に聞くとか、信頼できるかとかじゃなくて、すっと心に入ってきた感じだったなあ。」
「そうなんだ。。」
「いやまあそれで、この進路考える時期に、お前と話す中でそう思って、そのおまえ自身が引きずりがちとか、気使いがちかなって思ってたから、ちょっとまあ、言ってみたっつーかな。。」
「うん。いや、ありがとう。でも正直、むずかしいなあ。。」
「いきなりどうこうはできないよな。」
「うん。気にしちゃうから。。」
「でもまあ、うーん、なんつーか、いきなり全部はむずいけど、いきなりでも少しずつでいいから、素直になれる場所をつくるとか?」
「あー、うん。。」
「どこでもいいけどさ。」
「うん。。。。。。うん-、あー、うん。。んー。。。。。」
「ん、むずい?」
「ん、ん--。。。。」
「あー、、まあでも、自分でいうのもなんだけどさ、俺とかはそうなんじゃない?」
「え、え、え?」
「え、いやー、まあ、多分一緒にいる時間めっちゃ長い方じゃん。で、思えば一緒に寝たりもするやん。だから俺といるときとかはとりあえず、前からではあるけど、いい機会なんじゃない?そん時くらいは素直になっとけば?」
「。。うん。。。。。。。」
「あ、いや、今のも全部俺の一方的だから、すまんすまん。」
「あ、いや、そんなことない!そんなことない!」
「え?」
「あ、いや、あの、とりあえずいったん後で。」
「うん。」

九「今日はもうこんなもんか。」
凛「うん。」
九「どうする、もう七時回るし、さすがに帰った方がいいか?」
:「うーん。」
:「ちょっと横になるか。」
:「うん。」
「まあ月曜まで親いねーし、のんびりでもいいよ。」
「脚つかんでいい?」
「うん。かけ布団いる?」
「うん。」
「ほい。」
「ありがとう。あのさ、」
「うん。」
「今日泊まっていい?」
「え?」
「」
「着替えとかあるの?」
「。。うん。。」
「あ、じゃあ全然いいよ。俺のだとサイズ合わんしな。」
「え、え、うん。。あ、あ、いや、ありがとうマジで。」
「うん。じゃあもうちょっと横になってから飯用意しようぜ。」
「うん。。」
「うん。」
「あのさ、」
「うん。」
「あのさ、」
「うん。」
「進路の話とか今日とかもしたじゃん、帰り。」
「うん。」
「なんかさ、進学とかだけじゃなくて、就職とか結婚とかもいろいろ考えなくちゃダメじゃん。」
「うん。」
「うーん、まあその、」
「うん。」
「僕さ、あのさ、あのー、」
「うん。」
「男なんだけどっていうか、今言うことじゃないかもしれないけどさ、みたいな、うーん、、」
「んー?」
「」
「どうした?ほら、素直になりたまえよ?泊めてやるから、言いたいことを言いたいように白状したまえ?」
「」
「」
「あー、いや、じゃあ、なんでもない、」
「うん。」
「」
「やべ、ちょっと寝よっかな」
「うん、あのさ、ちょっと体くっついてもいい?」
「うん。」
「胴つかんでいい?」
「胴?」
「うん」
「あん、いいよ。」
「」
「寒い?」
「いや、普通に体押し当ててるだけ」
「うん。あ、さすがにアラームつけとくか?」
「うーん、おなかすいてる?」
「いや、別に」
「とりあえず、しばらく横なっとくか。」
「最後はわかんないけど、ゆっくりでいいんだよ。」
「なにが?」
「いや、泊めてくれてありがとう。ちょっとねよ。」
「うん、そうだな」




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?