バイクの練習をするということ

1980年代ほどではありませんが、ちょっとしたバイクブームでバイクの売れ行きが良かったり、YouTubeでMotoVlogを始める人が増えているそうです。素直に喜びたいと思います。しかし、動画を見ている限り大半の方は初心者走行です。そういう私も技術的には初心者です。

そもそも、レーサー・ライター・テストライダーなど、バイクを職業とする人はだいたいプロまたはそれに近い腕前をお持ちの方ばかりですが、経歴をよくよく見ると、幼い頃からミニバイクレースをやっていたり、専用コースでオフ車に乗っていたり、それなりの経験がある方が多いと思います。

これが意味するところは、好きなだけ練習ができ、クローズドコースで失敗が許され、いくらでも失敗しながら学ぶことができるアドバンテージです。人は失敗から学んで成長していくものなので、失敗が許されるフィールドで思い切り練習できる人は恵まれていると言えます。

対して一般の人の場合、早くても高校生以上の学生時代に免許を取り、一つ間違えば命の危険もある公道でしか練習できない人がほとんどです。まともな練習などできようはずもありません。バイクのコントロール技術の練習は正直ライディングスクールや警察署主催の二輪車交通安全教室に頼るしかないのが実情です。技量に不安のある方はこれらを探してみてください。

では、失敗が許されない公道を使って、コントロール技術以外に自身の安全を高めるための練習はできないか?と言うと、できます。それは危険予測の訓練です。やり方は第一に自習の座学、第二に路上に出て実際に危険予測の訓練を行うことです。

第一の座学についてはYouTubeなどで「国内の・二輪の・事故動画」を探してとにかく件数を見てください。できれば、作者の煽り字幕や煽りトークが少ない動画であるほど理想です。白バイの取り締まりポイントの動画も参考になるはずです。

ポイントは
・こういう場所ではこういう事故が起きる
・事故を回避するにはどうしたらよいか
という事例集のような情報を、できるだけたくさん自分の脳に叩き込んでおくことです。そうすれば、状況を見た瞬間に「あの動画だとこうだった」というように、道路を見ただけで連想が働くようになります。

第二の危険予測の訓練は、実際にバイクで出かけた時に、動画で見た事故を思い出して危険予測の訓練をすることです。走っている道路の状況から判断して、この道路はあの動画に似ている、という連想が働くようになれば発生しうる危険も予測ができるようになってきます。しかも失敗できない公道で可能な限り失敗しないように走る訓練ですから、非常に安全です。

バイクに乗る方におかれましては、ぜひとも事故動画による学習と、公道上での危険予測訓練をおすすめします。慣れてくると楽しいですよ。

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