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時の流れと悲しみの変化

自分にとって大切な人を亡くした後に出てくる身体的や精神的な反応をグリーフ(悲嘆)といいます。

私もそうでしたが、死別直後は「いったいいつまでこの悲しみは続くのか」と終わりの見えない漠然とした悲しみに襲われます。

大切な人をうしなった悲しみは、残念ながら一生消えることはありません。
ただ悲しみの性質が時の流れとともに、少しずつ変化していきます。

直後の悲しみはただただ苦痛なものです。大切な人が目の前にいないという寂しさや悲しさ、もう一度連れ戻したいという想いでいっぱいになります。なぜなら死を受け入れることが難しいからです。

グリーフワークを通じて「死の受容」が一番難しいように思います。また悲しむということで亡き人と繋がっている感覚になることもあります。

それが時間の経過とともに、ゆっくり変化していきます。

悲しみを抱えながらも亡き人を大切に想い、一緒に過ごせない現実に少しずつ日常生活に対応していきます。

今は仕事にも行けない、買い物もままならない、と思われいる方も焦る必要はありません。最初は確かに「仕事に行かねば」という「◯◯しなければならない」という思いからかもしれませんが、徐々に日常生活に馴染んでいけるようになります。

それは決して悲しみがなくなった、ということではなく、自分の中で大切なものとして刻み込まれるからです。

そうやってゆっくり自分の悲しみと向き合っていく中で、ただ亡くなった人を連れ戻したいといった感情から、その人の笑顔や優しかったこと、幸せそうにしていたことを自分のこころの中にとどめていけるようになります。

自分の悲しみをゆっくり丁寧に向き合うことで、亡き人と過ごした思い出などが入り混じって少しずつ愛おしく思えてきます。

何度もいいますが、悲しみは決して消えることはありません。けれど悲しみの中にあたたかい気持ちや愛おしい想いを感じることができるようになっていきます。

「もうだめだ・・・」「私は一生この悲しみから抜け出せない(抜けたくない)」など辛い状況の方、ぜひお問い合わせください。


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