見出し画像


⭐️⭐️⭐️⭐️

「ロッキード事件」に関する私の経験は、高校生時代にさかのぼります。当時、流行語である「ピーナッツ」や「記憶にございません」といった言葉に流され、真偽を冷静に考えることはありませんでした。国会の証人喚問の映像では、一流企業の社長や役員が異様な光景を演じる中、私は半ば見世物感覚で見ていました。

田中角栄を冤罪とする主張は、かれこれ10年以上前から複数の書籍で見聞きしていました。しかし、これらの書籍は田中氏に近しい人々が主張しているものであり、ある種の偏見があったかもしれません。しかし、今回の書籍は異なります。証言や記事、裁判記録などを正確に引用し、隠された真実を推測することなく、真実の姿を明らかにしています。この点で、ハゲタカシリーズの作者である著者の手腕が光ります。
この本は、ノンフィクション作家として知られる真山仁氏が初めて手がけたロッキード事件の検証本です。事件から40年以上が経った今、関係者の新証言や膨大な資料をもとに、田中角栄元総理が本当に有罪だったのか、事件の真相や背景に迫ります。日米関係や政治と検察の関係、世論の動向など、日本の現代史を象徴する事件の全貌が明らかになります。

ロッキード

第一部

第一章 アメリカから飛んで来た疑獄

- 1976年2月、アメリカの航空機メーカー、ロッキード社が、日本の航空会社にL-1011トライスター旅客機を売り込むために、田中角栄元総理に5億円の賄賂を渡したと告白した。
- これがロッキード事件の発端である。事件は日米両国の政治や経済に大きな影響を及ぼし、日本では田中元総理の逮捕や裁判、自民党の分裂など、政界の大混乱を引き起こした。
- しかし、ロッキード社の告白には矛盾や不明点が多く、田中元総理が本当に賄賂を受け取ったのか、どのように受け取ったのか、なぜ受け取ったのか、などは不明である。
- この章では、事件の発端となったロッキード社の告白の経緯や内容、日本政府や検察の対応、田中元総理の反応などを詳しく紹介する。

感想

- 事件の発端となったロッキード社の告白について、詳細に知ることができた。
- ロッキード社の告白は、アメリカの政治的な思惑や経済的な危機によって行われたものであり、真実性に疑問が残る。
- 田中元総理は、ロッキード社の告白に対して、否定も肯定もしなかった。彼は何を考えていたのだろうか。
- 日本政府や検察は、アメリカからの圧力に屈して、田中元総理を追及する姿勢を見せた。しかし、証拠や証言は不十分であった。
- 事件の発端から、日米関係や政治と検察の関係、世論の動向など、事件の背景にある様々な要素が見えてきた。

第二章 政治の天才の誕生

- 田中角栄は、新潟県の貧しい農家に生まれ、中学卒業後に上京して建設業を営んだ。その後、政治の世界に入り、自民党の重鎮となった。
- 田中は、政治の天才と呼ばれるほどの手腕を発揮し、地方や農村の支持を集め、政治資金を稼ぎ、派閥を築き、政権を握った。
- しかし、田中は、自分の出自や経歴にコンプレックスを抱き、既得権益に挑戦する姿勢を見せた。そのため、官僚やメディア、自民党内の反対勢力など、多くの敵を作った。
- この章では、田中の生い立ちや政治家としての経歴、政策や思想、人間関係などを詳しく紹介する。

感想

- 田中の人生や政治家としての活躍について、詳細に知ることができた。
- 田中は、貧しい農家の出身でありながら、自らの努力と才能で政治の頂点に上り詰めた。その姿には感動や尊敬の念を抱く。
- 田中は、日本の経済発展や国際貢献に貢献した政策を打ち出した。その中でも、沖縄返還や日中国交正常化などは、歴史的な業績である。
- 田中は、自分の信念に基づいて政治を行った。そのため、既存の権力や利権に挑戦し、多くの敵を作った。その敵は、後に彼を失脚させることになる。

この本は、ノンフィクション作家として知られる真山仁氏が初めて手がけたロッキード事件の検証本です。事件から40年以上が経った今、関係者の新証言や膨大な資料をもとに、田中角栄元総理が本当に有罪だったのか、事件の真相や背景に迫ります。日米関係や政治と検察の関係、世論の動向など、日本の現代史を象徴する事件の全貌が明らかになります。

第三部

第三章 金権政治家の烙印

- 田中は、自民党の総裁となり、1972年に第64代総理大臣に就任した。しかし、その政治資金の源泉は、建設業界や土地開発業界からの多額の献金に依存していた。
- 田中は、日本列島改造論という壮大な国土開発計画を掲げた。しかし、その計画は、田中の出身地である新潟県やその周辺地域に多くの予算を配分するものであり、利権や癒着の温床となった。
- 田中は、自民党内の反対勢力やメディアの批判に対して、強引に政策を押し通そうとした。しかし、その姿勢は、国民の反感を買い、田中の支持率は急落した。
- この章では、田中の政治資金や政策、政治手法などを詳しく紹介する。

感想

- 田中の政治資金や政策について、詳細に知ることができた。
- 田中は、日本の経済発展や国際貢献に貢献した政策を打ち出した一方で、自分の出身地や支持基盤に有利な政策も行った。そのため、金権政治家という烙印を押された。
- 田中は、自民党内の反対勢力やメディアの批判に対して、強引に政策を押し通そうとした。その姿勢は、彼の政治的な才能やカリスマ性を示すものであったが、同時に彼の孤立を招くものであった。

第四章 トライスター請託の不可解

- ロッキード事件の発端となったのは、ロッキード社が日本の航空会社にL-1011トライスター旅客機を売り込むために、田中元総理に5億円の賄賂を渡したという告白であった。
- しかし、この告白には矛盾や不明点が多い。例えば、ロッキード社はなぜ田中元総理に賄賂を渡したのか、田中元総理はなぜ賄賂を受け取ったのか、賄賂の受け渡しはいつどこでどのように行われたのか、などである。
- この章では、ロッキード社の告白の経緯や内容、日本政府や検察の対応、田中元総理の反応などを詳しく紹介する。

感想

- ロッキード社の告白について、詳細に知ることができた。
- ロッキード社の告白は、アメリカの政治的な思惑や経済的な危機によって行われたものであり、真実性に疑問が残る。
- 田中元総理は、ロッキード社の告白に対して、否定も肯定もしなかった。彼は何を考えていたのだろうか。
- 日本政府や検察は、アメリカからの圧力に屈して、田中元総理を追及する姿勢を見せた。しかし、証拠や証言は不十分であった。

第五章 五億円とは何だったのか

- ロッキード事件の核心となるのは、田中元総理がロッキード社から5億円の賄賂を受け取ったという疑惑である。しかし、この疑惑には多くの謎がある。
- 例えば、5億円という金額はどこから出てきたのか、5億円はどのように日本に持ち込まれたのか、5億円はどのように田中元総理に渡されたのか、5億円はどのように田中元総理の口座に入ったのか、などである。
- この章では、5億円の賄賂の受け渡しに関する検察や裁判所の主張と反論、関係者の証言や証拠、田中元総理の弁明などを詳しく紹介する。

感想

- 5億円の賄賂の受け渡しについて、詳細に知ることができた。
- 5億円の賄賂の受け渡しには、検察や裁判所の主張と反論、関係者の証言や証拠、田中元総理の弁明などが入り乱れており、真相は不明である。
- 5億円の賄賂の受け渡しには、ロッキード社の内部事情や日米関係、政治と検察の関係、世論の動向など、事件の背景にある様々な要素が影響している。

第六章 裁判所の不実

- 田中元総理は、1976年7月に逮捕され、1979年10月に一審で有罪判決を受けた。しかし、その判決は、検察の主張をそのまま受け入れたものであり、田中元総理の無罪を主張する証拠や証言を無視したものであった。
- 田中元総理は、二審で無罪判決を得ることを期待したが、1983年5月に二審でも有罪判決を受けた。しかし、その判決も、一審の判決をほぼそのまま踏襲したものであり、田中元総理の弁護人の主張を退けたものであった。
- 田中元総理は、最高裁での上告を続けたが、1993年12月に死去した。その後、2001年9月に最高裁で有罪判決が確定した。しかし、その判決も、一審・二審の判決を支持したものであり、田中元総理の無罪を主張する証拠や証言を排除したものであった。

みなさまからいただく「スキ」❤️がものすごく嬉しいので、記事を読んで「へー」と思ったらぜひポチっとしていただけると飛び上がって喜びます🙇


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?