同じ月を見ていました【詩】
山際から、ぷかりと浮かんだばかりの月が
とても大きくて綺麗だった
銀杏と同じ色
兎が餅つきをしていた
その月へと真っ直ぐに延びる坂道を
まるで追いかけるみたいに車を走らせた
ふと、横目で見たカーナビに映るTV
そのお天気カメラの映像にも
同じ月が映っていた
ここより少し遠い
大きな街に浮かぶ月だった
その街に住む知らない人達も
同じ月を見ているのか
ここに住むあなたも
同じ月をみていたのだろうか
それは、なんとも不思議な気持ちだ
住んでいる場所も名前すら知らないのに
あなたの