キタダmusic room 4 ざらざらと、ひりひりと、長回しで・・・。 「くちばしにチェリー」EGO-WRAPPIN'

20年くらい前になると思うが、「私立探偵　濱マイク」というドラマがあった。
ちがう監督が毎回競作するかのように撮り、しかも全エピソード16ｍｍで撮影。
スタイリッシュで、しかもざらざらした「濃ゆい」映像が、いつも映画を観ているようだった。
そのテーマソングがこれ。

https://youtu.be/w_Coel1VIvI

脳髄にこびりつくようなアップビート。
スカとジャズ。
スカの発祥（発症）については、Wikipediaによれば
「感度の悪いラジオで、ニューオーリンズなどアメリカ南部の都市のラジオ放送局からのジャズの2・4拍目が強調されて聞こえたため、誤ってコピーされたという説もある。」
だそうで、このドラマの世界観になんて似つかわしいんだ! と感動してしまう。笑
さらに・・・ボーカルの中納良恵の音楽的ルーツには昭和歌謡もあるなんて聞くと、
ますますうれしくなってしまう。
 
「濱マイク」のエピソードの中でこれも記憶の襞にこびりつくほど好き？なのは、
若き浅野忠信が殺し屋役でゲスト出演している「１分間700円」（竹内スグル監督）。
インパクトとスタイリッシュさが同居した素晴らしいシーンがいくつか。
とくにわたしの好きなのは、
証明写真BOXから飛び出してきた浅野氏が、叫びながら走り去るラストシーン。
１分後、カタッ。と落ちる写真。
そこに写っているものは・・・
長回しのスローモーション。絡みつくけだるいJAZZ。
名場面です。
ぜひ一度ご覧あれ。
 
さて。この歌。
どのフレーズもたまらないのだけど、
 
　　不純蹴散らしてこ　後光射す明日へ着地
 
この個所などは、ぜんぜん日本語に聞こえないのがいい。
この20年間、英語で
 
　　Would you なんとかかんとか♪
 
って言ってるんだとばっかり思ってた。
歌詞を知らないほうがよかった～笑
 
歌詞を読むとちょっと椎名林檎っぽくもありますが、
わたしは中納さんの声と、このユニットの黒っぽい音楽性に引っ張られます。
 
「老いぼれ犬の口笛(セレナーデ)」も、よいです。

雨の日に聴きたい歌。