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キタダヒロヒコ詩歌集 24
午後の街からはぐれつつ
陽あたりの好いかくれ家へ
他人のやうな詩神をつれて。
詩神はたれにもみえませぬ
いや ともすれば
詩神はだれとも会ひません
だれとも詩神は会はぬまま
朝鮮辺の茶の香をかいで
わたしを離れてゐたりする。
わたしの視線は窓に泳いで
離れていつたと思ふとき
いつものことだが焦つてしまふ
またともすれば大人げもなく
さらりと流せず 居てもゐられず
冬の街とかを歌つてしまふ
朝鮮の茶の店のこととか
詩神はいつも他人のやうです
わたしに降りてたときもです
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