悪魔とは? 物理にも出てきます。

悪魔といえば、悪いことをするときやかっく仕事をするときに心中で自分にささやく内的心理の存在や、自分の悪いことばかりを行ってくる悪魔のような存在をいうことです。

しかし、物理に出てくる、とくに熱力学、統計力学で出てくる悪魔は、
「マクスウェルの悪魔」といいます。
熱力学には第0法則から第3法則まで存在します。この中で、第2法則に関係する悪魔です。

第0法則はA、B、Cという物体があったとき、A、Bが熱平衡状態にあり、B、Cも熱平衡状態にあれば、A、Cも熱平衡状態にあるといえるというもの。要するに、熱平衡状態とは、温度が平均的に見て変わらない一定の状態のことを言い、AとBが同じ温度で、BとCが同じ温度ならAとCも同じ温度だよというもの。

第1法則はエネルギーが保存するというもの。つまり、与えた熱エネルギーは仕事量(運動)と温度変化(内部エネルギー)になるというものです。

第3法則は、絶対零度で系のエントロピーがゼロになるというもの。

第2法則はエントロピー増大則です。
エントロピーとは乱雑さ、無秩序さの指標です。すなわち、第2法則は系全体は時間進行に対し、必ずエントロピーが増えるというものです。常に無秩序な方向に向かう性質があります。
ただし、反論があります。人間は負のエントロピーを食べているようなものでは?という風にです。つまり、シュレディンガーが言ったように生物はエントロピーが減少する方向に成長します。
しかし、人間は死にます。そうするとまた、エントロピーが増大する方向に物事は進みます。つまり、長期的スパンでいればエントロピーは増大するので、観察の範囲の拡大という視点でこの問題は解決します。

ここで、マクスウェルの悪魔の話をしましょう。
温度が一緒の部屋があり、筒を通じてつながっています。温度とは、部屋の中の微粒子の速度の粒子平均の結果として存在するものです。したがって、微粒子の姿を追うことができる「悪魔」がいたとしましょう。気持ち悪いことに、早い速度の粒子が隣の部屋に入るたびだけに筒にものを詰めて片方の部屋だけ速度が速い微粒子だらけの部屋とすると、無秩序さが下がります。これが自然では起こりえないことです。
つまり、仮想的に「悪魔」がいたなら、エントロピー増大則にあらがえるというのです。

どうでしょうか。とても、興味深い話だと思います。気になった方は統計力学を一度勉強してみては?

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