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演じる(芸者論と背後霊)

 ドラマのラストマンの大泉洋さんは、触れることができない光の剣です。大河ドラマのどうする家康の松山ケンイチさんはひねくれものの猿楽師です。上記2例は大泉さんと松山さんの背後霊的なメタファーです。
 人は演じるとき、精神的な、ある種もやがかった形を自分の中に思い宿します。これを私は、背後霊と呼んでいます。もっと日常的な表現を好むなら精神でしょう。大泉さんと松山さんはそれぞれの背後霊を宿した状態で身振りを交えたり、動作したりします。これを演技と呼びます。
 ここで、背後霊は霊ですので生きています。ゆえに演じる側の大泉さんや松山さんには背後霊の生きざま、つまり、かなしいことや怒り、喜び、うれしいこと、驚いたことなどが、体の動きという表現を通じて演技に出るわけです。

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