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八街市議選レポート2023年8月【北陸の選挙ウォッチャー】

8月20日告示、8月27日投開票で千葉県八街市議選が行われました。この選挙には元EE JUMPの後藤祐樹さんが立候補するということで、地方選挙にもかかわらず日本中の注目を浴びました。
お姉さんの後藤真希さんが応援に来るのか?来ないのか?とても気になります。
しかし僕は今回は選挙ウォッチャーとしてではなく、選挙ボランティアとしてこの選挙を実際に経験して、いろいろと見えてきたことがあります。
この経験をレポートにまとめたいと思います。

実は当初はこの選挙をボランティアではなく、いろいろな候補を見て回ってレポートを書くつもりでした。
今回注目の後藤祐樹さんは市議の木村ゆきこさんに誘われる形で今回立候補することになったそうです。そしてその木村ゆきこさんは桜田ひでおさんがスカウトしてきたと言われていて、今回の選挙も3人は行動を共にしており、選挙後の議会での動向が気になります。
後藤祐樹さんは市会議員になって何をしたいのか?議会の遅刻常習者として知られる木村ゆきこさんは一体どんな議員なのか?そして彼らを束ねる桜田ひでおさんは一体何を考えているのか?などなど、調べたいことがたくさんありました。
しかしちだいさんのキャスで、今回の市議選に立候補している若泉さとしさんは「当落線上」「選挙運動をする人が足りていない」・・・などの言葉を聞き、これはマズイと思い、若泉さんにメールを入れてボランティアとして選挙をたたかうことになりました。
僕が調べたいと思っていた後藤祐樹さんたちの話題や選挙全体のレポートは選挙ウォッチャーちだいさんがレポートを出されているのでそちらを読んでください。

僕がボランティアで入ったのは投票日2日前の8月25日金曜日です。とても楽しみにして金沢から新幹線に乗って東京まで行き、そこから電車に乗り継いでホテルのある西葛西に向かう途中にちょっとした事件が起こりました。なんとノートパソコンとカメラを入れたリュックを電車の中に置き忘れてしまったのです。。。
忘れ物センターや交番などに行きましたが、結局見つからず、パソコンがないのでレポートも作れず、カメラがないので写真もあまり撮ることができずと散々な目に遭いました。
そういうことでこのレポートは写真は少ないです。スマホは基本的に配信に使っていたので、写真は何枚か撮っただけでした。すみません。

若泉さんの選挙公報


僕は選挙前から今回の市議選の候補者の若泉さとしさんとSNSで交流がありました。
若泉さんは日本共産党から立候補している52歳のおじさんです。
2022年の欠員2の市議補選に立候補して候補者3人中3位で落選しています。
僕はそのような事も全く知らず若泉さんをいつの間にかTwitterでフォローしており、日々のツイートを楽しく拝見しておりました。
若泉さとしさんは毎日頻繁にTwitterで日々の出来事、食事、政治ネタ・・をTwitterに投稿しています。若泉さんの政治的発信以外にもちょっとした愚痴だったり、お涙話(本人が涙した話です)だったり、それらのツイートから人柄がすごく伝わってきました。
投稿を見たフォロワーの返信にもこまめに反応し、知らないうちに友達感覚で僕もやり取りするようになりました。
時には若泉さんのインリンオブジョイトイ様のM字開脚のような形に禿げ始めた髪型をいじったり、日々の街頭での活動をねぎらったりなど、そんな感じです。

若泉さんのツイート

若泉さんは当然ながら僕だけにそんな反応をするわけではなく、他の多くの支持者や地方議員、SNSの通りすがりの人ともコミュニケーションを取られていました。そういうマメなことをコツコツ積み重ねてきたこともあり、若泉さんには地方議員の候補者としては珍しいほど多くのファンができたと思います。

定数20に対して24人が立候補

若泉さとしさんの空中戦(SNS戦略)

若泉さとしさんの選挙ポスター

若泉さとしさんの空中戦は今回の市議選では他の候補を圧倒する素晴らしいものだったと思います。
地方選挙ではSNSはそれほど武器にはなりにくいのですが、今回の選挙ではこれを中途半端ではなく、やり切ったことが勝因だったと思います。
若泉さとしさんはTwitterの発信を頻繁にされていました。戦略というと意味が違うのかもしれませんが、人とのコミュニケーションが大好きな方なんだと思います。一方的な発信ではなく、人の残したコメントにもしっかりと返答するなど、中途半端ではなく、とてもマメにTwitterを活用されていました。
なので若泉さんのツイートには共産党の地方議員の方、他党の方、支持者などなど、たくさんの方がコメントしています。
大切な事はこれを選挙期間中だけではなく、選挙前からずっと続けたことです。
時々、選挙期間中だけSNSをやられる方もいますが、そういう方は当然ながらフォロワー数も少なく(人のことは言えませんが)拡散力もなく、いかにも当選目的だけのようで、あまりいい気はしません。
そのような場合は逆効果になる事もあります。
しかし若泉さんの場合はSNSでの発信をマメにし続けて、その中で政策はもちろんのこと、「人間・若泉さとし」を多くの方に知ってもらう事ができたのです。
僕もリベラル系の候補なら誰でも応援するわけではありません。候補者の人柄、信頼性、親しみやすさなどなど、その人の人間性に魅力を感じて初めて心から応援したいと思えるのです。
SNS上で多くの方から支持された理由はもう一つあります。それはマスクに対するこだわりです。決してオシャレのためにマスクをしているわけではありません。新型コロナの感染拡大が収まらない状況で、自分だけでなく周りの方の命と健康を守るために、いかなる時もマスクを外しませんでした。本人も強くそれを主張していましたし、SNSに載せる写真もほとんどがマスク着用です。

マスクをしっかりとして選挙運動を続けた

マスクをすることは支持者が増える理由にはなりますが、減る理由にはなりません。SNS上でリベラル系候補者を応援している人の中にはコロナ後遺症で苦しんでいて、実際に応援に行きたくても現場に来られない方も多くいます。そのような方はSNS上で、推し候補を応援するコメントや応援バナーの作成・発信などに力を入れて、比較的そのような方のほうが拡散力があったりします。そのような方達の支持を集めたことも空中戦で他の候補を圧倒した要因だと思います。

若泉さとしの選挙運動(地上戦)

僕がボランティアで入るきっかけとなった選挙ウォッチャーちだいさんの言葉「人がいない」「当落線上」
実際にボランティアで入った時の印象は、運動員の数もそこそこ多く、事務所の雰囲気も良く、これはそこそこ票を取れるのではと思いました。
街宣の反応も非常によく、多くの方が手を振り返したり、会釈をしたりと若泉さとしの名前が広く浸透していると僕は確信したのですが、、、。
しかし松戸から参加されていた方の話では、選挙戦の前半は全く組織の形が出来上がっておらず、人も全然いなかったそうです。それで急遽選挙運動に入る日数を増やして若泉さんの勝利に向けて奮闘されておりました。
その方が選挙運動に加わったことも大きな勝因です。今まで何度も選挙運動をされていたこともあり、手慣れた感じの現場の振る舞いや運動員の仕切りなど、地上戦を形あるものにしっかりと変えていきました。
またTwitterなどで若泉さんを知った方々が色々なところから応援に入りました。茨城、群馬、東京など、地方議員だけでなく一般の方も何か協力したいということで来られており、年齢層も幅広い方々から応援される形が出来上がりました。
選挙事務所に各地からボランティアが来るたびに若泉さんは手を叩きながら「ボランティアの方が来られましたー!」と事務所の方に呼びかけ、誰でも入りやすい雰囲気を作っていました。
時々あるのですが、選挙事務所にボランティアに行っても事務所の中でビラを折っているおじさんから「何しに来た?」みたいな対応をされることがあります。応援しようという気持ちで行っているのに、そのような言動に腹が立ち、しまいには落ちてしまえ!と思ってしまいます。ボランティアを温かく迎え入れる、このような若泉さんの対応が他にも広がってほしいと思います。
多くの方が集まったこともあり、選挙カーや街宣で若泉さんの横で手を振る人の数も増えましたが、年齢層が広がったことに意味があります。
共産党には党員の高齢化という深刻な問題があります。候補者から運動員のすべての人が高齢者という共産党の候補をよく見かけます。しかしどんなに良いことを話していてもそのような場合は若者の耳には届きにくいです。やはり有権者と同じ世代の方の言葉や姿が見えないと関心を持ちにくいのではないでしょうか。
高校生の話す話題に高齢者が興味を持てないのと同じで、政策を伝えたい世代のかたが運動に参加していることは重要です。
決して共産党の政策は高齢者の為だけのことを訴えているのではありません。しかし、街宣の列に高齢者しかいなかったら、おじさんしかいなかったら、若者や女性の耳には届かないかもしれません。
僕は選挙の街宣においても運動員の年齢の幅、男女比にも気を配るべきと思っています。
年齢層に偏りがあったり、性別に偏りがあったりすると、その反対に位置する層には届きにくくなります。共産党の政策は子供からお年寄りまで、そしてジェンダー平等を訴えているのですから、まずはそれを形で示すことが重要です。

選挙区外の議員の応援

若泉さんがとても珍しいと言っていたことに、他県やほかの選挙区からも現職や元職の議員の方々が八街に入り、若泉さんの勝利のために奮闘されたことがあります。
水戸市議のなかにわ由美子さん、桐生市議の渡辺ひとしさん、元衆院議員のさいとう和子さん、などなど。

渡辺ひとしさんと若泉さとしさん(ますみんさんのツイートから)

僕が入った日の午後は千葉市議のかばさわ洋平さんが来られており、僕も一緒に選挙カーに乗って八街市内を宣伝しながら回りました。ボランティアに行って、現職議員の横でお手振りをできるなんて、こんな経験は初めてでした。そして何より驚いたのは、かばさわ洋平さんのマイク宣伝が本当に上手な事です。とても力強く、わかりやすくて、アドリブもあり、こんなに上手なマイクを聞いたのは調子のよかった頃の山本太郎さんや大阪府知事選の辰巳コータローさん以来でした。共産党にはまだまだすごい議員がいるんだなと思うと、他にも会ってみたくなります。

かばさわ洋平さんのツイートより引用

選挙運動の現場で出会った議員さんの次の選挙の時に応援に行こうと考えるボランティアも多くいるのではないでしょうか?このように選挙運動が連鎖的に拡大していく可能性を感じました。実際に僕は4年後の千葉市の選挙にかばさわさんの応援に行こうと考えてます。
実はだいぶ前のことになりますが、共産党の議員は県外まで自由に応援に行くことができない(?)という話を党員の方から聞いたことがあります。もしそういうルールがあるのなら変えていく必要があると思いますし、実際に今回の選挙で県外からも多く来られていたのでもう既に変わっているのかもしれません。(間違っていたらすみません)
今は選挙漫遊とか選挙ウォッチャーをされる方も多くなり、(僕もその一人ですが)県外まで選挙応援に行くことは当たり前のようになっています。議員の方も県外まで応援に行って、選挙ボランティアの方々と交流することも党勢拡大につながるのではと考えます。(外野からの生意気な意見ですみません)

薄氷の勝利

投票日の8月27日の投票日は自宅のある金沢に戻り、旅で疲れた体を癒しておりました。
思い返せば街宣の反応が非常によく、すれ違う車から手を振ってくれたり、自宅から出てきて声援をくれたりと、手ごたえは十分でした。ヤンキー車に乗ったパンチパーマの若い兄ちゃんからも手を振り返されていたのです。
選挙事務所も応援やボランティアの車で駐車場は一杯で、にぎやかで雰囲気も良く、僕は非常に手ごたえを感じていました。
しかし気になるのは、選挙ウォッチャーちだいさんが言っていた「当落線上を争っている」「人が全く足りていない」という言葉。
実際に現場に行った僕の感想とは真逆の言葉に少し不安を感じていました。
こんなに盛り上がって負けるようなことがあれば、一体どうやったら勝てるのか?共産党の全国的な退潮傾向はここまでひどくなっているのか?いろいろなことを考え開票を迎えました。
今回注目の後藤祐樹さんは2位当選、木村ゆきこさん、桜田ひでおさんも当選しております。
そして共産党のもう一人の候補である丸山わき子さんも1016票を獲得して当選いたしました。

18位 桜田 ひでお  76 無所属 元職  700票
19位 こすげ 耕二  68 無所属 現職  687票
20位 若泉 さとし  52 共産党 新人  618票
--------------当落ライン----------------------------------
21位 大久保 幸子  60 無所属 現職  594票
22位 伊藤よしみつ  69 無所属 新人  521票
23位 しんみ 準        67 立民党 現職  507票
24位 むかさ てつや 34 諸派  新人  180票

なんと最下位当選💦それも次点と24票差💦
冷や冷やの勝利でした。
当選が決まるまでずっとモヤモヤ状態で何をするにも手に付きませんでした。
それでも当選したことに間違いはありません。これからの活躍に期待するとともに、次回はもっと上位で当選できるように実績を積んでいってもらいたいと思います。
今回の選挙戦で感じたこと、それは名前の売れていない新人候補が選挙で勝つということがどれだけ大変かということです。
SNSや街宣での反応だけでは測られないものがあるのだと強く感じたとともに、「当落線上」と言ったちだいさんの見立ての正確さには心から感心いたしました。
松戸市や千葉市、東京・・・からの応援がなかったら、もしかしたら負けていたかもしれないと思うと、僕も応援に行ってよかったと思います。
そしてボランティアに来られていた方の中にちだいキャスのリスナーが多くいて、選挙経験者も多く、それで街宣などもスムーズにできたと思います。
ただ一言いいたいことは、運動員は何をすべきか、ボランティアは何をしたらよいのか、そのあたりがしっかりと決まっておらず、効率的な動きができていなかったのではないでしょうか?
誰が車に乗る、誰が何をする、ということがしっかりと決まっておらず、時間を無駄にするようなことがありました。初めてのボランティアという方がいたらきっと不安になったでしょう。
選挙が始まってから組織がしっかりとしてきたということもあり、そこまでは及ばなかったのかもしれませんが、選挙公示までには形を作っておくべきだと思います。

電話で当選の知らせを聞き喜ぶ若泉さん

これからの若泉さんに期待したいことは、議会や地元での活動もそうですが、遠方から応援に来たくても来れなかった方も多くいますので、余裕のある時には地元以外の選挙にも応援などに出かけて行ってほしいと思います。
他党は現職議員などが地元など関係なく選挙応援に全国を飛び回っています。共産党の場合、そのような動きが少し弱いように思います。地域差があるのかもしれませんが、僕の住む地域ではそのような事はあまり聞きません。
若泉さとしさんに会いたがっている支持者は他の地域にも多くいますし、それよりも若泉さんが選挙で実践したSNSと実働の相互作用を全国の共産党議員の方々にも伝えてほしいと思います。
それにしても当選してよかった~!!

選挙のこぼれ話

立憲民主党から立候補したしんみ準さんは507票しか取れず落選となりました。しんみさんは現職の市議で一時期は木村ゆきこさんと一緒に会派を組んでいたそうです。しかし木村ゆきこさんの遅刻癖や素行の悪さに呆れて会派を解消しました。
そんなしんみさんですが、選挙運動の最終日に八街駅ロータリーで若泉さんが街宣をしていると、ロータリーでの選挙運動は選管から禁止されているからそこから移動するようにクレームを言い、若泉さんの陣営が別の場所に移動するや否やそのロータリーに移動し、そこでマイクを使った宣伝を始めました。選管から禁止されているということは、全くのデマだったのです。
立憲民主党の看板が泣くぞ!と言いたくもなりますが、時々そんなおかしな議員もいるので、特になんとも思いませんが、そこまでして落選するって、ちょっとカッコ悪いぞ!
こんなしんみ準さんが素行の悪さに呆れて会派を解消した木村ゆきこさんってどれだけ酷いんだと考えてしまいます。

卑怯な手を使ったにもかかわらず落選したしんみ準さん

選挙ウォッチャーの考察

若泉さとしさんの当選に僕は心から喜びましたし、こんなにドキドキする開票は久しぶりでした。
これからは議員活動で実績を積んで、次回は票を倍増させて、開票日は僕らを安心させてほしいと思います。
ただ思うことは、共産党の退潮ムードは深刻になっているということです。ネトウヨなどがSNSで反共攻撃を繰り返し、それに対しての反撃が全く足りていません。地方選挙ではSNSはあまり力にならないと言いながら、こういう攻撃では大きな力になるのです。アンチコメントも非常に多いです。YouTubeでも共産党を攻撃するような動画が多く流れ、視聴数も100万回再生というものも中にはあります。
一つ一つは小さな攻撃ですが、ここまで数が多いと影響を受ける有権者も多くいるのです。
僕の会社の同僚でも、共産党の話をすると「洗脳される」とか「存在意義がない」など、ネガティブな意見が多く聞かれます。
このような攻撃には正面からしっかりと反撃していくことが必要です。
意味合いは違いますが、維新は攻撃されると守ることはせず、その倍以上の力で相手を攻撃します。それくらい攻撃されることには敏感なのです。
共産党は長年いろいろと攻撃されてきたこともあり、それに慣れてしまった感じがします。既に何度も使われた方法や論法での攻撃に慣れてしまい、何度も反論してきたからなのか、反撃がとても弱いように感じるのです。いろいろな媒体でしっかりと一つ一つ反論して、党の正しい姿を伝えるということにもっと取り組んでほしいと思います。
今のような退潮が続くと、地方議員の空白区がもっと広がる恐れがあり、それは地方行政の監視機能が失われることに繋がるからです。
そして今回の選挙で活躍したSNSですが、苦手な方や不向きな方にまで活用すべきとは思いません。しかしできる方、向いている方はもっと積極的に活用してほしいのです。政策だけでなく、候補者の魅力をもっと発信して、党の魅力を多くの方に伝えてる先頭に立ってほしいと願っています。
SNSの発信が上手だなと僕が思う共産党の地方議員の方は、若泉さとしさん以外にも三重県の2人、京都南丹市の方などなど、多くいますので、そのような方々の発信を参考にして自分なりに活用方法を学んでいってはいかがでしょうか?
そういう発信が拡散力、活動力のある方達の目に留まり、選挙の時はボランティアとして一緒に活動することになるかもしれません。

落花生を買えばよかったと後になって後悔してる


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