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第26話 マイケル・デル 自己哲学と人生哲学

❝何をやるのかを決めるのは簡単であり
何をやらないのかを決めるのが大事である❞


私は過去に三度、自分自身に負けた。負けたというのは楽な道や欲に負けたことである。

その時、漫画でジョジョの奇妙な冒険を読んでいた。ある場面で
”自分自身に打ち勝つことが一番好きだ”のような台詞を岸辺露伴というキャラクターが言った。私はその台詞から色々学んだ。負け続けたらどうなるのかと考えたら、小さな雪の塊を転がして雪だるまになるように
負けが定着し、負けることに対して何の感情も産まれなくなると思った。

私は三度目の後、その台詞からこれから先は絶対に己に打ち勝つと決めた。自分自身で負け続けた場合、弱く、汚く、良い友人もあまりできなくなる。そして彼の台詞のように己に打ち勝つ事ほど気持ちのいいことはないことを知った。

私は己に打ち勝ちだしてもう十数年ほどたつが、自分に打ち勝つ事ほど気持ちのよいものはない。それが己を成長させる方法だということも理解した。何をやるのかは確かに簡単であるが、何をやらないのかを決めるのは難しいことである。当然、意味の無いものは除外して、
やらない決意を持つのは人間としてとても困難なことである。

私は己にルールを課している。嘘は可能な限りつかない。日常において嘘を全くつかないことは難しい。だが難しい故に嘘に慣れてしまったらもう引き返すことは困難を極める。だからこそ可能な限りは私は嘘をつかない。昔、ゲーム雑誌業界にいたことがある。そしてあるネタを提供してきたものに対して私は一カ月はかかると言うと愚かな上司は
適当でいいからと言った。私は当然、雑誌を買う消費者に見えずともやらせのような事は出来ないとはっきり言った。

私のその発言で未来は見えてはいた。だがそんなふざけた真似をするくらいなら辞めようと思った。上司に一人賢い人がいた。私と同等かそれ以上だと判断していた上司だ。その上司からこの度のお詫びの電話がかかりその彼が英断を下すのは私が反対した時から分かりきっていた。

私も英断をいくつも下してきたからその人の気持ちは理解できたので
私のほうから退いた。他にも仕事はあるし問題はなかった。私が仮にその時、結婚でもしていれば上司に報告はして他の人に担当してもらうよう図ってもらったはずだ。現に上の上司からは他の仕事を回すのでと話はあった。

ある時、難しいゲームの攻略担当になった。自分で決めた厳しいルールでのクリアをノーセーブで目指すという企画ではあったが、私は決めたルールは普段からしていることだったため何とかなるだろうと思った。
確かシナリオではない、三十傑の明智光秀で復讐を果たすというものだった気がする。上級モード、敵のIQMaxでノーセーブという企画だった。明智光秀には優秀な人材がおらず明智光秀頼りになるのだが近場に西に秀吉さん東に信長さんがいてかなり苦戦を強いられ何度もやり直した相方は私が上手いことは知っていたが締め切り日の日にはちょっとくらい妥協してもと言われた。私はこれでクリアして見せると言ってギリギリでクリアした。一睡もせずに三日かかったが満足はした。編集部でも高評価だったと言われたが、何よりも充実感があった。

生きていくのは苦難であり、その中に喜びや幸せがあるがそれにより人間は成長する。失敗を活かせと多くの哲学者たちも言っている。
自分一人で悩まず信頼できる人に相談するのもいい。だが決定は自分でするものだということを忘れてはいけない。
選択は苦悩の数だけあると先人も言っている。

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