美人だけど満たされない生活を送る人妻がバイト先のコンビニでイケメンと出会う

第1話 イケメンくん


 今の生活に不満はない。

 不満を言ってはいけない。

 夫は大企業の課長でしっかりとした稼ぎがあって。

 本来なら、私は専業主婦でやっていけるくらいなのだけど。

 ずっと、家にこもってばかりいたくないから、近所のコンビニでアルバイトをしている。

「ハナちゃん、アメド揚げてくれる?」

「あ、はい」

 同僚のおばさま達はみんな、働き者で優しい。

 合間にするお喋りが楽しかったりする。

 もちろん、私も精一杯、お仕事をして来たつもりだ。

「そういえば、ハナちゃん。知っている?」

「何ですか?」

「どうやら、うちにイケメンが来るらしいよ」

「イケメン……?」

「あんた、知らない? 面接に超イケメンが来て、ちょっと騒ぎになったこと」

「ごめんなさい、知らなくて……じゃあ、久しぶりに男子が入るんですね」

「ええ、そうなのよ。やっぱり、男出は必要よね~。あと、女としての潤いも」

「そ、それはどうなんですかね~?」

 私が苦笑しながら言うと、

「ハナちゃん、あんた美人さんだけど、ぶっちゃけ潤い、足りてないでしょ?」

「へっ?」

 ビクッ、とも、ギクッ、ともしてしまう。

 バイト仲間の坪内つぼうちさんは、働き者だけど、ちょっとお調子者なところがある。

「そんな美人で、おまけに細身のくせにボインなのに、もったいないね~」

「ちょっ、坪内さん……」

「ぶっちゃけ、どうなの? 今イケメンが来るって聞いて、胸キュンしちゃっている? それとも、子宮が……」

「わ、私、アメド揚げて来ます!」

「あ~ん、いけずぅ~!」

 私はフライヤー室に逃げ込んだ。

「……ふぅ」

 まったく、坪内さんったら……

 私は冷凍庫からアメドを取り出し、6個ほど揚げる。

 その間、ジッと油がジュワジュワと沸き立つのを見ながら、自然と手が胸に触れる。

 我ながら、無駄に大きく育った、あるいは脂肪がついたそれに苦笑しつつ。

 まあ、動揺したせいか、ちょっと鼓動は早い気がするけど。

 それから、おもむろに手が下の方に行く。

 下腹部のあたりに触れた。

 子宮は……

 キュンキュン♡

 ……えっ、嘘でしょ?

 いま心臓の鼓動よりもハッキリと、子宮の疼きが……

 って、私はそんな嫌らしい女じゃ……

「ハナちゃん」

「ひゃんっ!?」

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