見出し画像

【超短編小説】 明日には好きになる


「明日には好きになると思う」

「どういうこと?」

「なんていうか、好きと嫌いが毎日入れ替わるんだよね。だから、今日はちょっと嫌いなの」

「昨日は?」

「どっちでもない」

「その基準じゃ、僕には分からないよ」

「分からないけど、そうなの」

「どうして?」

「理屈じゃないんだよ、こういうのは」

「分かりやすく言って」

「上手く言えないけど。女の子にはそういうことがあるんだよ。そうだから、そうとしか言えないの」

「そうなのか」

「そう。だから、嫌いになった訳じゃないの。私、明日には好きになるから」(完)