見出し画像

lemon soda ネイルサロンに行く。


職場の同僚である、元ギャル看護師Bちゃんが行きつけのネイルサロンを紹介してくれた。

私はネイルをほとんどしない。ピアスも空けない。カラーリングも無難な色。

病院勤めをしていたためか、親が厳しかったためか、付き合う男性がいつも華やかさを好まないためか…

キッカケを逃していたのもあるが、要は…
かなりめんどくさがりで華やかさに抵抗感を持つ傾向がある。

しかし、Bちゃんの紹介に単純にも心が動かされてしまった。

いつも華やかで可愛いBちゃんを見ていると、

「綺麗でいることって素敵」

と素直に思えるのだ。

つけまつ毛、2週間に一度変わるオシャレなネイル、上品にあけたピアス、明るめのカラーリングなのにツヤツヤした髪。


「Bちゃん可愛いわぁ。」

といつもセクハラ親父のように呟く私。

「lemon sodaさんに言われると嬉しい!」と喜んでくれる。

「あたしも行ってみようかな…」

と言うと、


「良かったら、ここ行ってみて下さい!」

とBちゃんに勧められたのは、私の街から南に約45キロほど離れた場所…

「遠!」(笑)
と突っ込むと、

「でもね、なにも言わなくてもその人のオーラ合ったデザインにしてくれるんです!すごいんですよ!」

オーラとか怖いな、なんか…

まあ、いいか。

手は少しハードルが高い気がして、足で予約してみた。

そして、ネイルサロンへ行く当日を迎える。

私の自由時間は子ども達がいない平日の昼間だ。

悪い癖だが、少しの罪悪感…

「あたし…子ども保育園に預けてネイルなんて行っていいのか?」
「ネイルに否定的な旦那は嫌な気しないだろうか。」

と、どこかで私が質問する。

いや、いいと思う。

自分の時間を持つこと、自分を癒して楽しむこと、おしゃれになりたいと思うこと…

悪いことじゃない。

だから大丈夫。

そう言い聞かせて雨の中高速に乗り、45キロ先のサロンまで車を走らせた。



「いらっしゃっいませー」

独特のお香の香りとドライフラワー。懐かしい洋画のDVD。流れていたのは「プラダを着た悪魔」私が若かりし頃に観たもの。

アン・ハサウェイ、ジュリアロバーツ、アンジェリーナ・ジョリは私が20代の頃に憧れた女性達だった。

お香の香りが心を鎮め、色褪せないドライフラワーが時間を止めているような、なんともいえない空間。

「ペディキュアでしたね。お色はご希望ありますか?」と、問われた。

「えっと…自分に何が合うかよくわかりません。天然石風アートが、素敵だなと思いました。白いパールとか…」

「素敵ですね。おまかせ下さい」

東京の六本木の店で20年のキャリアを積み、10年程前に実家に戻り店を出したらしいネイリストの女性。

サバサバとした姐御気質な感じ。
好き嫌いがはっきりしていそうだが、気遣いやら心配りが所作の端々から感じられ、繊細な一面も垣間見られた。


少し古い映画、ドライフラワー、お香の香、ネイリストの職人技…

不思議な時間が流れる。

2時間後、ネイルが完成。

パールと天然石アート的な感じらしい。

私のイメージってこんなミステリアスなんだろうか…笑

もっと白がメインでシンプルで冷たい感じかと思っていたけど、なんだか混沌とした中に漂いながら、迷走しているような複雑な感じ。

どこか温かみも感じる。

いや、スモーキークォーツ?
厄除け?

ネガティブなめんどくさい性分を見破られた?

まあ、細かいことはともかく、翌日Bちゃんに見せると喜んでくれて、褒めてくれた。

「lemon sodaさんにピッタリのデザインです!」

自分が感じでいるイメージと相手が受け取っているものは違うことを改めて認識したり…

とにかく、いつもの自分と違うのは恥ずかしさもあり、自信という名のパワーが湧いてくる気もする。

年をとっても、母になっても、おしゃれしたって良いのだ。


若い頃の私のことを少しだけ思い出して、少しだけ私に優しくなれた日だった。


一応 短歌 字余り

この記事が参加している募集

今週の振り返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?