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夫、憧れへの道
夫の趣味のプラモデル製作はこのひと月以上休止中だ。
休日はライブやなんやらで夫婦でほっつき歩き、作る時間がないからだ。
仙台に行ってきた。
昨年末の紅白で寺尾聰さんへの憧れが加速した夫と、寺尾さんのライブを聴きに行ったのである。
仙台に到着した我らの目に入ってきたのは、
ポケモンの大きなフラッグ。
サイネージもすべてポケモン。
仙台では「ポケモンGO FEST」を開催中だった。
人は多いがとても静か。
みんな携帯を見ている。
まずは牛タンストリートへ。
午前11時、ピカチュウサンバイザーの人が行き交う中、どのお店もすでに長蛇の列だった。
新幹線が到着するたび、人の列は長くなる。
仙台は住民の方の足となるバスと、観光客用のバスが別々なのがとてもいいと思う。
観光地を巡るバス「るーぷる仙台」に乗って瑞鳳殿に行った。
仙台城址は去年見学したので今回はパス。
瑞鳳殿は伊達政宗公が眠る、ゴージャスな桃山文化の装飾に彩られた霊屋だ。
華や楽器を持つ様々な飛天(天女)に注目。
こんな天女さまに囲まれたらいい香りがするに違いない。
戦国の世を生き抜き、夢のような世界に眠る政宗公だ。
仙台はジャズ喫茶の街で、行ってみたい店があったのだが、牛タンとバス待ちで時間をロスして今回はあきらめた。
仙台駅からライブハウスがある地下鉄の終点まで15分もかからない。
終点荒井駅で降りた人はライブハウスに向かう人が多かった。
みんなベストテンを見ていた昭和キッズだな。
仙台GIGSに集結だ。
寺尾聰さん77歳。
フランクシナトラやダイアナロスのカバーやオリジナル曲をシャンパンを飲みながら歌う。
大人の余裕。
大人の渋さ。
渋いだけじゃない。
ルビーの指環を演ったらおしまいだと思ってください、と言って笑う寺尾さん。
主演映画の話、若い俳優との演技論、紅白の裏話まで、ご自身の関わった作品とプロデューサー、バンドメンバーへの愛情溢れるトークは和やかだった。
後期高齢者なんでね、なんてご自分で笑っていらした。
お父さんの俳優宇野重吉さんの話も織り交ぜながら、
「どう死ぬかよりどう生き抜くか」
とおっしゃった。
これは親の老いと向かい合う私たち世代に、さらに自分自身のこととしても頭の片隅にそっと残しておきたい言葉だった。
ラストは「ルビーの指環」だった。
ここだけはスタンディング。
オーディエンスも粋な大人たちだった。
夫は感動して、終演後の物販の列に並び、さらに
ポスターの隣りで同じポーズで写真を撮った。
憧れのリキ(西部警察)なのだ。
こないだの元春のライブでどうしてもと言ってかけていたレイバンのサングラスを持っていかないのかと聞けば
「あのサングラスは大門仕様やねん。」
と言っていた。
リキちゃうんかいな、
と思ったが、まあいい。
憧れるなら西部警察のリキより大門より寺尾聰さんがいい。
渋い大人、イケオジを目指すんだ。
夫が作ったプラモデルの車は現在14、5台。
背景の白い壁みたいなのまで買って、写真を撮って
「車のカタログみたいやろ。」
と喜んでいる。
私は相変わらず興味ない。
共通の趣味として音楽のライブ参戦があればそれでいい。
まだ作ってないプラモデルが5箱ある。
プラモはもうしばらくお預けだ。
来週は聖子ちゃんのコンサートだ。
全力で夏の扉を開く。
フレッシュ!フレッシュ!
フレーーーッシュ!
そんな我らに、
渋い大人イケオジへの道は遠い。
憧れの道は遠いけど、
そのまま生き抜こう。
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そのときは
ジャズ喫茶と宮城県美術館だな
寺尾聰 ライブツアー仙台2024
@SENDAI GIGS
2024/6/1
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